powered by TechFeed
表示モード
Google

GoogleのAI動画生成APIが40秒延長・4Kアップスケール対応へ — Adobe Firefly・Figma Weave・Runwayも本番採用済み

8月29日、Michal Sutterが「Google AI Releases Gemini Omni 1.1 Flash: 40-Second Scene Extension, First/Last Frame Control, and 4K Upscaling」と題した記事を公開した。Googleが動画生成・編集モデル「Gemini Omni 1.1 Flash」をAPIで一般提供開始した。360pのドラフト生成コストは720p比で3分の1、最終出力だけ4Kに書き出す「ドラフト→アップスケール」パターンが公式に推奨されており、商用制作ワークフローへの組み込みを強く意識した設計になっている。Adobe Firefly・Figma Weave・Runwayといった主要クリエイティブプラットフォームがすでに本番運用していることも明かされており、AI動画生成API市場における本格的な商用展開の節目といえる。※編集部の考察:Gemini Omni 1.1 FlashはGoogleの動画生成ラインではVeo 2に続く世代に位置づけられ、Sora・Kling・Runway Gen-4といった競合...

8月29日、Michal Sutterが「Google AI Releases Gemini Omni 1.1 Flash: 40-Second Scene Extension, First/Last Frame Control, and 4K Upscaling」と題した記事を公開した。

Googleが動画生成・編集モデル「Gemini Omni 1.1 Flash」をAPIで一般提供開始した。360pのドラフト生成コストは720p比で3分の1、最終出力だけ4Kに書き出す「ドラフト→アップスケール」パターンが公式に推奨されており、商用制作ワークフローへの組み込みを強く意識した設計になっている。Adobe Firefly・Figma Weave・Runwayといった主要クリエイティブプラットフォームがすでに本番運用していることも明かされており、AI動画生成API市場における本格的な商用展開の節目といえる。

※編集部の考察:Gemini Omni 1.1 FlashはGoogleの動画生成ラインではVeo 2に続く世代に位置づけられ、Sora・Kling・Runway Gen-4といった競合と同じ「テキスト/画像→動画」の土俵で競合する。ただし今回のリリースは「APIファースト・ステートフルな多段編集」に軸足を置いており、開発者が組み込みやすいワークフロー設計を前面に押し出している点が差別化の軸とみられる。


10秒コンテキスト参照で「シーン延長」が実用レベルに

今回のアップデートで最も大きな変更はシーン延長(Scene Extension)の精度向上だ。

従来のモデルはクリップの「最後の1フレーム」だけを参照して続きを生成していた。Omni 1.1では直前10秒分のコンテキストを読み込んだ上で延長を行う。10秒単位で積み重ねることができ、累計40秒まで延長可能だ。接続部分の数フレームは自動的に編集され、つなぎ目が自然になるよう処理される。

制約も明確に定義されている。

  • 延長はクリップの末尾にのみ追加可能(先頭への追加、途中への挿入は不可)
  • アップロードした入力動画は10秒以下であること(マルチターンでモデル生成動画を延長する場合を除く)
  • すでに話者が映っているアップロード動画への新規台詞追加は不可。マルチターン延長ではprevious_interaction_idを使うことで台詞の引き継ぎが可能

編集はステートフルな設計になっており、previous_interaction_idを渡せば前回の動画を再アップロードせずに差分だけ適用できる。これはGoogle独自のInteractions APIによって実現されている。


ファーストフレーム/ラストフレーム指定とビデオ参照

最初と最後のフレームを固定して、その間をモデルが補間する機能が加わった。カメラのオービット(被写体周回)、ドリーズーム、シームレスループといった演出を意図的に制御できる仕組みだ。

プロンプト内でメディアにロールを割り当てるタグ形式を使う。

  • <FIRST_FRAME> — 開始フレームを指定
  • <LAST_FRAME> — 終了フレームを指定
  • <IMAGE_REF_N> — 画像参照(キャラクター一貫性など)
  • <VIDEO_REF_N> — 動画参照

ビデオ参照は最大3クリップ、各3秒以内。参照動画内の音声は無視される。複数動画をまたいだ推論は精度が下がる可能性があるとドキュメントに明記されている。


360pドラフト→4K書き出しが推奨パターン

response_formatresolutionパラメータで360p720p(デフォルト)、1080p4kを指定できる。1080pと4Kは内部的にアップスケール処理される。

Googleによれば、360pプレビューは720pと比較して最大60%高速、かつコストは3分の1(システムスループット比)。反復確認を360pで回し、最終出力だけ高解像度で書き出す「ドラフト→アップスケール」のパターンが想定されている。制作コストと確認速度の両面で大きなメリットがあり、プロダクション用途での反復ワークフローに直結する設計だ。


料金体系

対象 単価
入力(テキスト・画像・動画・音声) $1.50 / 1Mトークン
出力(テキスト) $9.00 / 1Mトークン
出力(動画) $17.50 / 1Mトークン

720p動画は1秒あたり5,792トークンで計算され、実質約$0.10/秒となる。無料枠はなく、プロビジョニングスループットも現時点では未対応だ。


利用上の制限と注意点

生成された動画にはすべてSynthIDの透かしが埋め込まれる。視聴者には見えないが、プログラムから検出可能な形式だ。

現時点で未対応の機能は以下の通り。

  • システムプロンプト、temperature、top_p、stop sequence、ネガティブプロンプト(否定指示はプロンプト本文に直接記述する)
  • 音声編集・音声参照
  • YouTube URLの入力ソース指定
  • 英語以外の言語(評価未実施)

4MB超の出力を扱う場合はdelivery="uri"を指定し、Files APIでファイルがACTIVEになるまでポーリングする必要がある。


対応プラットフォームと採用事例

Gemini APIおよびGoogle AI StudioGemini Enterprise Agent Platformから利用できる。Adobe Firefly・Figma Weave・GMI Cloud・Runwayがすでに本番運用しているとGoogleは明かしている。コンシューマー向けにはGoogle Flow(AI Plus/Pro/Ultraプラン)でも利用可能で、Geminiアプリではシーン延長機能が順次展開中だ。

Adobe FireflyやRunwayといったプロ向けクリエイティブツールがAPIを本番採用している事実は、単なるデモ段階を超えて商用品質として評価されていることを示す。Figma Weaveについては、Figmaが2025年に発表したAI機能群「Figma Weave」の一部として動画生成機能が組み込まれる形での採用とみられる。


詳細はGoogle AI Releases Gemini Omni 1.1 Flash: 40-Second Scene Extension, First/Last Frame Control, and 4K Upscalingを参照していただきたい。