8月27日、PYMNTSが「DeepSeek Looks to Raise $7 Billion as Revenues Jump Tenfold」と題した記事を公開した。中国AIラボDeepSeekが**APIアクセス販売で粗利益率82.9%**を記録し、収益規模では大きく上回るOpenAIやAnthropicを効率指標で凌駕しつつ、約70億ドルの資金調達を目指していることが明らかになった。
粗利益率82.9%——コスト効率が強みの源泉
財務数字の中で特に目を引くのが、**APIアクセス販売の粗利益率82.9%**という数字だ。全体の粗利益率も44.6%に達している。
この高水準な粗利益率の背景にあるのが、モデルの推論コストの低さだ。DeepSeekはAIシステムが少ないNvidiaチップで処理を完結できるよう、インフラ効率を徹底的に最適化している。同社が昨年公開したモデルは、米国の競合と同等の性能を大幅に少ないチップ数で実現するとして、シリコンバレーとウォール街を揺るがした。
競合との比較では以下の通りだ:
| 企業 | 期間 | 収益 | 粗利益率 |
|---|---|---|---|
| DeepSeek | 2026年1〜7月 | 約7,070万ドル | 44.6%(API:82.9%) |
| OpenAI | 2026年Q1 | 57億ドル | 39% |
| Anthropic | 2026年Q2 | 115億ドル | 40% |
収益の絶対額ではOpenAIやAnthropicに対して100倍近い差がある。その文脈を踏まえたうえでも、粗利益率という効率指標ではすでに両社を上回っている点は、ビジネスモデルの設計という観点で注目に値する数字だ。
収益10倍、それでも赤字——DeepSeekの財務実態
The Informationの報道によると、DeepSeekは2026年1月から7月の7カ月間で約4億7,500万元(約7,070万ドル)の収益を計上した。これは2025年通年の収益のおよそ10倍に相当する。
一方で純損失は同期間に約7億1,500万元(約1億600万ドル)。2025年通年の純損失が約9億3,500万元(約1億3,900万ドル)だったことを踏まえると、7カ月ですでに8割近い損失水準に達している。急成長と出費拡大が同時進行している構図だ。
資金調達面では、約500億元(約70億ドル)の企業評価額で約50億元(約7億ドル)の調達を目指して投資家と交渉中とされる。
インフラ投資も10倍に拡大
費用面でも「10倍」という数字が登場する。DeepSeekのAIインフラ関連支出は、2026年1〜7月で約110億元(約16億ドル)に達した。2025年通年の12億元(約1億7,800万ドル)と比較すると、こちらも約10倍増だ。
米国の大手AIラボと比べればまだ一桁少ない水準だが、増加ペースは同等かそれ以上だ。
次の標的はAIエージェント市場
DeepSeekは今月、AnthropicのClaude Codeに対抗するAIエージェントチームの立ち上げも明らかにしている。Claude Codeはビジネス向けのコーディング自動化ツールとして急速に普及しており、DeepSeekはこの分野への参入を明確に打ち出した形だ。
収益10倍・インフラ投資10倍・API粗利益率82.9%——規模では米国勢に及ばないながらも、効率面での優位を武器に急拡大を続けるDeepSeekが、次のラウンドでどれだけの資金を集めるかが注目される。
詳細はDeepSeek Looks to Raise $7 Billion as Revenues Jump Tenfoldを参照していただきたい。




