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WaymoのロボタクシーにGeminiを直接組み込み — 自動運転の制御系とは完全分離した「話しかけて操作する車内UI」が登場

8月9日、Not a Tesla Appが「First Look at Waymo's New Robotaxi UI and Gemini Integration」と題した記事を公開した。Waymoが第6世代ロボタクシー「Ojai」に実装した新UIの核心は、Google Geminiによる対話系と自動運転の制御系を完全に切り離すというアーキテクチャ設計にある。乗客はGeminiに話しかけて車内環境を操作できるが、Geminiは走行経路や車両制御には一切関与しない。安全性と利便性を同時に追求する、この分離設計の詳細を紹介する。

8月9日、Not a Tesla Appが「First Look at Waymo's New Robotaxi UI and Gemini Integration」と題した記事を公開した。Waymoが第6世代ロボタクシー「Ojai」に実装した新UIの核心は、Google Geminiによる対話系と自動運転の制御系を完全に切り離すというアーキテクチャ設計にある。乗客はGeminiに話しかけて車内環境を操作できるが、Geminiは走行経路や車両制御には一切関与しない。安全性と利便性を同時に追求する、この分離設計の詳細を紹介する。


GeminiをロボタクシーのUIに直接組み込む

Waymoは第6世代ロボタクシープラットフォーム「Ojai」の車内UIを大幅にリニューアルした。最大の目玉は、Google Geminiを車内スクリーンに直接統合したことだ。

乗客は画面上のGeminiアイコンをタップするだけで、空調の調整、周辺スポットの検索、乗車進捗の確認などを自然な会話形式でリクエストできる。Geminiはスマートフォンのモバイルアプリではなくロボタクシーの車載UIに直接組み込まれており、乗客が別途デバイスを操作する必要がない点が特徴だ。

注目すべきは、GeminiがWaymoの自動運転システム「Waymo Driver」とは完全に独立して動作する点だ。乗客から「止めてほしい」という音声リクエストも可能だが、Geminiは車両の経路制御や走行には一切関与しない。また、乗客が明示的に起動するまでGeminiは待機状態を保つ。自動運転の制御系と対話系を分離するこのアーキテクチャ設計は、万が一の誤操作や悪意ある入力が走行系に影響しないことを担保するという、安全性の観点から理にかなった判断といえる。

Ojaiは、吉利汽車(Geely)グループ傘下の中国高級EVブランド・Zeekrとの協業で製造された全電動のロボタクシー専用車両だ。ZeekrはWaymoの第5世代車両にも車体を提供しており、Ojaiはその後継にあたる第6世代として開発された。広い室内空間とエレベーター式のスライドドアを備え、カメラ・レーダー・LiDARを組み合わせたマルチモーダルなセンサー構成で都市部の複雑な道路環境に対応している。


3画面を乗客ごとにダイナミックに最適化

UIリニューアルではもう一つ実装上の工夫がある。Ojaiの車内には3枚のスクリーン(前席中央に1枚、後席の各前席背面に1枚ずつ)が配置されており、全画面が同一情報を表示するのではなく、座席の使用状況に応じてUIを動的に切り替えるという設計だ。

たとえば、後席右側に1人だけ乗車している場合、その乗客のスクリーンには空調・メディア操作の全コントロールが表示される一方、空席側のスクリーンはシンプルな移動情報やアンビエントアートを表示するにとどまる。乗客数に応じてコントロール権限を集約することで、操作の混乱を防ぐ実用的な設計といえる。

また、Calm Modeも追加された。画面輝度を下げ、必要最小限の乗車情報だけを表示するモードで、快適性を重視する乗客向けの設定だ。


実際に乗った人の声:自動ドアは好評、走行ロジックには課題も

現在、アーリーアクセステストが進行中だ。XユーザーのEthan McKanna(@ethanmckanna)は実際に乗車した感想を投稿している。

「乗り込んだあとはボタンを一度押すだけでいい。OjaiはドアをオートクローズしてすぐにGo。乗り込み時のウィンドウUIから、走行開始後のフルスクリーンナビへの切り替えも本当によくできている。」

一方で走行ロジックについては厳しい評価も残している。Ojaiの自動運転の挙動は、後継となるはずの第5世代Waymo Driverと比べても慎重な挙動が目立つと指摘し、スピーカーの音質の低さとともに改善を求めている。UIアニメーションやドア自動クローズといった体験面の完成度は高く評価されているが、走行ロジックはソフトウェアアップデートで改善が見込まれる段階にある。


Tesla Cybercabとの対比:車両設計思想の違い

なお、記事ではTesla Cybercabとの比較にも言及されている。CybercabがGiga Texasで従業員向けの完全自律走行テストを進める一方で、Ojaiはステアリングホイールなど従来の運転操作系を引き続き搭載している。この違いは単なる仕様の差にとどまらず、規制当局への対応戦略や段階的な自律化へのアプローチの違いを反映している。Waymoが制御系と対話系の分離を徹底しながら乗客体験の洗練を優先するのに対し、Teslaは車両設計そのものからステアリングを排除するという異なる方向性を選んでいる点は対照的だ。

詳細はFirst Look at Waymo's New Robotaxi UI and Gemini Integrationを参照していただきたい。