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OpenAIとAnthropicが「自社を規制してくれ」と英国議会に要請 — 自主規制を拒むGoogleやMetaと真っ向対立、現行の監視体制は「完全に任意」と政府自ら認める

10月14日、Wiredが「OpenAI and Anthropic Tell British Lawmakers: Regulate Us」と題した記事を公開した。英国政府は自らAI監視体制について「現時点では、はい、任意です」と認めており、さらにAISI(AI Security Institute:AI安全機関)があるモデルを「危険すぎる」と判断しても、企業がリリースを強行した場合に阻止する手段が存在しないことも公式に認められた。この構造的空白を前に、OpenAIとAnthropicは英国議会の公聴会で「法的拘束力ある規制を課してほしい」と異例の要請を行い、自主規制を支持するGoogleやMetaとの亀裂が公式記録に刻まれた。

10月14日、Wiredが「OpenAI and Anthropic Tell British Lawmakers: Regulate Us」と題した記事を公開した。英国政府は自らAI監視体制について「現時点では、はい、任意です」と認めており、さらにAISI(AI Security Institute:AI安全機関)があるモデルを「危険すぎる」と判断しても、企業がリリースを強行した場合に阻止する手段が存在しないことも公式に認められた。この構造的空白を前に、OpenAIとAnthropicは英国議会の公聴会で「法的拘束力ある規制を課してほしい」と異例の要請を行い、自主規制を支持するGoogleやMetaとの亀裂が公式記録に刻まれた。


「自主規制では不十分」——OpenAI・Anthropicが法的拘束を求め、GoogleとMetaが距離を置いた公聴会

英国議会の「ビジネス・イノベーション・科学・貿易委員会(Business and Trade, Innovation and Science Committee)」は、フロンティアAI企業4社の代表、同企業の元スタッフ(内部告発者)4名、英国の上級官僚を招いた証言セッションを開催した。

最も明確な立場を示したのはAnthropicだ。欧州部門責任者のLiam Booth-Smithは「ルールは拘束力を持つべきだ」と述べ、「自主的なコミットメントだけでは不十分であり、企業に対する拘束力ある規則が必要だとAnthropicは一貫して信じてきた」と語った。

OpenAIの副社長Tom Duff Gordonはより慎重な言い回しながらも同様の立場を支持し、「すべてを自主的コミットメントに基づかせることはフロンティアリスクに対する良い長期計画ではない」と明言した。まずインシデント報告を義務化することから始めるべきだという。

一方、ライバル企業の反応は対照的だった。Google DeepMindのOwen Larterは「標準策定に集中する」と答えるにとどまり、MetaのRob Shermanは英国の既存規制当局の枠組みで対応できると述べ、新たな立法には明確に賛同しなかった。

委員会委員長のLiam Byrne議員はWiredの取材に対し、今回の公聴会の狙いを「地球上で最も裕福な企業間の意見の大きな相違を明らかにし、自主規制には頼れないことを示すことだった」と語った。

なお、英国にはEUのAI Actに相当する包括的なAI規制法が存在しない。現政権はセクター横断的な単一法ではなく既存規制当局による対応を基本方針としており、この「法的空白」こそが今回の公聴会が問題の核心として浮かび上がらせた構造的背景である。


監視体制の限界と「ワシントン次第」のアクセス権

公聴会でさらに浮き彫りになったのは、英国の現行AI監視体制の二重の脆弱性だ。

AISIはフロンティアモデルをリリース前にテストしているが、これはあくまで企業が自発的に提供した場合のみだ。AISIのHenry de Zoete所長は「同機関は企業と外国政府の協力に完全に依存している」と認めた。内閣府のトップ官僚Cat LittleもAISIを含む現行体制について「現時点では、はい、任意です」と明言した。そして先述のとおり、AISIがモデルを「危険すぎる」と判断しても企業のリリースを止める法的手段はない。「私たちは安全認証を与えているわけではない。モデルにYes/Noを言っているわけでもない」とde Zoeteは述べた。

さらに問題を深刻にするのが、英国AISIのモデルへのアクセス権が実質的に米国政府の判断に依存しているという点だ。OpenAIのDuff Gordonは「米国政府のもとで可能な限り、AISIへのリリース前アクセス提供を継続する」と証言した。Anthropicは、最新モデル(元記事では「Mythos 5.1」と記載されているが、Claude系の通常の命名規則とは異なる表記であり、元記事の表現をそのまま反映している)について、当初英国AISIへの「完全な無制限アクセスを提供できなかった」と認め、その理由について「それは米国政府への質問だ」と述べた(現在はアクセス可能になったという)。

証言台に立った元研究者らも内部から厳しい警告を発した。元OpenAI社員のDaniel Kokotajloは「企業が自主規制できるとは思わない」と述べ、2024年末にOpenAIを去ったSteven Adlerは「業界全体の安全文化に自信が持てない」と語った。Geoffrey Irvingは「ラボは政府が止めない競争に巻き込まれていると信じているが、それは誤りだ。単に止めることもできる」と指摘した。


MI5の警告と、トランプ政権に依存しない国際秩序への模索

公聴会と同日、MI5のKen McCallum長官は年次脅威報告でAIによるバイオ兵器悪用リスクを「最大の懸念事項」として挙げた。Byrne議員はこの状況を「MI5長官がバイオテロの危険を警告している一方で、内閣府の官僚がAI規制は任意と認めている。それがすべてを物語っている」と述べた。

Byrne議員は今後、英国が持つG20議長国の立場を活用し、トランプ政権に依存しない国際条約の締結を目指す意向を示している(元記事では韓国との共同議長国として記載されているが、事実関係は元記事の記述に基づく)。「G20議長国の任期はトランプ米大統領の任期より長く続く」と同議員は語った。

詳細はOpenAI and Anthropic Tell British Lawmakers: Regulate Usを参照していただきたい。