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GoogleのAIはあなたのサイトで予約まで完了する — Appleの新Siri AIは「読むだけ」、Chromeは「動く」

7月1日、Search Engine Journalが「Chrome Auto-Browse Acts On Your Website, Apple's Siri AI Only Reads It」と題した記事を公開した。同月リリースされたAppleの新Siri AIとGoogleのChrome Auto-Browseという2つのAIエージェントは、Webサイトに対してまったく異なるアプローチをとる——どちらも「AIアシスタント」と呼ばれるが、Webサイト運営者にとっての意味はまるで違う。

7月1日、Search Engine Journalが「Chrome Auto-Browse Acts On Your Website, Apple's Siri AI Only Reads It」と題した記事を公開した。同月リリースされたAppleの新Siri AIとGoogleのChrome Auto-Browseという2つのAIエージェントは、Webサイトに対してまったく異なるアプローチをとる——どちらも「AIアシスタント」と呼ばれるが、Webサイト運営者にとっての意味はまるで違う。


「読む」エージェントと「動く」エージェント

2026年6月、スマートフォン市場の2強が相次いでAIエージェントをOSレベルに組み込んだ。Appleは6月8日のWWDCで新しいSiri AIを発表し、GoogleはChrome Auto-BrowseをAndroidへ展開した。

メディアの報道はどちらのアシスタントがより賢いかという比較に終始しているが、Webサイトを運営する立場から見ると、問うべきは別の点だ。「どちらのエージェントが実際に自分のサイトを訪れて何かを完了するのか」——この一点に絞られる。

答えは明確だ。Appleの新Siri AIは「読む」だけ、GoogleのAuto-Browseは「動く」


AppleのSiri AI:Webは情報源にすぎない

Appleの公式発表によると、新Siriができることは3つだ。

  • アプリをまたいだシステムワイドな操作
  • 画面上のコンテンツに関する質問への回答
  • 最新情報を得るためのWeb検索と、回答の生成

3つ目がポイントだ。新SiriはWebに「情報を取りに行く」が、サイト上でタスクを完了するわけではない。フォームに入力したり、予約を完了したりはしない。Webはあくまで回答を構成するための情報源であり、アクションの場はAppの中だ。

なお新SiriはオンデバイスおよびAppleのプライベートクラウド(Private Cloud Compute)で動作する。採用モデルについては、Search Engine Journalの関連記事によりGeminiファミリーとの関連が報じられているが、Appleは独自モデルの並行開発も進めており、詳細な構成は明らかにされていない点に留意が必要だ。リリースは今秋の予定とされている。

新Siri AIへの対応策はSEOの基本と重なる。サーバーサイドレンダリングされた、構造の明確なコンテンツを用意することで、Siriが「Webを検索して回答を生成する」際に自社コンテンツが引用される可能性が高まる。


Chrome Auto-Browse:サイトを訪れ、タスクを完了する

Chrome Auto-Browseはまったく別種のエージェントだ。フォームへの入力、予約の実行、駐車場の確保、価格比較——これらをブラウザを人間のように操作して完了する。2026年6月下旬、AndroidのOSレベルにGemini in Chromeとして統合された。

これまでのWebエージェントと根本的に異なる点が2つある。

  1. デフォルトで有効:拡張機能のインストールや別アプリの起動が不要
  2. システムレベルの権限:ブラウザそのものがエージェントとして機能する

Webエージェントはこれまで「パワーユーザーが自ら有効化するもの」だった。Auto-Browseは数億台のAndroid端末にデフォルトで搭載される。ユーザーが何もしなくても、エージェントがあなたのサイトにやってくる。

なお、Auto-BrowseがWebページのDOM構造を直接操作するのか、画面描画をもとにしたComputer Use系のアプローチをとるのかについて、元記事では技術的な詳細には踏み込んでいない。Googleの公式ドキュメントでも現時点で詳細は公開されていないため、実装の仕組みについては今後の続報を待つ必要がある。


Webサイト運営者がすべき2つの対応

記事は、Auto-BrowseがAndroidに展開される前にとるべきアクションを2点挙げている。

① 主要タスクフローをエージェント視点で検証する

自社のチェックアウト、予約フォーム、リード獲得フォームを実際に操作し、視覚的な手がかりなしに非人間的な方法で完了できるか確認する。元記事はこのテストを推奨しており、フローに詰まりやすい箇所があればAuto-Browseの動作にも影響する可能性が高い。Webアクセシビリティのガイドライン(WCAG)への準拠を確認する作業と方向性は近く、既存のアクセシビリティ改善と並行して進められる。

② Siri向けに「読まれやすいソース」であり続ける

サーバーレンダリングと明確な構造を維持することで、新Siri AIが回答を生成する際に競合ではなく自社が引用される確率が上がる。構造化データ(Schema.org)の実装も、AIエージェントによるコンテンツ解釈を助ける手段として有効だ。

この2つは別々の最適化だが、両立できる。前提は「どちらが何をするのか」を正確に把握することだ。


両エージェントの裏にいるのはGoogle

一点、見落とされがちな事実を記事は指摘している。両エージェントともGeminiと深く関係している。AppleはGeminiファミリーとの関連が報じられており、GoogleのAuto-BrowseはGemini in Chromeだ。フロントエンドは異なるが、モデルレイヤーではGoogleが両方の扉の内側にいる構図となっている。


AIエージェントがWebサイトをどう「見る」かという問題は、これまでSEOやアクセシビリティの文脈で語られることが多かった。Auto-Browseの登場はその議論を「エージェントがサイト上で実際にトランザクションを完了できるか」という次のフェーズへ押し上げる。テスト対象に「非人間ユーザー」を加えるタイミングが来ている。

詳細はChrome Auto-Browse Acts On Your Website, Apple's Siri AI Only Reads Itを参照していただきたい。