9月19日、The News(※パキスタンの一般紙。thenews.com.pk)が「Claude Code's new projects feature acts like a chief of staff: Here's what it does」と題した記事を公開した。この記事では、AnthropicがClaude Codeに刷新した「Projects」機能が、複数タスクにまたがるコンテキストを維持しながら開発ワークフロー全体を調整する仕組みについて詳しく紹介されている。なお出典は技術系専門媒体ではないため、一次情報として参照する場合はAnthropicの公式ブログも併せて確認することを推奨する。
「また最初から説明する」という摩擦がなくなる
ログインのバグ修正、決済システムの更新、新規テストの追加——これらを並行して進める場合、これまでのClaude Codeではタスクごとに別の会話を立ち上げ、そのたびにプロジェクトの背景を説明し直す必要があった。
Anthropicは9月19日時点で、Claude Code内のProjectsを全面的に再設計し、この問題に対処した。複数の関連タスクを一つの継続ワークスペース内で処理できるようになり、タスクをまたいでコンテキストが維持される。Claude側がある作業の変更が別の作業にどう影響するかを追跡し、プロジェクト全体の状況に応じて動作を調整する。
従来の課題は明確だった。大規模なコードベースを扱う開発者は、会話をまたぐたびに手動でClaudeに再説明しなければならず、タスク間でコンフリクトが生じやすかった。新しいProjectsはそのコンテキストをタスク横断で保持し続ける。
Anthropicはこの仕組みを「一発の要求に答えるチャットボット」ではなく、ワークストリーム全体のコーディネーター、すなわちコーディング版「チーフ・オブ・スタッフ」と位置づけている。
なぜ今、コンテキスト管理が重要か
小規模チームがAIに依存する度合いは急速に高まっている。2025年3月(※記事公開の約1年半前時点のデータ)、Y CombinatorのCEOであるGarry Tanは、同アクセラレーターの冬季バッチの約4分の1において、コードの約95%がAIによって生成されていたと発表した。10人規模のチームが50〜100人エンジニア相当の生産性を発揮できているという。この数字はすでに1年以上前のものであり、現在の実態はさらに進んでいる可能性がある点に留意されたい。
一方で、速度だけが全てではない。AIコーディングスタートアップのSonarが2026年に1,100人超の開発者を対象に実施した調査では、AIが書いたコードの割合は42%に達した。しかし96%の開発者がそのアウトプットを完全には信頼しておらず、38%は「AIが書いたコードのレビューに、同僚のコードより時間がかかる」と回答している。
今回のProjectsの刷新がターゲットにするのは、この信頼問題のうちの一つ——あるタスクでの変更が別のタスクをサイレントに壊すという特定の失敗パターンだ。タスク間のコンテキストが切れていることが原因で起きる、気づきにくい矛盾を減らすことが目的である。
リソースに余裕のない小規模チームにとって、AIが内部で生成したコードの一貫性を保つ仕組みは特に重要だ。矛盾を手動で修正するコストを負担できる余力がないからだ。
具体的なユースケースとしては、フロントエンドのUI変更とバックエンドのAPI修正を並行して進める場面が挙げられる。従来は両タスクの会話が分断されているため、API仕様の変更がUI側の前提を静かに壊していても気づきにくかった。Projectsのコンテキスト保持により、Claude側がその依存関係を把握した上で応答できるようになる。
ただし、現時点でコンテキスト保持の上限(トークン数・タスク数・保持期間)に関する詳細な仕様は公式には明示されていない。長期・大規模プロジェクトで実運用する際は、実際の保持範囲を検証しながら使うことが現実的な姿勢だろう。
競合との立ち位置
Claude Codeが戦っているフィールドは混雑している。OpenAIのCodex、AmazonのKiro、CognitionのDevin、そしてReplitやLovableといったバイブコーディングプラットフォームが競合として並ぶ。
各ツールのアプローチはそれぞれ異なる。Devinはブラウザ操作やターミナル実行を含む完全自律型のエージェントAIとして設計されており、人間の介在を最小化する方向を志向している。KiroはVS Code互換のIDEネイティブ統合を前提とし、エディタ操作と密結合した形でAI支援を提供する。CodexはGitHubとの連携を軸に、非同期・バックグラウンド実行のタスク処理を強みとする。
これらと比較したとき、Anthropicが「チーフ・オブ・スタッフ」というコンセプトを前面に出してきたのは、単機能の補完ツールでも完全自律エージェントでもなく、開発者が主導権を持ちながらプロジェクト全体を見渡すコーディネーター層としての差別化を狙った動きと読める。自律性よりも文脈把握と一貫性を優先するポジショニングだ。
詳細はClaude Code's new projects feature acts like a chief of staff: Here's what it doesを参照していただきたい。




