6月18日、TechSpotが「Just 16% of Americans think AI will benefit society, despite chatbot use climbing to 49% of US adults」と題した記事を公開した。米国人のチャットボット利用率が急増している一方で、AIが社会に恩恵をもたらすと考える人がわずか16%にとどまるという、利用と信頼の乖離を詳しく紹介している。
使うのに信じていない——49%が利用、でも「有益」は16%
Pew Research Centerが2026年6月17日に公開した調査によれば、米国成人の49%がチャットボットを利用している。2年前の33%から大幅に増加しており、うち約4人に1人は毎日使用している。
なお、Pew Research CenterはワシントンD.C.に拠点を置く非党派の調査機関で、世論・メディア・テクノロジーなどに関する社会調査を広く公表していることで知られる。政府や企業から独立した立場で調査を行っており、その結果は政策議論や報道でも頻繁に参照される。
ところが、AIが今後20年で社会にポジティブな影響をもたらすと答えた人は**わずか16%。一方、ネガティブな影響があると答えた人は40%**に上る。残りの3分の1程度は「プラスとマイナスが同程度」と回答した。
社会全体だけでなく、自分自身の生活への影響についても悲観的な見方が上回っている。「自分の生活にネガティブな影響がある」と答えた割合は**31%、「ポジティブ」は23%**だった。
使う人は増えているのに、信頼は伴っていない——この構図が今回の調査の核心だ。
何に使っているか
利用目的として最も多いのは情報検索で、これはGoogle検索やWebサイト閲覧に代わる行動として定着しつつあることを示す。この動向はWebのビジネスモデルへの影響という観点でも注目されており、CloudflareのCEOがAIクローラーによるサマリー生成がインターネットの収益構造を侵食していると警鐘を鳴らすなど、業界でも議論が続いている。
その他の主な用途は以下の通り:
- 業務タスク
- 娯楽・エンターテインメント
- 画像の作成・編集
- 医療・ダイエット・フィットネスに関するアドバイス
最後の医療用途については、チャットボットの開発元自身が「診断や治療の判断に使わないよう」と注意喚起しているにもかかわらず、利用者が一定数いることが確認された。
シェアはChatGPTが首位、ただし追い上げあり
チャットボットのサービス別シェアは以下の通り:
| サービス | シェア |
|---|---|
| ChatGPT | 44% |
| Gemini | 24% |
| Copilot | 17% |
| Meta AI | 14% |
ChatGPTの優位は続いているが、競合各社が追い上げている。市場調査会社Sensor Towerによれば、ChatGPTはGoogle Mapsを抜いて月間アプリ利用者数10億人に到達した最速のアプリとなった。利用の拡大と不信感の高まりが同時に進行している状況が、数字の上でも裏付けられている。
若者が最も不安を感じている
AIの社会的影響に最も懸念を示しているのは18〜29歳の若年層だという結果も出た。同調査によれば、この年代はAIによる大規模な雇用喪失への懸念を特に強く持っているとされており、これはあくまで調査が捉えた「回答者の認識」である。一部の経営幹部は「AIは同数の雇用も生み出している」と反論しているが、調査結果はその見方が若者に浸透していないことを示す。
また、約3分の2のアメリカ人が「AIの進化は速すぎる」と感じている。政府によるAI規制を「効果的に行えると確信している」と答えた人は33%のみ(67%が「あまり信頼していない」または「まったく信頼していない」)。企業によるAIの責任ある開発・利用についても、約6割が自信を持てないと回答している。
規制への不信感は、政府・企業の双方に向けられており、AIガバナンスの議論が急務であることを改めて示す数字だ。
利用拡大と不信感の共存が示すもの
利用は広がっているが、社会的な納得感はまだ形成されていない——この調査はその現状を端的に示している。チャットボットが「使うもの」として日常に定着する一方、「信頼できるもの」としての評価は追いついていない。技術の普及と社会的受容の間にあるこのギャップは、今後のAI開発・規制・コミュニケーション戦略を考えるうえで無視できない示唆を含んでいる。
詳細はJust 16% of Americans think AI will benefit society, despite chatbot use climbing to 49% of US adultsを参照していただきたい。




