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ChatGPTはプロンプト・電話番号・メールで広告ターゲティングしている——「オプトアウト」しても現在の会話は対象外

10月15日、Joseph Coxが「How ChatGPT Targets Ads To You Based On Your Prompts, Phone Number, and Email」と題した記事を公開した。ChatGPTがユーザーのプロンプト・電話番号・メールアドレスを広告ターゲティングに活用している実態を、404 Media自身が実際に広告を出稿して検証したという報告だ。

10月15日、Joseph Coxが「How ChatGPT Targets Ads To You Based On Your Prompts, Phone Number, and Email」と題した記事を公開した。ChatGPTがユーザーのプロンプト・電話番号・メールアドレスを広告ターゲティングに活用している実態を、404 Media自身が実際に広告を出稿して検証したという報告だ。

ChatGPTは現在、月間アクティブユーザー10億人を抱える。AIとの会話という極めてプライベートな文脈でのやり取りが広告配信の判断材料になっているとしたら——今まさにその状況が現実になっている。しかも「広告パーソナライゼーション」のオプトアウト設定を有効にしても、現在入力中のプロンプトへの広告連動は止まらない。


プロンプトが広告に使われている

OpenAIは2026年2月に米国でChatGPT広告をテスト導入し、その後段階的に他地域へ展開した。無料プランおよびGoプラン(OpenAIが提供する中間価格帯のサブスクリプションプラン)のユーザーがプロンプトを入力すると、AIの回答下部に関連広告が表示される仕組みだ。今月(10月)からは、画像生成の結果にも広告が表示されるようになった。なお、PlusプランおよびProプランのユーザーは現時点で広告表示の対象外とされている。

広告主は「コンテキストヒント」と呼ばれるフィールドに、どんな文脈の会話にリーチしたいかを自由記述できる。OpenAIのサイトには「会話、トピック、またはキーワードを記述してください。これらのヒントはマッチングの指針となりますが、完全一致のターゲティングルールではありません」と説明されている。

404 Mediaはこの仕組みを実際に検証するため、「ChatGPTはプライベートではない。OpenAIは人間を雇ってユーザーのチャットを読んでいる」という内容の広告を2本制作し、実際にChatGPT上で配信した。コンテキストヒントには「プライバシーやChatGPTチャットのプライバシーについて議論するトピックを検索している人、または現在のテクノロジーやAIトピックについて質問している人」と設定した。広告はプロンプトの内容に応じて実際に表示されることが確認された。

▲ 404 Mediaが実際にChatGPT上で配信した広告。プロンプトの内容に連動して表示された


「オプトアウト」しても完全には逃げられない

ChatGPTには「広告パーソナライゼーション」のオプトアウト設定が存在する(設定 → データコントロール から確認可能)。しかしその説明文にはこうある。

「過去のチャット、アクティビティ、嗜好を使って広告を選択することをChatGPTに許可する。広告は現在のチャットに基づいて引き続き表示される場合があります」

オプトアウトが防ぐのは「過去の履歴に基づくパーソナライゼーション」であり、現在入力中のプロンプトに基づく広告配信は継続する。広告の表示自体も止まらない。「オプトアウト=広告なし」ではないという点は、多くのユーザーが見落としている可能性が高い。


メールアドレスと電話番号でピンポイントに狙える

プロンプト連動だけでも驚くべき話だが、さらに踏み込んだ機能がある。広告主は特定のChatGPTユーザーを直接リストアップして狙う「オーディエンス」機能を利用できる。

具体的には以下のデータを広告主がOpenAIにアップロードできる:

  • 生のメールアドレス・電話番号(raw形式)
  • ハッシュ化されたメールアドレス・電話番号(デジタル的に難読化されたもの)
  • Android広告ID(Androidスマートフォンに付与される端末固有の識別子)

OpenAIはアップロードされた個人データが実際のChatGPTユーザーと一致するかを照合し、一致した場合にそのユーザーを広告ターゲットにできる。

「インクルージョン(ターゲティング対象に含める)」として機能させるには、アップロードリストが25,000件以上である必要がある。それ未満のリストは「除外」用途にしか使えない。

Metaなどはユーザーがメールアドレスをアップロードした段階でサーバー側がハッシュ化する設計を採用しているが、OpenAIは生データのアップロードを受け付けている。404 Mediaがハッシュ化の有無について質問したところ、OpenAIからの回答はなかった。

OpenAIの立場については、同社広報担当者が次のように説明している:「アップロードされたファイルは処理後(通常24時間以内)に削除される」「広告主は誰がリストに一致したかを個人レベルでは確認できない」。ただし、生データ受け入れの是非については言及がなかった。


広告の透明性ツールも登場

こうした状況に対応するように、「ChatGPT Ad Library」というサイトがすでにChatGPTへの広告配信を記録・公開している。同サイトによると、415,289件のプレースメントで少なくとも43,410件の広告を捕捉済みだという。「free ai video generator with sound」というプロンプトにはAI動画編集ツールの広告が、「which AI moderator is best」には有害コンテンツ削除サービスの広告が表示されることが確認されている。FacebookのAd Libraryに相当する広告監視の仕組みが、民間主導で動き始めている。


「じわじわと既成事実化する」戦略

今回の報道には、404 Mediaが以前報じた「Project Lily」との接続もある。Project Lilyとは、OpenAIが人間のアノテーターを使ってユーザーのチャット内容を実際にレビューしているプログラムの通称だ。その内容が今度は広告ターゲティングにも流用されうる構図が、今回の報道でより明確になった。

オンライン広告データの調査会社DecryptAdsの共同創業者Zach Edwards氏は次のようにコメントしている。

「OpenAIの広告プロダクトは、マネタイズを始める大企業が典型的にやることをそのままやっている。じわじわと既成事実化し、ユーザーが新しい広告のプライバシー的な含意に気づかないことを期待している」

同氏はさらに、広告主がOpenAIのような広告テク企業に個人情報(PII)を共有する行為に対してデータブローカー規制を強化し、ユーザーがデータ削除を申請できる明確なプロセスを設けるべきだと主張している。

10億人規模のプラットフォームでの広告展開はOpenAIにとって収益上の必然だ。しかし、AIとの「会話」という文脈がターゲティングに使われることへのユーザーの理解と同意がどこまで得られているかという問いは、これからより大きくなっていく。


詳細はHow ChatGPT Targets Ads To You Based On Your Prompts, Phone Number, and Emailを参照していただきたい。