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OpenAIが2027年にスマートフォンとスピーカーを発売へ — Appleからエンジニア400人超を引き抜き、ハードウェア市場に本格参入

7月28日、MacRumorsが「OpenAI's First Devices: Speaker, Smartphone, and More」と題した記事を公開した。この記事では、OpenAIが初のハードウェア製品群としてスマートスピーカー・スマートフォンを中心とするデバイスロードマップを明らかにしたことについて詳しく紹介されている。

7月28日、MacRumorsが「OpenAI's First Devices: Speaker, Smartphone, and More」と題した記事を公開した。この記事では、OpenAIが初のハードウェア製品群としてスマートスピーカー・スマートフォンを中心とするデバイスロードマップを明らかにしたことについて詳しく紹介されている。


スマートフォンが2027年前半に前倒し——最大の注目点はここだ

サプライチェーンアナリストのMing-Chi Kuoが4月に「AIエージェントフォン」として初めて報じたOpenAIスマートフォンは、当初の量産目標が2028年とされていたが、2027年前半に前倒しとなった。Kuoはその背景として、OpenAIが計画するIPOと、このカテゴリでの競争激化を挙げている。2027〜2028年の合計出荷台数は、開発が順調に進めば約3,000万台に達すると予測している。

スペック:Apple「A20」と同じ製造プロセス

このスマートフォンは、TSMCのN2Pノード(2nmプロセスの改良版で、Apple次世代チップ「A20」にも採用予定の最先端製造プロセス)で製造されたMediaTekのDimensity 9600カスタム版を搭載するとされる。チップサプライヤーについては、当初Qualcommとの併用も候補に挙がっていたが、現時点ではMediaTekが単独供給元となる公算が大きい。

製造パートナーはLuxshare Precision Industryが独占受託する見込みで、カメラモジュールについてはSunny OpticalがOpenAIの2機種向けに部品受注を確保したと報じられている。

ハードウェア面の目玉は、強化されたHDRパイプラインを持つイメージシグナルプロセッサ(ISP:カメラセンサーからの信号をリアルタイムで処理する専用回路)と、視覚処理と言語処理を同時実行するための2基のAIプロセッサだ。

「アプリ」ではなく「コンテキスト」が基軸

Kuoによれば、このデバイスのコンセプトはアプリを並べる従来型インターフェースとは異なり、ユーザーの位置・行動・コミュニケーション・状況を常時把握するコンテキスト連続型インターフェースを中心に据えるという。OSとハードウェアの両方をOpenAIが掌握することが、包括的なエージェントサービスを実現する唯一の方法だとKuoは主張している。


第1弾はJony Ive設計のスマートスピーカー

OpenAIの最初の製品は、元Apple最高デザイン責任者のJony Iveと共同開発したポータブルのスクリーンレス・スマートスピーカーだ。スクリーンを持たない点についてはIveとCEOのSam Altmanが意図的な選択として強調しており、AltmanはプロトタイプをApple社員向けに「世界がこれまでに見てきた中で最もクールな技術製品」と表現したとされる。

充電式バッテリーで部屋間を持ち運び可能で、周囲の状況を把握するカメラ、そして「生きているような感覚」を与える自律的に動くメカニカル要素を備えるという。ChatGPTとGPT-Liveによる会話機能を核に、スマートホーム機器の制御、質問応答、メディア再生、メッセージ返信といった機能を担う。OpenAIはHomePodHomePod miniと同列のプロダクトとはみなしていないとも報じられている。

価格は200〜300ドル2027年初頭のリリースが見込まれているが、当初は2026年内の発売を目指していたものが延期となった経緯がある。


その他のデバイスのロードマップ

スマートグラス、スマートランプ、イヤバッズなども開発中とされるが、これらはロードマップの先に位置しており、一部はキャンセルされる可能性もあるという。

このハードウェア事業の基盤となったのは、OpenAIによるJony IveのスタートアップであるioProductsの65億ドルでの買収(2025年)だ。その後OpenAIは積極的な採用活動を展開し、デザイナーのEvans Hankey、Tang Tan、Scott Cannonや、Vision Products Group責任者のPaul Meadeを含む400人超の元Apple社員を獲得している。


Appleとの軋轢——訴訟と引き留め策

これに対しAppleは、iPhoneプロダクトデザインチームの主要人材に対し最大40万ドルのRSU(Restricted Stock Unit:権利確定まで一定期間の在籍を要件とする譲渡制限付き株式報酬)による引き留めボーナスを提示した。

さらに7月10日、Appleは営業秘密の窃取を主張してOpenAIを提訴。BloombergのMark Gurmanは、この訴訟がApple出身エンジニアの採用を萎縮させ、サプライヤーも慎重姿勢に転じていることから、OpenAIのハードウェア開発が既に遅滞し始めていると指摘している。OpenAI側は「他社の営業秘密に関心はない」と声明を出している。なお、訴訟は現在係争中であり、今後の開発スケジュールへの影響は不透明な部分が残る。

Apple自身もスマートグラス、カメラ付きAirPods、AIペンダント、強化Siri搭載のスマートホームハブを開発中と伝えられており、両社は複数のカテゴリで正面からぶつかる構図になっている。


詳細はOpenAI's First Devices: Speaker, Smartphone, and Moreを参照していただきたい。