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Geminiが「月間10億ユーザー」を達成——ChatGPTが同じ数字を超えたのは10週前、しかも今は「週間10億」に移行済み

8月13日、The Next Webが「Gemini hit a billion users. ChatGPT did that ten weeks ago」と題した記事を公開した。この記事では、GeminiとChatGPTのユーザー数比較において「月間」と「週間」という指標の違いが本質的な差を生んでいることについて詳しく紹介されている。

8月13日、The Next Webが「Gemini hit a billion users. ChatGPT did that ten weeks ago」と題した記事を公開した。この記事では、GeminiとChatGPTのユーザー数比較において「月間」と「週間」という指標の違いが本質的な差を生んでいることについて詳しく紹介されている。


「10億ユーザー」の数字が語らないこと

GoogleのCEO、Sundar Pichaiは8月11日(現地時間)、GeminiアプリがGoogleで14番目となる月間10億ユーザーを突破したとXで発表した。「これまでで最も急速に成長したプロダクト」と称し、投稿は150万回以上表示された。

多くのメディアがこれを「GeminiがChatGPTに追いついた」と報じた。だが指標を正確に読むと、話はそうならない。

ChatGPTが月間10億ユーザーに達したのは6月3日。Geminiは8月11日に同じ水準を達成した。つまり10週遅れで、同じ指標をクリアしたに過ぎない

さらに、OpenAIのスポークスパーソンはThe Vergeに対し「ChatGPTは6月より前に月間10億ユーザーを超えており、7月には週間10億ユーザーを達成した」と明言している。

月間アクティブユーザーと週間アクティブユーザーは別物だ。月間は1ヶ月に1回でも開けばカウントされる。週間は習慣的な利用を示す、より厳しい指標である。Geminiが8月に達成した「月間10億」は、ChatGPTが6月に超えていた水準であり、ChatGPTはその間により難易度の高い指標に移行していた。


「10億ユーザー」の定義を読む

この数字には重要な留意点がある。

  • カウント対象:Geminiアプリまたはウェブインターフェースを開いた人。1ヶ月に1回だけ使ったユーザーも含まれる(Ars Technica指摘)
  • カウント対象外:GmailやDocs、Android内蔵のGemini、そしてGoogleのAI Mode in Search

TechCrunchによれば、AI Mode in Searchもすでに別途月間10億ユーザーを突破している。今回発表された数字は、あくまでスタンドアロンアプリ単体の数字だ。


配布チャネルの非対称性

GeminiはAndroid、Search、Chrome、Workspaceという、それぞれすでに10億ユーザーを抱えるプロダクトを足がかりに成長してきた。ChatGPTは自力で発見してもらう必要があった。

ただし、Googleが発表したなかで最も説得力のある数字が一つある。iOSでの月間アクティブユーザーが1億人超というデータだ。iOSではGoogleはプリインストール等の配布上の優位性を持たない。この1億人は自ら探してインストールした層である。またmacOSユーザーは他のプラットフォームと比べて約2倍の頻度でGeminiにプロンプトを送っているという。


ユーザーが実際にやっていること

Geminiの利用実態として、Googleは以下の数字を公表している。

  • 1日1億5000万枚以上の画像を生成(すべてSynthIDでウォーターマーク付き)
  • ユーザーの**63%**がタイピングではなく音声で会話
  • 親世代は他のユーザーより43%多く音声機能を日常タスクに使用
  • Gemini Liveのやりとりの5回に1回にライブカメラフィードまたは画面共有を含む
  • 学校関連のリクエストの**38%**に添付ファイルあり
  • Androidでは40以上のアプリをまたいだ操作を自動化

これはチャットウィンドウではなく、アシスタントとしての使われ方だ。


Googleが発表しなかった数字

月間10億ユーザーが存在するということは、10億人がかつてリンクとして届いていた情報を、Geminiから直接受け取っているということでもある。Googleはこの1年、AI Overviewsがパブリッシャーに与える影響について批判にさらされてきた(関連レポート)。

Geminiはその延長線上にあるが、ページ下部のブルーリンクすら存在しない。Geminiの回答がどれだけのトラフィックを外部サイトに送っているか、Googleは一切数字を出していない。これが意図的かどうかは、それ自体が答えになっている。


モデルの品質は別の話

ユーザー数とモデル性能は別問題であり、Googleが勝っているのは前者だ。

次世代のGemini Proは、コーディング性能が社内目標に届かず、6月のリリース予定から数ヶ月遅延している。Googleは現在もテスト中としている。

一方でGemini 4のトレーニングはすでに開始されている。8月5日にはDemis HassabisがDeepMindの日常運営から退いており、今回の10億ユーザー達成はAI部門のトップが交代した6日後に発表された。Geminiの共同リードのうち2名もその直前に離脱している。

配布チャネルが採用の問題を解決するスピードは、研究が性能の問題を解決するスピードを上回っている。現状はそういう構図だ。


次に見るべき指標と、ChatGPTの減速

最も重要な次の比較ポイントは週間アクティブユーザー数だ。Googleが週間ベースで10億に近い数字を発表すれば、「ChatGPTと肩を並べた」という評価が初めて成立する。GoogleがChatGPTと同様に月間指標にとどまる限り、その沈黙が答えになる。

ただし、この比較には見落とせない反論もある。ChatGPTは2月時点で週間9億ユーザーだった。残り1億の追加に5ヶ月かかっている。一方Geminiは2週間で5000万ユーザーを追加した。指標が異なるため単純比較はできないが、ChatGPTの成長が鈍化していることは事実であり、Googleが当たっている壁は、OpenAIがすでに通過してきた壁でもある。

もう一つ見るべきは、この規模のGeminiがオープンウェブに何をもたらすかだ。月間10億ユーザーは地球上の約8人に1人に相当する。この数字からは、祝福より責任が問われるフェーズに入る。

詳細はGemini hit a billion users. ChatGPT did that ten weeks agoを参照していただきたい。