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オープンモデル最強候補「GLM-5.2」がClaude Opus 4.7相当の実力に — フロンティアとの差を4〜7ヶ月まで縮めた中国系ラボの現在地

6月22日、Zvi Mowshowitzが「GLM-5.2 Is The New Best Open Model」と題した記事を公開した。中国の研究機関ZhipuAIが開発したオープンウェイトモデル「GLM-5.2」が、現時点で最強のオープンモデルである可能性について詳しく論じた内容だ。単なるベンチマーク報告にとどまらず、フロンティアモデルとの差・蒸留疑惑・実用上のニッチまで踏み込んでいる点が注目される。

6月22日、Zvi Mowshowitzが「GLM-5.2 Is The New Best Open Model」と題した記事を公開した。中国の研究機関ZhipuAIが開発したオープンウェイトモデル「GLM-5.2」が、現時点で最強のオープンモデルである可能性について詳しく論じた内容だ。単なるベンチマーク報告にとどまらず、フロンティアモデルとの差・蒸留疑惑・実用上のニッチまで踏み込んでいる点が注目される。


ZhipuAIとGLMシリーズについて

ZhipuAIは清華大学発のAIスタートアップで、中国国内では有力な研究機関のひとつとして知られる。GLM(General Language Model)シリーズは同ラボが継続的に開発してきたオープンウェイトLLMの系譜で、ChatGLMシリーズとして中国語圏での利用を中心に実績を積んできた。日本語圏での認知度はDeepSeekやQwenに比べて低いが、今回のGLM-5.2はその評価を大きく塗り替えうる性能を示している。


Claude Opus 4.7相当——GLM-5.2のベンチマーク

GLM-5.2はオープンモデルとして現時点で最高水準のベンチマークスコアを記録している。

Artificial Analysis v4.1では、スコア51を記録。Fable(60)、Opus 4.8(56)、GPT-5.5(55)、Opus 4.7(54)に次ぐ5位で、GPT-5.4(同51)と並ぶ。

各種ベンチマークのまとめは以下の通り:

  • LiveBench: Opus 4.5〜4.6の間
  • Vals.ai: オープンモデルの中で明確な1位。総合5位(Fable、Opus 4.8/4.7、GPT-5.5に次ぐ)
  • FrontierSWE: 3位。Opus 4.8の1段階下、GPT-5.5の1段階上
  • PosttrainBench: 1位(Opus 4.8をわずかに上回る)
  • Arena(テキスト): 25位。エージェントリーダーボードでは10位
  • EQ-Bench(長文創作): 8位

総じて、「ターゲットを絞りやすい従来型ベンチマークではOpus 4.7相当の実力」という評価が一致している。

ただし、反sycophancy(お世辞対策)テスト「You're Absolutely Right」のスコアは低く、ベンチマークに最適化されている側面も指摘されている。


フロンティアとの差はどれくらいか

Zviは「公開日ベースで比較すると、GLM-5.2はフロンティアモデルに対して4〜7ヶ月遅れの水準にある」と分析している。価格は主要クローズドモデルより低いものの、オープンモデルとしては比較的高め。APIコストは入力$1.40/キャッシュ$0.26/出力$4.40。

また、以前のDeepSeek R1が話題になったタイミングと比べても、今回のGLM-5.2の方がフロンティアに近いとしている。

Teortaxes(X): GLMは今この瞬間において最強の中国系ラボだ。これは本当にフロンティアモデルだ。テキストのみのタスクではほぼすべての面でOpus 4.7に匹敵する。R1がその時代に縮めた差より、さらに差を縮めている。


Claudeからの蒸留疑惑

GLM-5.2については、Claudeのデータを用いた蒸留(distillation)が行われた可能性を指摘する声が複数ある。根拠として挙げられているのは、「自分はClaudeだ」と回答するケースが複数のユーザーから報告されていること、およびClaudeの文体的特徴との類似だ。ただし現時点ではZhipuAI側からの公式な説明はなく、疑惑の段階にとどまる点には留意が必要だ。

蒸留モデルの一般的な特性として、Zviは2点を指摘する:

  1. 汎化性能が低い傾向——ベンチマークや頻出タスクでは過剰評価されやすく、非典型的なタスクでは実力を下回る
  2. 能力差の過小評価——蒸留元のフロンティアモデルとの差が見えにくくなる

ユーザーの声

実際の使用報告は概ねポジティブだ。

Jeremy Howard(X): GLM 5.2は驚異的だ。Opus 4.8やGPT-5.5と少なくとも同等で、非常に高速、安価、冗長でない。長文コンテキストの処理が非常に優秀。このようなオープンウェイトモデルは経験したことがない。

Michał Wadas(X): ベアメタルKubernetesクラスタ上のEnvoy GatewayのカスタムエラーページをGLM-5.2に実装させた。2時間かかって成功。Opus 4.8 highは昨日同じタスクで自信を持ってハルシネーションした。コスト: $7.32

0.005 Seconds(X): 個人的な長文コンテキストベンチマーク(C言語でJSエンジンを実装し9万件以上のテストを通すもの)では、あるモデルがオープンモデルで最高だったが、GLM-5.2もそこに次ぐ。ハーネスの改良や監視を加えれば、コストと性能のバランスで非常に優秀だと思う。

※元記事のコメント内では比較対象モデルとして「GPT-5.2」という名称が記載されているが、同名のオープンモデルは現時点で確認されておらず、名称の誤記または非公開テストモデルの可能性がある。編集部では元記事の表記を尊重しつつ、読者の混乱を避けるため対象モデル名の明示を省いた。(※編集部注)


弱点と立ち位置の難しさ

ビジョン(画像認識)非対応は複数のユーザーから落胆の声が上がっている。DeepSeekも同様で、中国系主要オープンモデルのマルチモーダル対応の遅れは引き続き課題だ。

また、Zviは「ニッチを見つけるのが難しい」と指摘する。軽量タスクはより安価なオープンモデルが担い、高難度タスクは依然としてフロンティアのクローズドモデルが優位。GLM-5.2の価格帯では、「オープンであること自体に価値を置かない限り」、どこで使うべきかが不明瞭だという。

スピードはArtificial Analysisのインデックスで95(GLM-5.1と同等)。DeepSeek v4に僅差で次ぐ水準で、Gemini Flash 3.5(116)より遅いが、上位クローズドモデル(Opus 4.8が58等)よりは速い。


詳細はGLM-5.2 Is The New Best Open Modelを参照していただきたい。