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米国が35カ国に「中国AIか、米国AIか」の二択を迫る書簡を準備 — 両陣営に参加したカザフスタンが発端に

8月18日、Techstrong.AIが「U.S. Drafts Letter Warning Allies to Pick Sides in AI Race Against China: Report」と題した記事を公開した。米国が同盟国に対し、AI競争における陣営選択を迫る書簡を準備しているという報道を受け、その背景と含意を詳しく伝えている。

8月18日、Techstrong.AIが「U.S. Drafts Letter Warning Allies to Pick Sides in AI Race Against China: Report」と題した記事を公開した。米国が同盟国に対し、AI競争における陣営選択を迫る書簡を準備しているという報道を受け、その背景と含意を詳しく伝えている。


「どちらかを選べ」——米国が35カ国に突きつける通告

米国務省が起草した書簡の草案をロイターが入手・報道した。草案は、今年6月に米国の「AI機会声明(AI Opportunity Statement)」に署名した35カ国を対象とし、中国が立ち上げた対抗的なAIイニシアチブに参加した場合、ワシントンのAI安全保障連合から除外されるリスクがあると警告する内容だ。

書簡には次の一文がある。

「すべてに属することは、何にも属さないことだ。Pax Silica宣言への署名は単なる会員登録ではなく、コミットメントだ」
(U.S. draft letter, via Reuters)

続けて「我々の期待と相反するイニシアチブへの参加と両立することはできない」とも明記されている。書簡は中国を名指ししていないが、匿名の米国当局者はロイターに対し「両方を取ることはできない」と意図を明確にした。


Pax Silica vs. 中国の対抗イニシアチブ

背景として、米国が主導するPax Silicaという非拘束的な枠組みがある(設立時期・詳細は元記事を参照)。半導体・AIモデル・重要鉱物のサプライチェーンを国際的に確保することを目的としており、日本・オーストラリア・韓国といった主要な同盟国に加え、カザフスタンなど中央アジア諸国も含む約24カ国が参加している。

なお、冒頭の「35カ国」はAI機会声明への署名国数であり、Pax Silicaへの参加国数(約24カ国)とは異なる。本書簡は前者35カ国を対象としている。

これに対し、中国の習近平国家主席が今年7月に新たなAI協力の枠組みを発表した(元記事では組織名が言及されているが、正式名称・日本語訳については元記事原文を直接確認されたい)。中国のオープンウェイト(モデルの重みを公開する形式)技術を、米国の非公開プロプライエタリシステムに対置させる形での売り込みだ。

この対立に火をつけたのがカザフスタンだ。同国は両方の枠組みに署名した最初の国として知られ、米国側の警戒を呼んだ。カザフスタンは先端コンピューティング部品に不可欠な重要鉱物の巨大な埋蔵量を持つ。


なぜ今、この動きが重要か

米国がこの圧力を強める背景には、中国のオープンウェイトAIモデルがOpenAIやAnthropicといった米国企業のプロプライエタリモデルとの性能差を急速に縮めているという現実がある。DeepSeekの台頭が示したように、この差は以前ほど自明ではなくなった。

さらに、重要鉱物をめぐる地政学的な綱引きも激化している。中国はかつての貿易摩擦において重要鉱物の精製に対するほぼ独占的な支配力をテコに使った前例があり、米国は外国との供給パートナーシップ構築を急いでいる。カザフスタンが両陣営から引き合いをかけられているのは、この文脈で理解できる。

当局者はロイターにこう述べている。

「ある国が一方の技術エコシステムにおける信頼できるパートナーとして自らを位置づけながら、同時に中国が設計した競合ビジョンを推進するイニシアチブに署名することが、いかにして信頼に足るものとなりえるか、理解しがたい」

なお、元記事中で米国政権についての言及がある場合は原文を参照されたい。本記事では元記事に明示されていない政権名の特定は行っていない。


現状と各国の反応

国務省はこの書簡をいつ確定・送付するかについてコメントを拒否した。在米中国大使館のスポークスマンは「技術の政治化に反対する」と批判し、「このような行動は世界のAI発展を阻害するだけであり、誰の利益にもならない」と述べた。在米カザフスタン大使館はコメント要請に応じていない。

日本はPax Silicaの署名国として、この陣営選択要求の対象に含まれる。AIサプライチェーンの国際的な再編が加速する中、日本の企業や政策立案者にとってこの動向は見逃せない。

詳細はU.S. Drafts Letter Warning Allies to Pick Sides in AI Race Against China: Reportを参照していただきたい。