6月25日、Cybersecurity Newsが「Gemini 3.5 Flash Released With Computer Use Capabilities that Build Agents」と題した記事を公開した。GoogleがGemini 3.5 Flashに「コンピューターユース」機能を直接統合し、ブラウザ・モバイル・デスクトップを横断して自律的に操作するAIエージェントの構築が可能になった。注目すべきは、これまで独立した上位モデルにしか搭載されていなかった機能がFlashという実用寄りのモデルに落ちてきた点で、エンタープライズ向けエージェント開発の敷居が大きく下がることになる。
コンピューターユースがFlashに統合——何が変わったか
2026年6月24日、GoogleはGemini 3.5 Flashをリリースした。最大のポイントは、これまでGemini 2.5の独立したモデルにしか搭載されていなかった「コンピューターユース」機能がGemini 3.5 Flashに直接統合された点だ。
コンピューターユースとは、AIがブラウザ・モバイル端末・デスクトップアプリケーションを「見て、推論して、操作する」能力を指す。単発の命令に応答するチャットボットとは異なり、複数ステップにわたるタスクを文脈を保持しながら自律実行できる。具体的には以下のような用途が挙げられている。
- Webインターフェースのナビゲーション
- ソフトウェアテストの自動実行
- エンタープライズアプリケーションの管理
- エンタープライズ知識ワークフローへの応用
従来は独立モデルとして提供されていた機能をFlashに統合したことで、デプロイの簡素化とパフォーマンス向上が同時に実現された。
ベンチマーク:OSWorld-Verifiedで78.4%
**OSWorld-Verifiedは、実際のデスクトップOS上でAIがタスクを完遂できるかを評価するベンチマークだ。Gemini 3.5 Flashはここで78.4%**のスコアを記録している。長時間にわたる複雑な操作(long-horizon tasks)を文脈を保ちながら実行できるかどうかが問われる指標であり、エージェントの実用性を測る上で参考になる数値だ。
セキュリティリスクと対策——エンタープライズ採用の前提条件
AIエージェントが実際のシステムを操作するという性質上、セキュリティ上のリスクは避けられない。特に問題視されているのが**プロンプトインジェクション攻撃**だ。外部コンテンツに悪意ある命令を混入させることでAIの挙動を乗っ取る手法で、エージェントが外部環境と頻繁にやり取りするほどリスクが高まる。
Googleはこれに対して以下の対策を実装した。
- 標的型の敵対的トレーニングによるプロンプトインジェクション耐性の向上
- 機密性の高い操作・不可逆な操作に対するユーザー確認の義務化
- 間接的なプロンプトインジェクションを検知した場合のタスク自動終了
さらにGoogleは、これらの機能に加えてサンドボックス化・厳格なアクセス制御・ヒューマン・イン・ザ・ループ検証を組み合わせたディフェンス・イン・デプス戦略を推奨している。
それでもセキュリティ専門家は、実環境と接続した自律エージェントが設定を誤った場合、新たな攻撃ベクターになり得ると警告している。
入手方法と開発リソース
Gemini 3.5 FlashのコンピューターユースはすでにGemini APIおよびGemini Enterprise Agent Platformから利用できる。また、Browserbaseがホストするライブデモ環境でのテストも可能だ。
開発を加速させるため、GoogleはGitHubにリファレンス実装を公開している。既存のGeminiが持つファンクションコーリング、SearchやMapsとのツール連携もそのまま活用できる。
詳細はGemini 3.5 Flash Released With Computer Use Capabilities that Build Agentsを参照していただきたい。




