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ChatGPTがApple Healthと医療記録を参照して健康相談に回答 — 医師300人監修・学習/広告利用なしで米国展開

7月25日、gHacksが「OpenAI Launches Health in ChatGPT for US Users, Connecting Apple Health and Medical Records」と題した記事を公開した。毎週3億人以上がChatGPTで健康関連の質問をしているという現状を受け、OpenAIはChatGPTに健康情報連携機能「Health」を米国ユーザー向けに正式ローンチした。Apple Healthや病院システムの医療記録と連携し、個人データを踏まえた健康相談が可能になる。Apple Healthと医療記録をChatGPTに統合OpenAIは、ChatGPTに「Health」機能を追加し、Apple HealthおよびUS病院システムの医療記録との連携を可能にした。対象は18歳以上の米国ユーザーで、Free・Go・Plus・Proの全プランで利用できる。ウェブとiOSに対応しており、サイドバーから起動する。連携できるデータは幅広い。薬剤情報、検査結果、直近の受診記録、睡眠、活動量などが対象だ。ChatGPTはこれらを参照しながら、「前回の検査から何が変わ...

7月25日、gHacksが「OpenAI Launches Health in ChatGPT for US Users, Connecting Apple Health and Medical Records」と題した記事を公開した。毎週3億人以上がChatGPTで健康関連の質問をしているという現状を受け、OpenAIはChatGPTに健康情報連携機能「Health」を米国ユーザー向けに正式ローンチした。Apple Healthや病院システムの医療記録と連携し、個人データを踏まえた健康相談が可能になる。

Apple Healthと医療記録をChatGPTに統合

OpenAIは、ChatGPTに「Health」機能を追加し、Apple HealthおよびUS病院システムの医療記録との連携を可能にした。対象は18歳以上の米国ユーザーで、Free・Go・Plus・Proの全プランで利用できる。ウェブとiOSに対応しており、サイドバーから起動する。

連携できるデータは幅広い。薬剤情報、検査結果、直近の受診記録、睡眠、活動量などが対象だ。ChatGPTはこれらを参照しながら、「前回の検査から何が変わったか」の比較や、睡眠・運動習慣に関するコンテキストを踏まえた回答が可能になる。

接続先として対応しているのは、Apple Health、US病院システムの医療記録、One Medical、Function Health。接続手順はシンプルで、サイドバーの「Health」から「Get started」を選び、ガイドに従うだけだ。同期には数分かかる場合がある。

以前は、限定ユーザーに提供していたHealth専用スペース外でも健康関連会話の70%以上が発生していた。このことから、特定のスペースではなく全会話からHealth情報を参照できる設計に移行した経緯がある。患者ポータル・アプリ・ウェアラブルに分散する健康データを一元的に参照できる点が、今回の機能の核心だ。

使い方のポイント:@Healthで明示的にコンテキストを要求

通常の会話でもHealth連携は自動で有効になるが、**@Healthをメッセージに付けることで明示的に健康コンテキストを要求できる**。これはエンジニアに馴染みのあるメンション形式で、ある種のプラグイン呼び出しに相当する。

デフォルト設定では、ChatGPTが連携データを使う前にユーザーへの確認が入る。「常に許可」に変更すれば確認プロンプトを省略できる。設定は「Settings → Plugins and Health」から変更可能だ。

モデルの使い分け:FreeはGPT-5.5 Instant、有料はGPT-5.6 Sol

Healthに対応するモデルは2種類ある。

  • GPT-5.5 Instant(Freeプラン):緊急度の高い状況の認識、不確実性の説明、複雑な情報の平易化が改善されている
  • GPT-5.6 Sol(有料プラン):OpenAIが「最も高度な健康モデル」と位置づける。複雑な推論を要するタスクでの性能が向上しており、社内評価指標「HealthBench Professional」でGPT-5.6系の全モデルがGPT-5.5を上回った

※「GPT-5.5 Instant」「GPT-5.6 Sol」はgHacks記事が引用するOpenAIの発表ベースの名称であるが、執筆時点でOpenAI公式モデル一覧に同名エントリは確認できない。正式な製品名については今後のOpenAI公式アナウンスを参照されたい。

OpenAIは300人以上の医師と協力して、精度・安全性・コミュニケーション・文脈認識・完全性・エスカレーション判断のシナリオとルーブリックを整備したとしている。医師監修によるベンチマーク設計は、単なるモデルの汎用性ではなく医療文脈での信頼性を担保する試みとして位置づけられている。

なお、医療AIをめぐっては、GoogleのGeminiやMicrosoftのCopilotも医療・ウェルネス用途への展開を進めている。差別化の軸として、OpenAIは既存のApple Healthエコシステムとの深い連携と、医師監修による評価体系の整備を前面に打ち出している格好だ。※編集部の考察

プライバシー設計:学習にも広告にも使われない

医療データという性格上、プライバシー設計は重要だ。米国では医療情報の取り扱いにHIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act)が適用されるが、OpenAIは今回、独自のプライバシー保護措置を以下のように明示している。

  • 全ChatGPT会話は保存時・転送時ともに暗号化
  • Health連携データには追加の暗号化を適用
  • 連携した医療記録・Apple Healthデータ、およびそれを使った会話は、モデル学習・広告ターゲティングの両方から除外(ユーザーのモデル学習設定によらず)
  • 連携を解除した場合、データは30日以内に削除される。ただし会話履歴に残ったものは、会話を削除するまで保持される
  • Memoryには医療記録・Apple Healthの内容が直接記録されない。プライバシーを重視するならTemporary ChatまたはMemory無効化の利用を推奨している

医療記録が「モデル学習設定によらず」学習から除外される点は、一般的なChatGPT会話データの扱いとは異なる特別な措置であり、注目に値する。

現時点の制限と留意事項

現時点ではいくつかの制限がある。

  • Android非対応(リリース時期未発表)
  • Codexでは利用不可
  • 米国外への展開は未発表
  • 連携データが常に最新・完全とは限らないため、重要な情報は元のソースで確認することをOpenAIも明示している

ChatGPTが誤る可能性があること、医療専門家の代替にならないことはOpenAI自身が強調している点であり、最終的な医療判断は医療提供者に委ねるよう求めている。

詳細はOpenAI Launches Health in ChatGPT for US Users, Connecting Apple Health and Medical Recordsを参照していただきたい。