7月23日、Matthias Bastianが「Anthropic will deploy 2 gigawatts of AMD GPUs for Claude in a deal worth up to $5 billion」と題した記事を公開した。
AMDが最大50億ドルをAnthropicに投資、2GW規模のGPU展開へ
契約の核心はAMDによる最大50億ドルの投資だ。Anthropicはその対価として、AMD Instinct MI450X GPUをHeliosサーバーシステムに搭載した構成で、最大2ギガワット(GW)分をClaudeモデルのトレーニングと推論に展開する計画である。
第1フェーズとして1GW分が2027年上半期に稼働する予定だ。システム構成はMI450X GPUとAMD EPYC「Venice」プロセッサ、AMD製ネットワーク技術の組み合わせとなっている。なお、AnthropicはすでにAMDのMI355X GPUを運用中であり、今回の契約はその延長線上にある。
「2GW」という単位はデータセンターの消費電力を指す。GPUクラスターの規模感を電力で表すのはAI業界での慣例になりつつある。大規模言語モデルのトレーニングでは膨大な電力を消費するため、この数字がそのままインフラ規模の指標となる。
NVIDIAへの依存脱却——Anthropicが語るハードウェア多様化の狙い
AnthropicのTom Brown(元記事での肩書きに準拠)は、複数のハードウェアベンダーと協業することで「ワークロードに最適なハードウェアを選択できる」と述べている。NVIDIAのH100/H200系GPUが事実上の標準となっているAI業界において、この方針はサプライチェーンリスクの分散という現実的な動機を反映している。
今回の契約にはハードウェア調達だけでなく、ClaudeをAMDのソフトウェア基盤改善に活用する多年計画も含まれる。具体的には、AMDのGPUソフトウェアスタックであるROCm(NVIDIAのCUDAに相当するAMD版の開発プラットフォーム)の改善にClaudeを投入する。AMDは自社の開発チーム全体でもClaudeを内部利用する予定だ。
ROCmはCUDAと比較してエコシステムの成熟度で遅れを取っているとされてきた。AI企業がAMD GPUを選ばない主因の一つがソフトウェアの互換性・安定性であるだけに、Claudeを活用したROCm強化は両社にとって実質的な意味を持つ。
AMDの「AI企業囲い込み」戦略——MetaとOpenAIとの類似契約
AnthropicはAMDにとって初めての大型AI顧客ではない。AMDはすでにMetaとの契約(6GW+株式10%)、OpenAIとの長期供給契約を締結しており、主要AIラボへの足がかりを着実に構築している。
ただし、この種の契約には構造的な問題を指摘する声もある。チップ企業やクラウド企業がAIラボに資金を提供し、そのラボが同じ企業からハードウェアを購入するという循環構造だ。AIラボが最終的にこのコストを自力でまかなえるかどうかは、現時点では未知数である。(※編集部の考察)
詳細はAnthropic will deploy 2 gigawatts of AMD GPUs for Claude in a deal worth up to $5 billionを参照していただきたい。




