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AIの訓練データ市場に激変——Snorkel AIがソフトウェア販売からデータ製品販売に転換し、わずか1年でARRを約17.5倍に拡大、350億円超を調達

9月22日、Runtime Wireが「Snorkel AI raises $350M after turning its software into a data service」と題した記事を公開した。Snorkel AIは年間経常収益(ARR)をわずか1年で約2000万ドルから3億5000万ドル超へ、約17.5倍に拡大させ、3億5000万ドル(約2500億円、1ドル=約143円換算)の資金調達と評価額35億ドルを達成した。ビジネスモデルをデータラベリングソフトウェアの販売から完成済みデータセットの提供サービスへと転換したことが、この急成長を牽引している。

9月22日、Runtime Wireが「Snorkel AI raises $350M after turning its software into a data service」と題した記事を公開した。Snorkel AIは年間経常収益(ARR)をわずか1年で約2000万ドルから3億5000万ドル超へ、約17.5倍に拡大させ、3億5000万ドル(約2500億円、1ドル=約143円換算)の資金調達評価額35億ドルを達成した。ビジネスモデルをデータラベリングソフトウェアの販売から完成済みデータセットの提供サービスへと転換したことが、この急成長を牽引している。


転換が今回の調達を生んだ

Snorkel AIは2025年5月にExpert Data-as-a-Serviceを発表し、評価製品と合わせて1億ドルの資金調達を実施した。その後、2025年9月にデータサービス事業を本格始動させている。

今回の3億5000万ドルの調達はInsight PartnersS32が主導し、Addition・Greylock・Wells Fargoも参加した。

ARRは約2000万ドルから3億5000万ドル超へと約17.5倍に拡大した(なお、タイトルでの「17倍超」はこの数字を丸めた表現であり、数値は同義である。また、自社発表の年換算スナップショットであり、監査済みの通年実績ではない点に留意されたい)。評価額はARRの約10倍に設定されており、前回ラウンドの13億ドルからわずか16カ月で35億ドルへと跳ね上がった。

この急成長の背景には、フロンティアAIラボ(OpenAI・Googleなど最先端モデルを開発する研究機関)の需要がある。公開インターネット上のテキストを大量スクレイピングする手法はすでに収穫逓減に直面しており、コーディング・ツール利用・専門的推論の改善には、精巧に設計されたタスク・採点基準・エッジケース・シミュレーション環境が必要だ。つまり「なぜ今か」という問いへの答えは明確で、高品質な訓練・評価データへの需要が臨界点を超えたタイミングと、Snorkelのモデル転換が重なったことにある。


ソフトウェア企業からデータサービス企業へ

Snorkel AIの共同創業者兼CEOであるAlex Ratner氏は、スタンフォード大学でコンピュータサイエンスの博士号を取得し、同大学教授でSnorkel共同創業者のChristopher Re氏のもとで「データプログラミング」という手法を開発した。これは、各サンプルを人手でラベリングする代わりに、ルールや構造化された知識を使って専門家が訓練データを生成するアプローチだ。2019年にスタンフォードのオープンソースプロジェクトをもとに創業した。

当初は機械学習アプリケーション開発向けのエンタープライズソフトウェアを販売していたが、現在の成長を牽引しているビジネスは異なる。顧客は自分でデータを組み立てるためのツールではなく、完成済みのデータ製品・評価セット・強化学習環境(RL環境)を購入するようになっている。


「労働時間」ではなく「成果物」を売る

Snorkelのビジネスモデルの核心は、人材の稼働時間ではなくデータ製品そのものを販売する点にある。

Ratner氏によれば、Snorkelは数万人規模の専門家ネットワークを活用している。コーディング・法律・医療などの分野の専門家がシナリオと評価基準を作成し、自動化システムがデータの生成・検証・改善を補助する。顧客に請求されるのは人的作業の単位ではなく、そこから生み出されたデータセットや環境だ。

従来のアノテーション事業者はワーカーを増員することで成長するが、Snorkelは専門家の知見をソフトウェアで品質管理しながら再現性のあるデータ製品に変換することで、ヘッドカウントを売上と比例して増やさない構造を目指している。

Ratner氏はReutersに対し「価値ある訓練データには引き続き人間の関与が必要だが、それを十分なスケールで生産するには合成・自動化手法が不可欠だ」と述べている。


Scale AI買収後の市場変化

今回の調達が注目される背景として、MetaがScale AIの株式の49%を143億ドルで取得した件がある(2025年6月、元記事より)。この取引により訓練データサプライヤーが戦略的インフラとして位置づけられ、顧客や投資家が追加のプロバイダーを探し始めた。MercorやSurge AIも同様に資金を集めており、専門家生成の訓練・評価データをめぐる競争が激化している。

Snorkelはデータプログラミングという独自の技術的出自を持ち、大規模ラベリングマーケットプレイスとは異なるアプローチを取る。同社は2026年の黒字化を見込んでおり、調達資金は研究者・エンジニアの採用、エンタープライズ・政府向け事業の拡大、サードパーティモデル評価、新産業・データ形式への参入に充てる計画だ。


詳細はSnorkel AI raises $350M after turning its software into a data serviceを参照していただきたい。