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OpenAIがIPOを2027年まで延期か — 「1兆ドル未満では上場しない」Altmanの姿勢がソフトバンク株を一時最大13%下落させた

6月29日、The Next Webが「OpenAI may delay its IPO to 2027 to chase $1tn」と題した記事を公開した。OpenAIが評価額1兆ドルを目標に掲げ、IPOを2027年まで延期する方向で検討していると報じており、その余波はソフトバンク株の急落という形で即座に市場へ波及した。

6月29日、The Next Webが「OpenAI may delay its IPO to 2027 to chase $1tn」と題した記事を公開した。OpenAIが評価額1兆ドルを目標に掲げ、IPOを2027年まで延期する方向で検討していると報じており、その余波はソフトバンク株の急落という形で即座に市場へ波及した。


IPOを急がない理由:「1兆ドル」への執着

Bloombergの報道によれば、OpenAIはIPOを2027年まで延期する方向を検討している。Sam Altman CEOは、より低い評価額での早期上場を拒否し、1兆ドル評価を実現できるタイミングを待つ姿勢を崩していないという。

OpenAIは今月、規制当局に対して目論見書を非公開で提出(コンフィデンシャル・ファイリング)済みだ。コンフィデンシャル・ファイリングとは、米SECに対してIPO申請書類を非公開で提出できる制度で、正式上場の前段階に当たる。書類は上場2週間前までに公開義務が生じるが、それまでは競合他社や市場への情報漏洩を防ぎながら審査を進められる。ただしCNBCによれば、上場前の投資家向けミーティング(ロードショー)も行っておらず、具体的な上場日も設定されていない。

ライバルのAnthropicもコンフィデンシャル・ファイリングを完了しており、IPO競争でOpenAIより先に上場する可能性がある。


OpenAIとソフトバンク:深まる資本関係の経緯

今回の延期報道の影響を考えるうえで、両社の資本関係の背景を押さえておく必要がある。

OpenAIは2025年初頭に非営利組織から営利法人(パブリック・ベネフィット・コーポレーション、PBC)への転換を完了し、外部からの大規模資本調達が可能な体制を整えた。この転換と並行して、ソフトバンクは「スターゲートプロジェクト」を通じてOpenAIへの大型投資を進めており、両社の関係はOpenAIの事業拡大において中核的な位置を占めている。ソフトバンクは2025年10月時点でOpenAI株を約650億ドル相当保有する見込みとされており、投資家の間ではIPOによる利益確定が近いと見込まれていた。この「10月」は元記事執筆時点(2026年6月)から約4ヶ月後のマイルストーンを指す。


待つコストは誰が払うか

延期の影響が最も大きく出たのはソフトバンクだ。IPO延期のニュースが伝わると、ソフトバンクの株価は一時最大13%下落し、数ヶ月で最大の一日下げ幅を記録した。ただし元記事も指摘するように、この週はAIセクター全体が軟調であり、下落幅の全てをIPO延期報道のみに帰することはできない点に留意が必要だ。

銀行も無傷ではなかった。モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスもともに株価が下落した。大型IPOの主幹事手数料が先送りになるからだ。


タイミングの悪さ

延期の発表は、AIセクター全体が揺れる週に重なった。チップ株が軒並み下落し、Oracleは2001年以来最悪の週を記録した。AI投資の回収見通しへの疑念が市場で広がっている。

OpenAIはキャッシュバーンが極めて大きいことでも知られており、1兆ドルという評価額を市場に納得させるには、強気相場のムードが不可欠だ。しかし今の市場心理は1ヶ月前より明らかに不安定である。

冷静に見れば、より好条件を待つ判断は合理的だ。ただ、市場はその判断を「強さ」ではなく「ひるみ」として受け取った。


IPO日程が意味するもの

IPOの日程は単なるスケジュールではない。誰がいつ利益を得られるかを決める。

2027年上場はAltmanの「1兆ドル」という価格規律を守るが、ソフトバンクや主幹事銀行への支払いを先延ばしにする。そしてAnthropicに「AIユニコーン上場第一号」の座を明け渡すリスクを伴う。

Altmanは、待った分だけ得られる利益が、待ち続けることで失う信頼を上回ると賭けている。市場はその賭けにコストがあることを、改めて示した形だ。


詳細はOpenAI may delay its IPO to 2027 to chase $1tnを参照していただきたい。