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AdobeのPhotoshopなど7製品を2週間でRust製オープンソースに作り直した開発者 — 全コミットの77%はClaude主導で記録

10月10日、madrobot.blogが「A developer used Claude to rebuild Photoshop, Premiere and five more Adobe apps for free」と題した記事を公開した。開発者Brandon ThomasがAnthropicのClaude各モデルを活用し、Adobe主要7製品に相当するデスクトップアプリを約2週間で無料・オープンソースとして公開した事例を詳しく紹介している。

10月10日、madrobot.blogが「A developer used Claude to rebuild Photoshop, Premiere and five more Adobe apps for free」と題した記事を公開した。開発者Brandon ThomasがAnthropicのClaude各モデルを活用し、Adobe主要7製品に相当するデスクトップアプリを約2週間で無料・オープンソースとして公開した事例を詳しく紹介している。


コードの77%をAIが書いた——7アプリを2週間で

AIコーディング支援の「実力」を測る上で、これほど具体的な事例も珍しい。公開から10日足らずで、PhotoCraft単体のGitHubスター数は約39,000に達し、7リポジトリ合計では75,000近くを集めた。

AIアートスタジオ「ArtCraft」の開発者Brandon Thomasは、2026年10月初旬、PhotoshopやPremiere Pro、Lightroom、After Effectsなど、Adobeの主要7製品に対応するオープンソースのデスクトップアプリを一斉公開した。プロジェクトの公開履歴はいずれも9月30日〜10月1日に始まっており、実質2週間以内の成果だ。

各リポジトリに生成されたコントリビューターファイルによると、7アプリ合計5,031コミットのうち3,876件(約77%)がClaude Opus 5.5を共著者として記録している。ただしこの77%という数字はClaude Opus 5.5単体のコミット数であり、残りはClaude Sonnet 5.5、Claude Fable 5.1(※元記事に登場する名称だが、Anthropicの一般的なモデルラインナップでは見慣れない名称のため、詳細は元記事を参照されたい)、OpenAIのCodex、GitHub Copilotが分担している。複数モデルを合算した場合のAI全体の貢献割合はこれをさらに上回る。PhotoCraftだけで244,000行以上のコードがClaude Opus 5.5のコミットによって追加された。

Adobe製品 ArtCraft版 状態
Photoshop PhotoCraft Early alpha
Illustrator VectorCraft 開発中
Premiere Pro FilmCraft 開発中
Lightroom LightCraft 開発中
Acrobat PdfCraft Early alpha
After Effects EffectCraft 開発中
InDesign DesignCraft 開発中

全部Rustで書いた、ブラウザでも動く

技術面でもう一つ注目すべき選択がある。7アプリはすべてRustでゼロから書かれ、macOS・Windows・Linuxのネイティブアプリとしてコンパイルされている。ElectronやWebラッパーは使っていない。6アプリはブラウザタブでも動作する(FilmCraftのみブラウザ版なし)。

FilmCraftはH.264、HEVC、AV1などのデコードをFFmpegではなく独自のRustコードで実装している。PhotoCraftはPSDファイルの読み書きに対応し、公開されているPSDテストセット309ファイルのうち307ファイルで再レンダリングが一致。自動テストは1,700件以上を備える。

各アプリはAIエージェントからの操作を前提とした設計になっており、ボタンやメニュー項目がすべてコマンドとして外部から呼び出せる。JSON制御チャンネルやMCPサーバー(Claude Codeなどのツールが他ソフトウェアを操作するための標準規格)にも対応している。

FilmCraftの開発者ガイドには「自律作業ループ」が記述されており、エージェントが次のタスクを選び、テストを先に書き、機能を実装し、実行中のアプリを操作して検証するまでを自動で行う。人間が介入するのはライセンス判断や課金、公開といった一部の工程のみだ。ただしこの種の高度な自律動作はAIエージェントが過剰な権限を持つと重大な事故につながるリスクも指摘されている。


「SaaS終焉だけじゃない」——開発者の言葉

ThomasはHacker Newsにechelonというアカウントで投稿しており、予定より早くリポジトリを公開してしまったと認めた上でこう述べた。

It's not just SaaSocalypse. Everything can be open source multiplatform Rust now. Party like it's 1999 and the Internet / tech scene belongs to us again.

— Brandon Thomas(Hacker Newsより)

同じコメントの中で、次のターゲットにMicrosoft Office、AutoCAD、SolidWorksを挙げており、参加者への報奨金とバグバウンティも提供すると表明している。Redditの告知投稿では、Adobeのキャンセル手数料が開発動機の一つだったと述べている。


実用性は? 正直なところ

ArtCraft自身がPhotoShopCraftのページで「現時点では日常的なプロ業務の代替にはならない」と明記している。欠けている主な要素として、AI生成機能、約20種のツール、タイポグラフィ、プロワークフロー、プラグインサポートを列挙している。FilmCraftの実務対応度はチームの自己評価で**50〜60%**だ。

Hacker Newsでの評価は厳しい。デザインと映像業界で長年働いてきたというユーザーが「コントロールが遅延する、テキスト編集が壊れている、ショートカットが効かない」と報告している。Thomasはそのスレッドで「Adobeとの99%のパリティ達成には時間がかかるが、年単位ではなく月単位で測れると思う」と返答した。

テレメトリなし、ペイウォールなし。収益はArtCraftが別途提供する有料のAI画像・動画ツールから得る構造だ。


入手方法

7アプリはMITまたはApache 2.0ライセンスで無料公開されている。最も手軽なのはArtCraft Launcherで、7アプリを一括インストール・アップデートできる。各アプリのGitHub ReleasesページからmacOS・Windows・Linux向けインストーラーも配布されており、PhotoCraftはFreeBSDにも対応。ブラウザ版はインストール不要だ。現時点ではアルファビルドであり、週に複数回更新されるため、バグは覚悟の上での利用となる。

詳細はA developer used Claude to rebuild Photoshop, Premiere and five more Adobe apps for freeを参照していただきたい。