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ビジネス・マーケット

デザイナー・翻訳者・広告職・カスタマーサービス——オランダ政府機関がAIに代替された職種を公式に拡大、専門家が「将来の就職見通しは本当に厳しい」と警告

6月22日、NL Timesが「AI: Jobs disappearing from Dutch labor market in design, customer service, advertising」と題した記事を公開した。AIの普及によりオランダの労働市場でグラフィックデザイナーや翻訳者、広告・カスタマーサービス職の求人が急減しているという実態について、政府機関の公式レポートをもとに詳しく報じている。

6月22日、NL Timesが「AI: Jobs disappearing from Dutch labor market in design, customer service, advertising」と題した記事を公開した。AIの普及によりオランダの労働市場でグラフィックデザイナーや翻訳者、広告・カスタマーサービス職の求人が急減しているという実態について、政府機関の公式レポートをもとに詳しく報じている。

AIに職を奪われた職種、2年で拡大

オランダの雇用保険機関UWV(Uitvoeringsinstituut Werknemersverzekeringen:労働者保険実施機関。日本におけるハローワーク・雇用保険機構に相当する公的機関)は、毎年発行している職種別の就職見通しレポートの最新版で、AIが複数の職種における求人機会の減少を引き起こしていると報告した。

昨年の時点では、グラフィックデザイナー・翻訳者・コピーライターがAIに代替された職種として挙げられていた。今年はさらに、広告職とカスタマーサービス職が新たに「見通しが悪い」職種に加わった。カスタマーサービスについては、チャットボットによる人員代替が具体的な理由として示されている。

UWVの労働市場アドバイザーであるStef Molleman氏はこう述べている。

「現時点では、こうした職種でキャリアを積もうとすることは推奨しない。AIのさらなる発展により、将来的な就職見通しは本当に厳しい状況にある」

UWVがレポート対象とする300職種のリストに基づいた評価であり、毎年の変化を継続的に追えるという点で信頼性が高い。

「AIが人手不足を解消する」は楽観的すぎる

一方でUWVは、AIが職を奪う一方で、オランダ全体に広がる人手不足を解消するとは見ていないと明言している。

コロナ禍後ほど労働市場は逼迫していないものの、依然として求人数が就労可能な人口を上回る状態が続いている。今年の「就職見通しが良い職種」リストには新たに以下が加わった。

  • 左官・煉瓦職人:新築ブームや電力網の拡張、橋梁・道路の維持管理需要が背景
  • 道路建設機械オペレーター・建設助手:同じくインフラ需要の増大から
  • 獣医・獣医助手:コロナ禍でペットを飼い始めた人が多く、需要が高止まり
  • 債務カウンセラー:多重債務者の増加に伴う社会的需要
  • 中古品販売員:セカンドハンド市場の拡大により全国でヴィンテージショップが急増

Molleman氏は「建設・輸送・医療・飲食といった職種は、今後も見通しが良い状態を維持すると予想される」と述べている。

注目ポイント

この報告が示すのは、AIによる代替が「将来の話」ではなく、すでに労働統計に現れている現在進行形の変化だという点だ。特にコピーライターや翻訳者は、生成AIの普及が本格化した2023〜2024年以降に急速に需要が縮小しており、公的機関のレポートがそれを追認した形になっている。

広告職やカスタマーサービスへの波及は、今年初めてUWVが公式に「見通しが悪い」と位置づけたものであり、対象職種の拡大ペースには引き続き注目が必要だ。オランダという一国の動向ではあるが、政府機関が年次レポートの形でAI代替の影響を継続的に可視化・公表している点は、他国にとっても参照価値が高い事例といえる。

詳細はAI: Jobs disappearing from Dutch labor market in design, customer service, advertisingを参照していただきたい。