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「AIを使う時間はあっても、学ぶ時間はない」— 教育大手PearsonがAIスキル評価プラットフォームWorkeraを買収、"業務しながら学ぶ"仕組みを企業に広げるか

9月30日、ZDNetが「Pearson's Workera deal targets a big workplace problem: No time to AI upskill」と題した記事を公開した。この記事では、教育大手PearsonによるAIスキル評価プラットフォーム「Workera」の買収合意と、その背景にある企業のAIアップスキリング課題について詳しく紹介されている。

9月30日、ZDNetが「Pearson's Workera deal targets a big workplace problem: No time to AI upskill」と題した記事を公開した。この記事では、教育大手PearsonによるAIスキル評価プラットフォーム「Workera」の買収合意と、その背景にある企業のAIアップスキリング課題について詳しく紹介されている。


「AIは使っているが、学ぶ時間がない」という矛盾

Pearsonが買収に動いた直接のきっかけの一つが、Workera自身が9月23日に公表した「2026 State of Skills Intelligence Report」だ。この調査では、労働者の約70%がAIを日常的に使用している一方、約60%がアップスキリングに充てる時間がないという実態が明らかになった。

なお、この調査はWorkera自身が実施したものであり、サンプル規模・対象地域・調査手法の詳細は元記事内では明示されていない。調査結果を読む際はその点を念頭に置いておきたい。

AIツールを業務に使いながらも、体系的に学ぶ機会がない——この状況は多くのエンジニアにも心当たりがあるはずだ。Workeraはこの「使う」と「学ぶ」の乖離を埋めることを中心的な課題として位置づけている。


Workeraとは何か

Workera(2019年創業)は、ServiceNow、Accenture、米宇宙軍(United States Space Force)などが導入するAIネイティブのスキル評価プラットフォームだ。従業員が「何ができるか」「どこに伸びしろがあるか」を可視化し、経営層が人材戦略を立てるための基盤情報を提供する。

具体的な機能として、AIリテラシーを含むスキルの現況把握、ターゲットを絞った能力開発、成果の検証、人材意思決定の支援が挙げられている。

現在試験運用中の新機能「Ambient」も注目される。これは「業務の流れの中でスキルを測定する」AIネイティブのアセスメントツールで、すでにウェイトリストに1万件以上の登録がある。

WorkeraのCEO兼共同創業者であるKian Katanforooshは、ZDNetのインタビューでこのコンセプトをこう説明した。

「仕事と学習を融合できれば、過去に比べて指数関数的に多くのことを学べる環境を作れる。今日、AIは非構造化データを理解できるため、学習を仕事により近い場所に持ち込むことが可能になった」


PearsonがWorkeraを買う理由

Pearsonは英国を本拠とする教育・評価サービスの大手企業で、テスト・教科書・オンライン学習など幅広い事業を展開している。今回の買収は2026年後半の完了を予定しており、WorkeraはPearsonの「Enterprise Learning & Skills」事業部門に統合される。KatanforooshもPearsonのリーダーシップチームに加わる予定だ。

Pearsonのエンタープライズ学習・スキル担当プレジデントであるVishaal Guptaは、買収の意義をこう述べている。

「Workeraの人材とテクノロジーを、Pearsonの学習・評価における専門知識と組み合わせることで、企業がスキルギャップをより速く埋め、より機敏で有能な人材を育てる能力が強化される」

Pearsonにとっては、教育分野での実績をエンタープライズ向けのAIスキル育成市場に接続するための布石となる。Workeraにとっては、Pearsonが持つ評価・コンテンツのインフラを活用して事業を拡張できる。


エンジニアにとっての意味

ZDNetの記事では、AIスキルが求められる求人の割合が**73%**に達しているというデータが言及されている。ただしこの数字はZDNet自身の調査ではなく、記事内で参照された外部データとして示されており、出典の詳細は元記事を直接確認されたい。

Workeraのアプローチが面白いのは、座学型の研修ではなく、業務遂行のプロセス自体からスキルを測定しようとしている点だ。「Ambient」が本格展開されれば、「研修を受けたかどうか」ではなく「実際に何ができるか」を問う評価の仕組みが企業に広まる可能性がある。

※編集部の考察:こうした動きはグローバル企業に先行する傾向があるが、日本企業にとっても示唆は小さくない。日本では人材育成が「研修の受講履歴」で管理されるケースがいまだ多く、業務プロセスに組み込まれたスキル測定という発想はまだ普及途上だ。OJTの文化が根付いている一方で、その成果を可視化・定量化する仕組みは乏しい。WorkeraのようなAIネイティブの評価プラットフォームが普及すれば、人材アセスメントの基準そのものを変えるインパクトを持ちうる。また、類似の領域ではDegreedやCornerstonといったラーニング・マネジメント系プレイヤーも存在するが、「業務の流れの中で測定する」という点ではWorkeraのアプローチは差別化要因となりうる。エンジニアの評価制度や採用基準を設計する立場の読者には、特に注目しておく価値がある動向だ。


詳細はPearson's Workera deal targets a big workplace problem: No time to AI upskillを参照していただきたい。