10月14日、Analytics India Magazineが「Alibaba Unveils New Qwen AI Smart Glasses to Compete With Meta」と題した記事を公開した。MetaのRay-Banスマートグラスが市場を拡大するなか、AlibabaがQwen AIを搭載したスマートグラス「N1シリーズ」を発表し、競合への対抗姿勢を鮮明にした。カメラ搭載の維持・アイトラッキングの追加・Boseとの協業など、単なるMe-too製品にとどまらない差別化を打ち出している点が注目される。
MetaのRay-Banを意識した仕様設計
Alibabaが中国・杭州で開催したイベントで発表したQwen Glasses N1シリーズは、2,999元(約450ドル)から。上位のProエディションは3,499元(約500ドル)で、アイトラッキング機能を追加する。
ハードウェア面では5000万画素カメラを搭載し、センサーも強化。骨伝導マイクを通じてQwenアシスタントと会話できる。バッテリーはスタンバイ最大25時間、音楽再生9時間。決済・ショッピング・健康トラッキングにも対応する。
比較対象となるMetaのRay-Banスマートグラスは2024年以降に市場を急速に拡大してきた製品だ。2025年9月にはAIアシスタント「Meta AI」との連携を主軸としたカメラなしモデルを349ドルで投入し、エントリー価格帯への展開も進めている。これに対しAlibabaはカメラ機能を維持したまま、ProエディションではアイトラッキングをMetaにない差別化点として前面に押し出している。カメラ搭載を核にしつつ価格帯で競合を意識した設計といえる。
QwenをAIレイヤーとして全面展開
このグラスは単体の製品というより、Alibaba全体のフルスタックAI戦略の一環として位置づけられている。
Alibaba CEOのEddie Wuは2025年9月のApsara Conferenceでこう述べている。
「インテリジェンスはあらゆる場所に広がるべきであり、AIはデスクトップとモバイル環境に急速に浸透している」
WuはLLM・チャットボット・AIチップ・コンシューマーハードウェアという4層でAI能力を構築する方針を打ち出しており、今回のグラスはその「ハードウェア層」の拡充に当たる。Alibabaは2025年に独自のAIチップも発表しており、5〜10兆パラメータ規模のモデル学習を視野に入れている。
今回の発表は、Qwenをスマートフォン・PCの枠を超えてウェアラブルデバイスへ本格展開する動きとして位置づけられる。テキスト・音声中心だったQwenのインターフェースが、カメラによる視覚情報処理やアイトラッキングによる入力へと拡張される点は、モデルの活用範囲という観点からも重要な一歩だ。
Bose共同開発のAIイヤーバッドも同時投入
グラスとは別に、Boseとの共同開発による「Qwen Clip AIイヤーバッド」も発売された。価格は1,299元(約200ドル)。ウェアラブル経由でQwenにアクセスする別経路として機能し、グラスとは異なるユーザー層や用途を意識した製品展開となっている。音響分野での実績を持つBoseとの協業は、ハードウェア品質の担保という面でも注目に値する。
整理:製品ラインナップ
| 製品 | 価格 | 特徴 |
|---|---|---|
| Qwen Glasses N1 | 2,999元(約450ドル) | 5000万画素カメラ、骨伝導マイク |
| Qwen Glasses N1 Pro | 3,499元(約500ドル) | 上記+アイトラッキング |
| Qwen Clip AIイヤーバッド | 1,299元(約200ドル) | Bose共同開発 |
スマートグラス市場でのMetaの先行を追う形ではあるが、カメラ搭載堅持・アイトラッキング追加・Boseとの協業と、Alibabaは独自のポジションを取りに来ている。Qwenというモデルレイヤーを起点に、ハードウェアへどこまで浸透させられるかが今後の焦点になる。
詳細はAlibaba Unveils New Qwen AI Smart Glasses to Compete With Metaを参照していただきたい。




