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XiaomiのAIがオープンモデル首位に — AnthropicはClaudeを不正利用したと告発

9月22日、The Decoderが「Xiaomi's affordable flagship AI leads the open models, and Anthropic says Claude helped get it there」と題した記事を公開した。この記事では、XiaomiのMiMo-V2.6-Proがオープンモデルのベンチマーク首位に立ち、AnthropicがXiaomiによるClaudeの不正利用を告発しているという二面的な状況について詳しく紹介されている。

9月22日、The Decoderが「Xiaomi's affordable flagship AI leads the open models, and Anthropic says Claude helped get it there」と題した記事を公開した。この記事では、XiaomiのMiMo-V2.6-Proがオープンモデルのベンチマーク首位に立ち、AnthropicがXiaomiによるClaudeの不正利用を告発しているという二面的な状況について詳しく紹介されている。


オープンモデル首位に立ったMiMo-V2.6-Pro

Xiaomiが新たにリリースしたMiMo-V2.6シリーズのうち、上位モデルMiMo-V2.6-Proが、AI分析企業Artificial AnalysisのIntelligence Indexで46ポイントを記録し、現時点でオープンに公開されているAIモデルの中で最高スコアを達成した。Kimi K3やQwenといった競合を上回る。


Image: Artificial Analysis

性能と同時に際立つのがコストだ。入力トークン100万件あたり**$0.435、出力トークン100万件あたり$0.87という価格設定で、1タスクあたりの費用は約$0.13**。同等の性能を持つ競合モデルと比べて大幅に安く、Artificial Analysisはこのモデルが「インテリジェンスとコストのパレートフロンティア」(性能とコストの両立点)に位置すると評価している。

アーキテクチャはMixture-of-Experts(MoE)型で、総パラメータ数は1.02兆だが、1リクエストあたりに実際に使われるのは420億パラメータのみ。MoEは全パラメータを常時使用せず、入力に応じて一部の「エキスパート」モジュールだけを選択的に活性化する設計で、推論コストを抑えながら大規模モデルに匹敵する性能を実現する手法だ。合わせて公開されたMiMo-V2.6-Flashは、より小型・高効率なモデルである。


性能向上の核心は強化学習の大規模化

XiaomiはProの性能向上を強化学習(RL)フェーズの大規模展開に帰している。具体的には、(1) トレーニングステップあたりのデータ量の増加、(2) タスク環境の多様化、(3) 解答採点に費やすコンピューティング量の増加、という3軸でスケールアップした。

この学習ランは6日未満で完了し、コストはProで約**$262万、Flashで約$85万だったとされる。コーディングベンチマーク「DeepSWE」では、ProのスコアがMiMo V2.5時点の58.4から72.6へ、Flashは48.8から65.7**へとそれぞれ大きく伸びた。

学習の安定性を保つため、モデル内部の分布メカニズムを凍結し、リワードハッキング(タスクを本当に解かずに報酬だけを稼ごうとするモデルの振る舞い)への対策を多層的に組み込んでいる。

7,000件の学習タスクも公開

Xiaomiは今回、RL用のツールキットを丸ごとオープンソース化している。公開物は次の通りだ。

  • 技術レポート
  • 完全なトレーニングフレームワーク
  • 追加学習向けの小型モデル(MiMo-V2.6-Distill-Qwen-9B)
  • ソフトウェア開発・サイバーセキュリティ・オフィス作業・Webデザイン向けの約7,000件の学習タスク(自動採点器付き)
  • 音楽作曲向けの約1,000件のタスク

タスクの一部は実際のGitHubプルリクエストやユーザーのクエリから生成され、サイバーセキュリティ系タスクは実際のソフトウェア脆弱性を数万件収録したOSS-Fuzzを活用している。

また、最大20倍の出力速度を持つ推論特化バリアント「Pro-UltraSpeed」も同時に提供される。


オープン化の裏でAnthropicの告発

こうしたオープン化の動きとは対照的に、XiaomiはAnthropicから名指しで告発されている。

Anthropicは2025年12月〜2026年8月の期間に発生したClaudeの不正利用をまとめた脅威インテリジェンスレポートの中で、Alibaba、Moonshot AI、DeepSeek、Zhipu、Xiaomi、MiniMax、SenseTimeの7社を「Claudeから能力を吸い上げた中国系ラボ」として挙げた。7社合計で約1億9,000万件のやり取りを生成し、それを自社モデルの学習データとして流用したと主張している——Anthropicはこれを「違法なディスティレーション」と呼ぶ。

なお、このレポートはAnthropicによる一方的な主張であり、Xiaomiを含む各社の法的責任が確定した事実ではない点に留意が必要だ。

Xiaomiについては、ケース番号GTG-16008として詳細が記録されている。2026年3月〜4月の20日間で40万件以上のやり取りを通じ、Xiaomiは自社MiMoモデルとのユーザー会話やコーディングセッションをOpenClawおよびOpenCode経由でClaudeに通し、将来のモデル向けの学習データとして収集していたとAnthropicは主張している。

Anthropicのレポートをそのまま読めば、「XiaomiはユーザーとMiMoとの会話を記録し、それをClaudeに流して学習データを抽出した——そのデータが今回のオープンモデル首位につながった」という構図になる。ただし、レポート自体は教師モデルの内部ディスティレーションにおける元データの出所についてはほとんど記述していない。

ディスティレーションをめぐる法的・業界的文脈

Anthropicが「違法」と呼ぶモデルディスティレーションとは、大規模モデル(教師モデル)の出力を使って小規模モデル(生徒モデル)を学習させる手法を指す。技術的には広く普及しており、オープンソースコミュニティでも一般的に用いられているが、商用APIの利用規約を介してこれを行う場合の法的位置づけは、現時点ではグレーゾーンにある。

OpenAIもかつて自社モデルの出力を使った学習を利用規約で明示的に禁じており、同様の問題提起を行ってきた。ただし、AIモデルの出力に著作権が認められるかどうかという根本的な法律問題はいまだ決着しておらず、裁判所や規制当局による判断は各国で分かれている。Anthropicの告発も、現時点では利用規約違反の主張にとどまり、刑事・民事上の法的手続きに発展しているかどうかは本記事執筆時点では不明だ。

※編集部の考察:ディスティレーションの合法性をめぐる議論は、今後AIモデルの権利保護や利用規約の実効性を問う重要な争点になりうる。Anthropicの告発がどのような法的・業界的帰結をもたらすかは、引き続き注視が必要だ。

Xiaomiは今のところこの告発に対する公式見解を出していない。

詳細はXiaomi's affordable flagship AI leads the open models, and Anthropic says Claude helped get it thereを参照していただきたい。