7月23日、Matthias Bastianが「OpenAI's "Project Camellia" in Georgia secures a massive 3.2-gigawatt power deal through 2032」と題した記事を公開した。OpenAIがジョージア州に計画する大規模データセンター「Project Camellia」が3.2GWの電力供給契約を締結したことを詳しく伝えている。
3.2GWとはどれくらいの規模か
OpenAIは、ジョージア州エフィンガム郡(Effingham County)に大規模データセンター「Project Camellia」を計画している。同社は地元の電力会社Georgia Powerと、2028年から2032年にかけて段階的に3.2GWの電力を供給する契約を締結した。
3.2GWという数字の大きさを把握するための参考として——一般的な原子力発電所1基の出力がおよそ1GWであり、3.2GWは原発3基分に相当する規模だ。AI向けデータセンターの電力需要は年々急拡大しており、Meta、Microsoft、Googleもギガワット級の施設を相次いで建設・計画中だが、OpenAIとしてはこの規模での単独案件は初の公表例となる。
StarGateとの関係、そしてジョージア州が選ばれた理由
Project Camelliaは、OpenAIが2025年初頭に発表した総額5,000億ドル規模のAIインフラ投資計画「StarGate」の一環に位置づけられる。StarGateはSoftBank・Oracle・OpenAIの共同プロジェクトとして始動し、米国内に大規模なAI計算インフラを整備することを目的としている。Project Camelliaはその中でも、OpenAIが独自に電力契約を結んだ単独案件として注目される。
ジョージア州が選ばれた背景には、同州の電力インフラの安定性と拡張余地がある。Georgia Powerはジョージア州最大の電力会社であり、南部電力大手Southern Companyの傘下として長期大口契約の実績を持つ。エフィンガム郡はサバンナ港にも近く、建設資材の輸送面でも利点がある。加えて、ジョージア州は近年MicrosoftやGoogleなどのデータセンターもAM誘致しており、関連インフラの集積が進んでいる地域でもある。
地域負担ゼロ・環境配慮を前面に
データセンター建設をめぐっては、米国各地で住民による反対運動が拡大している。電力・水の大量消費、騒音、そして「雇用はほとんど生まれない」という批判がその主な理由だ。OpenAIも同様の逆風を意識してか、今回のプロジェクトでは複数のPR施策を打ち出している。
- コスト全額自己負担:地元住民の電気料金は上昇しないとOpenAIは明言している。
- 閉鎖循環型水冷システム(closed-loop water cooling):稼働中の継続的な水使用量を抑える設計を採用。データセンターの水消費は批判の的になりやすく、OpenAI自身もこれまで水消費量の詳細な公表に積極的ではなかった経緯がある。
- 地域支援として8,000万ドル:学校・医療・住宅向けの支援金を拠出。
- Codexクレジット最大7,100万ドル分:ジョージア州の学生向けに提供。学生を早期にOpenAIのプラットフォームに誘導する効果も兼ねており、同様のプログラムはAnthropicなど他社も実施している。
反対運動という現実的な障壁
OpenAIがここまで丁寧な地域向け施策を並べた背景には、米国各地でのデータセンター反対運動の高まりがある。11州で計980億ドル相当のAIデータセンター計画が地域住民の反発で頓挫しているという報告もあり、OpenAIの慎重な姿勢はその直接的な反映とみられる。住民側の不満は「リソースだけ吸い取られて、恒久的な地元雇用はほとんど生まれない」という点に集約されている。
まとめ
Project Camelliaは、OpenAIがAIインフラへの巨額投資を具体化した案件として注目される。3.2GW・2032年までの長期契約という規模感は、OpenAIが今後のモデル学習・推論基盤を自前で確保する方向に舵を切ったことを示している。StarGateという大枠の中で、電力・立地・地域対策をセットで設計したProject Camelliaの構造は、今後の同種プロジェクトのひな形になる可能性がある。
詳細はOpenAI's "Project Camellia" in Georgia secures a massive 3.2-gigawatt power deal through 2032を参照していただきたい。




