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NVIDIAの新AI基盤「Vera Rubin NVL72」がクラウド大手に出荷開始 — 前世代比で推論コスト1/10、OracleとCoreWeaveが先陣

6月18日、Hassan Mujtabaが「The World's Top Cloud Providers Are Now Getting NVIDIA's Vera Rubin NVL72, The World's Fastest AI Platform」と題した記事を公開した。前世代Blackwell比で推論コストがトークンあたり1/10——その驚異的な数字を謳うNVIDIAの最新AIプラットフォーム「Vera Rubin NVL72」が、OracleとCoreWeaveへの出荷を開始した。量産体制への移行直後という節目のタイミングで、世界最速のAIプラットフォームがクラウドインフラの最前線に姿を現した。

6月18日、Hassan Mujtabaが「The World's Top Cloud Providers Are Now Getting NVIDIA's Vera Rubin NVL72, The World's Fastest AI Platform」と題した記事を公開した。前世代Blackwell比で推論コストがトークンあたり1/10——その驚異的な数字を謳うNVIDIAの最新AIプラットフォーム「Vera Rubin NVL72」が、OracleとCoreWeaveへの出荷を開始した。量産体制への移行直後という節目のタイミングで、世界最速のAIプラットフォームがクラウドインフラの最前線に姿を現した。


OracleとCoreWeaveが最初の受領者に

OracleとCoreWeaveが、NVIDIAのVera Rubin NVL72プラットフォームを受領した最初のクラウドプロバイダーとなった。

Oracle Cloud InfrastructureのEVP、Mahesh ThiagarajanがX(旧Twitter)で最初に公開した写真には、72基のRubin GPUと36基のVera CPUを搭載した巨大なNVL72ラックが映っている。「NVL72」という製品名はこの構成——72基のGPUを1ラックに集積する——をそのまま表したものだ。Vera CPUはNVIDIAが独自開発したARM系プロセッサで、Rubin GPUとの密結合によりデータ転送のボトルネックを排除する役割を担う。

続いてCoreWeaveのCompute Architecture担当シニアディレクター、Jacob Yundtが同社の様子を動画で公開した。その映像では、トラックからシステムをおろして施設内に搬入するのに3〜4人が必要だった様子が記録されており、1ラックあたりの物理的な規模がよくわかる。CoreWeaveは自社が「Vera Rubin NVL72プラットフォームを最初に立ち上げ・検証したクラウドプロバイダー」と主張している。

なお、NVIDIAは先月、Vera CPU単体をAnthropic、OpenAI、SpaceX、Oracleといった主要AI企業に手渡しで届けている。今回のNVL72はGPUとCPUを組み合わせた完全なラックシステムとして、クラウドプロバイダーへの展開が始まった段階だ。


Blackwell比でコスト1/10という数字

Vera Rubinのパフォーマンス指標として注目すべき数字がある。

  • MoE(Mixture of Experts)トレーニング速度:前世代Blackwellと同等の処理をGPU数1/4で実現
  • 推論コスト:トークンあたりのコストがBlackwell比で1/10

MoE(Mixture of Experts)とは、入力ごとにモデル全体のパラメータのうち一部の「専門家」ブロックだけを選択的に活性化させる手法で、全パラメータを常に使うDenseモデルと比べて計算効率が大幅に高い。近年の大規模言語モデルで広く採用されているアーキテクチャだ。

直前のMLPerf 6.0ベンチマークでBlackwellが全記録を塗り替えたばかりだが、Vera RubinはそのBlackwellをさらに大きく上回るスペックを謳っている。


「AIは5層のケーキ」——ハードウェアは1層に過ぎない

Vera Rubin NVL72の出荷は大きな一歩だが、NVIDIAのCEO Jensen Huangはそれだけでは不十分だという文脈を「AIは5層のケーキ」という表現で説明している。NVL72ラックはそのうちの1層(ハードウェア)に過ぎず、電力・冷却・インターコネクト・ネットワーク、そしてソフトウェアスタックが揃って初めてシステムとして機能する。

ソフトウェア層でNVIDIAの競争優位を支えるのが**CUDAと、AIワークロードに特化したライブラリ群CUDA-X**だ。NVIDIAはこのエコシステムを10年以上かけて構築しており、開発者ツール・最適化ライブラリ・フレームワーク連携の深さは他社が短期間で追随できるものではない、と記事は指摘している。NVL72というハードウェアの刷新は、このソフトウェア資産と組み合わさることで初めてその真価を発揮する。

CoreWeaveはハードウェア管理のソフトウェア層にも独自の投資を行っており、ソフトウェア定義の液冷スタックを「Valvey」、統合ラック制御を「Racky」と命名している。ハードウェアの搬入にとどまらず、データセンター運用全体をソフトウェアで制御・最適化する取り組みとして注目される。


量産・本格稼働のスケジュール

Vera Rubinはすでにフル量産体制に入っており2025年Q3が最初の実運用開始のタイミングとなる見込みだ。現時点でのOracleやCoreWeaveへの展開は、テスト・検証フェーズという位置づけである。

※本記事の元記事公開日は2026年6月18日であり、上記「2025年Q3」は元記事が参照したNVIDIAの従来発表に基づくスケジュール情報と思われる。現時点ではそのQ3はすでに経過しているが、本記事では元記事の記述をそのまま紹介している。

AIデータセンターにこうしたラックが数十万台規模で並ぶ未来を見据えると、インフラの電力・冷却設計が次の焦点になりそうだ。


詳細はThe World's Top Cloud Providers Are Now Getting NVIDIA's Vera Rubin NVL72, The World's Fastest AI Platformを参照していただきたい。