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エンジニア向けニュース

OpenAIのCodexで「見えないトークン漏れ」が発覚 — 8つのバグが週次利用枠を最大70%消費していた

8月30日、php-net.proが「OpenAI Fixes Eight Codex Bugs That Were Draining Weekly Token Quotas」と題した記事を公開した。この記事では、OpenAIがCodexの週次トークン枠を過剰消費させていた8つのバグを特定・修正し、有料ユーザーのクォータをリセットした件について詳しく紹介されている。

8月30日、php-net.proが「OpenAI Fixes Eight Codex Bugs That Were Draining Weekly Token Quotas」と題した記事を公開した。この記事では、OpenAIがCodexの週次トークン枠を過剰消費させていた8つのバグを特定・修正し、有料ユーザーのクォータをリセットした件について詳しく紹介されている。


「なぜ枠が消える?」への答えが8つのバグだった

CodexはOpenAIのAIコーディングエージェントで、2025年5月に正式リリースされた。有料ユーザーに週次サイクルでトークンベースのクォータ(利用枠)を割り当てる仕組みで、ChatGPT PlusやProなどの各サブスクリプションプランに応じて上限が設定されている。正式リリース後、利用者が急増するなかで「想定より早く枠が尽きる」という苦情がユーザーから相次いでいた。

OpenAIのCodexチームリードであるTiboは先週末、X(旧Twitter)上で、有料のCodexおよびChatGPT Workspaceサブスクライバー全員の週次クォータをリセットしたと発表した。数千件に及ぶ報告を精査した結果、問題の原因は8つの独立したバグに絞り込まれた。チームは一晩でこれらを修正している。

Tiboによれば、今回の修正によりクォータ自体の上限は変えずに、実質的に使える量が10〜50%増えるという。ユーザーのCodexの使い方によって効果の幅は変わる。


最も深刻だったバグ:Computer Historyが週枠の最大20%を消費

8つの中でも際立って影響が大きかったのが、Computer Historyという機能のバグだ。

このバグは、ユーザーの操作履歴の要約処理が重複して繰り返し走るというもので、単体でユーザーの週次クォータの最大5分の1(約20%)を消費していた。これは「見えないところでトークンが溶けていた」典型例といえる状況だ。

ユーザーからは「ひとつのバグで週枠の2割が消えていたなら、もっと早く気づいてほしかった」といった批判の声も上がっている。


その他7つのバグの概要

残りのバグも実害の大きいものが並ぶ。

  • コンテキスト圧縮のフロー(context-compaction):古い画像データが圧縮後もメモリに残り続け、画像を多用するユーザーで約10%の余分なトークンを消費していた。
  • バックグラウンドメモリのバグ:タスクが停止フック(stop hook)を無視して動き続けた。極端なケースでは、1スレッドが「停止できるか?」を1万5千回以上チェックするという異常動作が確認されている。
  • ゴール管理タスクの暴走:タスク完了後もシャットダウンせずに動き続けたり、壊れたツール呼び出しを際限なくリトライしたりするケースがあった。最悪の場合、**週次クォータの15〜70%**を消費していた(なお「最大70%」はこの単一バグが複数の悪条件と重なった極端値であり、典型的なケースとは異なる)。
  • カスタムスケジュール自動化の過剰実行:設定より頻繁に実行されていた。
  • サブエージェントの無許可起動:Lunaなどのスモールモデルがユーザーへの確認なしに、より高性能なサブエージェントを起動していた(※LunaはCodex内部で使われている軽量モデルで、タスクの前処理や判断補助などを担う)。メインモデルもユーザーが設定していない/fastモードでサブエージェントを動かすケースがあった。
  • ローリングタスク要約の隠しリクエスト:タスク要約のたびに見えないバックグラウンドリクエストが発生し、約1%のオーバーヘッドを生んでいた。この機能は現在完全に無効化されている。
  • MCP(Model Context Protocol)統合のエンコーディング問題:ツール実行結果が二重エンコードされたり、切り詰められた命令が不必要に再フェッチされたりしていた。

今後の対策と残る批判

OpenAIは今回の修正に加え、アーキテクチャレベルの保護機能も複数追加したとしている。具体的には、同様の無駄遣いパターンを自動検知するアラート機構の導入に加え、バックグラウンドタスクのリソース消費に上限を設けるガード処理の強化も進めているとされる。これにより、今回のようにタスクが停止指示を無視して暴走するケースや、過剰なリトライループが発生するケースを早期に捕捉できる体制を整える狙いがある。

さらに、どこでトークンが使われているかをユーザーが確認できる使用量内訳の表示機能を追加する計画も示している。現状では、クォータの消費状況がブラックボックスになっていることが問題の発覚を遅らせた一因ともいえるため、この透明性向上は再発防止の観点からも重要な施策となる。

一方で批判も残る。クォータリセットの適用ウィンドウが短すぎたため、全員が恩恵を受けられなかったという指摘があるほか、「Computer Historyの1バグで週枠の5分の1が消えるまで気づかなかった品質管理の問題」を問う声も出ている。


詳細はOpenAI Fixes Eight Codex Bugs That Were Draining Weekly Token Quotasを参照していただきたい。