9月17日、Matthias Bastianが「Apple is reportedly building an enterprise AI server with its own M8 Ultra chips」と題した記事を公開した。AppleがM8 Ultra搭載のエンタープライズ向けAIサーバーを開発中との報道について詳しく紹介されている。
AppleがAIサーバー市場へ——Xserve以来の本格参入か
Appleが自社チップを搭載したエンタープライズ向けサーバーの開発を進めているとThe Informationが報じた。ターゲットはAI開発者、一般企業、そして政府機関だ。
構成は2種類が検討されており、M8 Ultraチップを2基または4基搭載するバージョンが予定されている。用途はAI推論(Inference)——すでに学習済みのモデルを動かすことに特化した設計だ。
Appleが最後にサーバー製品を販売していたのは、Xserveが2011年に販売終了となった時まで遡る。それ以来、約15年ぶりのサーバー市場への本格的な参入となる可能性がある。
NVLink Fusionの採用を検討——NvidiaとAppleの異色の連携
技術面で注目されるのが、チップ間接続へのNvidiaのNVLink Fusion技術の採用検討だ。NVLinkはもともとNvidia自社チップ向けに開発された高速インターコネクト技術だが、Nvidiaはサードパーティハードウェアへの開放を進めており、Appleもその候補に入った形だ。NVLink Fusionを使うことで、データセンター内でのチップ間通信を高速化できる。
ただし、リリースは早くても2029年以降とされており、プロジェクト自体が中止になる可能性や、Nvidiaの技術を使わない形での進行もあり得るとされている。NVLink Fusionの採用はあくまで検討段階であり、確定した仕様ではない点に注意が必要だ。
プロジェクトの背景——Mac Miniの大量購入が追い風に
このプロジェクトを早期から支持していたのが、ハードウェアエンジニアリング担当上級副社長(SVP)のJohn Ternusだ。ハードウェア部門を率いていた約1年前から、急拡大するAIコンピュート市場への参入機会を見据えてこの取り組みを後押ししていたという。
プロジェクトに弾みをつけている動きもある。OpenAIやAnthropicといったAIラボが、AIワークロード向けにMac MiniやMac Studioを数万台単位で購入しているという事実だ。AppleのMac売上は直近の四半期で約29%増の104億ドルに達しており、自社チップのAI用途での需要が現実のものとなっていることが裏付けられている。
エンジニア視点での見どころ
M1〜M3世代のApple Siliconは、統合メモリアーキテクチャ(UMA)によってCPU・GPU・Neural Engineが同一メモリプールを共有する設計が特徴だ。大規模モデルの推論においてメモリ帯域幅がボトルネックになりやすい現状で、この構造は有利に働く。Mac Studioがすでに現場のAIラボで使われていることは、その実用性を示している。
エンタープライズサーバーへの転用では、複数チップを束ねた際のスケーラビリティが課題となる。NVLink Fusionの採用検討は、まさにその部分への回答として読める。
詳細はApple is reportedly building an enterprise AI server with its own M8 Ultra chipsを参照していただきたい。




