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経営者・CTO向けニュース

創業1ヶ月で評価額5,550億円超 — Google DeepMind出身者のAIスタートアップ「Emulate」が大型調達へ

9月17日、PyMNTSが「Weeks-Old AI Startup Emulate Approaches $4 Billion Valuation」と題した記事を公開した。元Google DeepMind研究者が創業したばかりのAIスタートアップ「Emulate」が約37億ドルの評価額で大型資金調達に近づいているという報道で、ワールドモデルという新興領域への投資家の関心の高さが改めて浮き彫りになっている。

9月17日、PyMNTSが「Weeks-Old AI Startup Emulate Approaches $4 Billion Valuation」と題した記事を公開した。元Google DeepMind研究者が創業したばかりのAIスタートアップ「Emulate」が約37億ドルの評価額で大型資金調達に近づいているという報道で、ワールドモデルという新興領域への投資家の関心の高さが改めて浮き彫りになっている。


創業1ヶ月で評価額5,550億円超

英国を拠点とするAIスタートアップEmulateは、最大7億ドル(約1,050億円)の資金調達に向けて投資家と最終交渉段階に入っており、評価額は37億ドル(約5,550億円)に達する見込みだと、Financial Times(FT)が9月17日に報じた。

驚くべきはそのタイミングだ。Emulateが法人登記したのは2025年8月——つまり創業からわずか数週間でこの評価額に近づいたことになる。

創業者は、Google DeepMindでGenieワールドモデルの開発に携わった研究者たちだ。Jack Parker-HolderMatthew McGillPhilip Ballの3名が名を連ねる。


「ワールドモデル」という新フロンティア

Emulateが開発するのはワールドモデル(world models)と呼ばれるAIだ。ChatGPTやClaudeを支える大規模言語モデル(LLM)とは異なり、物理的な空間を理解・再現するよう訓練されたモデルで、FTは「LLMより競合が少ない、AIリサーチの新たなフロンティア」と位置づけている。

創業者らがDeepMind在籍中に開発に関与したGenieモデルは、短いプロンプトからリアルな動画やインタラクティブな3D環境を生成できるとされる。Emulateはこの研究的蓄積を土台として独立したスタートアップであり、その発表はゲーム業界に大きな波紋を広げ、Take-Two、Roblox、Unityなど主要ゲーム企業の時価総額を数十億ドル単位で揺るがしたとも報じられている。

なお、Emulateはこれまでステルスモードで活動しており、製品・技術の詳細は現時点で公開されていない。投資家の関心は創業者の研究実績と市場への期待を主な根拠としており、具体的なプロダクトの評価に基づくものではない点は留意が必要だ。


DeepMind発スピンオフの連鎖

Emulateは今年、DeepMindのロンドンオフィスから独立した3番目のAIラボだとFTは伝えている。

先例として、DeepMindのベテラン研究者David Silverが立ち上げたIneffable Intelligenceが2026年4月に11億ドルを調達済みだ。同社は人間のデータから学習するのではなく、自ら環境の中で行動し、そこから得られるシグナルを学習源とする「スーパーラーナー」の開発を目指している。支援したLightspeed Venture Partnersは公式サイトで次のように説明している。

"Ineffable is building a system designed to generate knowledge from its own experience. One that learns not by extrapolating from human examples but by acting in engineering environments and learning from the signals those environments return."
(Lightspeed Venture Partners)

こうしたDeepMind出身者への資金集中の背景について、FTは「VCが次のOpenAIまたはAnthropicを見つけたい」という動機を指摘する。Emulateへの高評価もその文脈で理解できる——製品詳細が不明な段階であっても、創業チームの研究実績と、LLMとは異なる競合の少ない領域という二点が投資家を引きつけている格好だ。


AI投資の深度が成果を左右する

記事後半では、PYMNTS Intelligenceのリサーチも取り上げられている。こうした大型投資の動向と並行して、企業レベルでのAI活用の深さも問われている実態が浮かぶ。AIを3つ以上の業務機能に組み込んだ企業の9割以上が「すでにリターンが出ている」と回答した一方、1〜2機能にとどまる企業では同回答が半数強に留まった。まったく組み込んでいない企業では4分の1のみだ。

同レポートは「AIツールの使用の広さではなく、深さが財務的成果を左右している」と結論づけている。Emulateのようなワールドモデル特化のスタートアップが注目を集める背景には、こうした「特定領域への深い統合」を求める企業ニーズの高まりも一因としてある。


詳細はWeeks-Old AI Startup Emulate Approaches $4 Billion Valuationを参照していただきたい。