6月18日、Anthropicが「Claude Code now supports artifacts」と題した記事を公開した。Claude Codeのセッション内でAIが調査・分析した内容を、そのままインタラクティブなWebページとして生成・共有できる「アーティファクト機能」のベータ提供が始まった。スタンドアップ開始までの数分間で、チーム全員が同じ最新情報を見られる状態を作れるのが特徴だ。
claude.aiのArtifacts機能をCLIへ拡張
この機能は、claude.aiのチャットUIで2024年に一般公開されたArtifacts機能——会話中にClaudeがコードやドキュメントを独立したパネルとして生成する機能——を、Claude Code(CLI/デスクトップアプリ)の文脈に拡張したものと位置づけられる。チャット上のArtifactsがリッチなプレビューを個人の画面に出力するのに対し、Claude Codeのアーティファクトはチームへの共有URL付きWebページとして出力される点が核心的な違いだ。
Claude Code公式ドキュメントでは、Claude CodeをAIネイティブな開発ワークフローの基盤として位置づけており、今回の機能はその「成果物の外部化・共有」という方向への拡張といえる。
セッションの文脈をそのままWebページに変換する
Claude Codeのアーティファクト機能の核心は、AIセッションの全文脈(コードベース、接続ツール、会話ログ)をそのままWebページとして出力できる点にある。
従来、AIエージェントに調査や分析をさせた後、その結果をチームに共有するには「エージェントが何を見つけたか説明する」という一手間が必要だった。アーティファクト機能はこのコミュニケーションコストを削減する。
具体的な仕組みはシンプルだ。Claude Codeのセッション中に「アーティファクトを作って」と依頼するだけで、Claudeはそのセッションが持つ情報——コードの内容、接続している監視ツールのエラーデータ、調査の推論過程——を組み合わせてWebページを生成する。データソースの接続設定やインフラ構築は不要で、すでにセッションに存在する情報を使って即座にページを作る。
インシデント対応での実用シーン
記事では、内部テストでの代表的なユースケースとしてデバッグシナリオが紹介されている。
スタンドアップ前にエンジニアがインシデント調査を開始。Claude Codeがログを解析し、タイムライン・疑わしいコミット・エラーレートのグラフをアーティファクトとして公開する。彼女はページヘッダーからチームにリンクを共有する。スタンドアップが始まるころには、Claudeは調査の進行に合わせて2回再公開していた。
ポイントは「同じURLが更新され続ける」点だ。アーティファクトを更新するたびに開いているページがその場でリフレッシュされ、チームメンバー全員が常に最新の情報を見ている状態になる。バージョン履歴も保持されるため、任意の時点に戻すことも可能だ。
職種別の想定プロンプト例
記事では職種ごとに具体的なプロンプト例が列挙されている。特に実践的なものを抜粋する。
- ソフトウェアエンジニア(PRレビュー): 「このPRのアーティファクトを作って——差分、変更の意図、テスト内容を含めて」
- SRE / オンコール: 「このインシデントをアーティファクトに——タイムライン、疑わしいコミット、監視からのエラースパイクを含めて、調査しながら再公開して」
- スタッフエンジニア / アーキテクト: 「ペイメントサービスの構成をアーティファクトにマップして——ホワイトボードではなくコードの実際のインポートグラフから」
- セキュリティ: 「このレビューの認証関連の発見事項をアーティファクトにまとめて、それぞれをコードの該当行にリンクして」
- リーガル / オープンソース: 「全サードパーティ依存ライブラリとそのライセンスを一覧にしたアーティファクトを作って、コピーレフトのものにフラグを立てて」
これらのプロンプト例に共通するのは、「調査と共有を同一セッションで完結させる」という設計思想だ。従来はツールやドキュメントを行き来していた作業が、Claudeとの対話一本に集約される。
アクセス制御と管理機能
セキュリティ面では、アーティファクトはデフォルトで作成者のみに非公開となっている。共有はOrg内の認証済みメンバーに限られ、パブリック公開はできない。
管理者向けにはOrg単位のトグル、ロールベースのスコープ設定、保持ポリシーの設定、コンプライアンスAPIによるOrg全体の可視化が用意されている。エンタープライズ利用における情報管理の要件にも一定程度対応した設計といえる。
提供状況
現在はベータ版としてClaude TeamおよびEnterpriseプランのOrg向けに提供されており、Claude Code CLIとデスクトップアプリから利用できる。生成されたページはブラウザで閲覧可能だ。
詳細はClaude Code now supports artifactsを参照していただきたい。




