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役割を与えずに自律分担——Gemini 4 Argonの4エージェントが27時間かけて人間なしでMinecraftをクリア

10月18日、Matthias Bastianが「Four Gemini 4 Argon agents beat Minecraft without any human help」と題した記事を公開した。GoogleのGemini 4 Argonで動作する4つのAIエージェントが人間の介入なしにMinecraftをクリアした事例を詳しく紹介している。Gemini 4 ArgonとはGemini 4 Argonは、Google DeepMindが開発するGemini 4シリーズのエージェント特化バリアントだ。2025年に発表されたGemini 4ファミリーの中でも、長時間にわたる自律的なタスク遂行を想定して設計されており、マルチエージェント構成での協調動作をサポートする。今回の実験はGoogle DeepMindのチームが実施したもので、汎用エージェントとしての能力を複雑なゲーム環境で検証している。4エージェントが自律的にエンダードラゴンを討伐Minecraftのエンドボスである「エンダードラゴン」の討伐は、ゲームの最終目標とされている。これまでは専用のAIシステムをゼロから訓練しなけれ...

10月18日、Matthias Bastianが「Four Gemini 4 Argon agents beat Minecraft without any human help」と題した記事を公開した。GoogleのGemini 4 Argonで動作する4つのAIエージェントが人間の介入なしにMinecraftをクリアした事例を詳しく紹介している。

Gemini 4 Argonとは

Gemini 4 Argonは、Google DeepMindが開発するGemini 4シリーズのエージェント特化バリアントだ。2025年に発表されたGemini 4ファミリーの中でも、長時間にわたる自律的なタスク遂行を想定して設計されており、マルチエージェント構成での協調動作をサポートする。今回の実験はGoogle DeepMindのチームが実施したもので、汎用エージェントとしての能力を複雑なゲーム環境で検証している。

4エージェントが自律的にエンダードラゴンを討伐

Minecraftのエンドボスである「エンダードラゴン」の討伐は、ゲームの最終目標とされている。これまでは専用のAIシステムをゼロから訓練しなければ達成できなかったが、今回はGemini 4 Argonをベースにした汎用エージェント4体がこれを達成した。

Google DeepMindのチームは、エージェントたちをランダム生成されたワールドに投入した。事前にロール(役割)や戦略、ゲーム固有のツールは一切与えていない。それでもエージェントたちは自発的にタスクを分担し、脅威を互いに警告し合い、倒れたチームメンバーのアイテムを回収し、ミスを共有メモリに記録していった。

セッション全体を通じた数字は以下のとおりだ:

  • 所要時間: 27時間14分
  • 生成したJavaScriptプログラム数: 2,783本
  • チャットメッセージ数: 229件
  • 死亡回数: 605回
  • 総コスト: 1,620ドル(2027年から適用されるGemini 4 Argonの標準価格に基づく試算)

605回という死亡回数が示すとおり、進行は決してスムーズではない。しかし重要なのは、それでも最終的にクリアできたという事実だ。

なお、「生成したJavaScriptプログラム数」とは、エージェント自身がMinecraft内の操作を実行するためにリアルタイムで生成・実行したコードの本数を指す。Minecraftの人気MODサーバー環境ではMineflayerなどのJavaScriptライブラリを通じてボットを制御するのが一般的であり、エージェントはこの仕組みを活用して採掘・建築・戦闘といった行動を逐次プログラムとして生成していた。

「役割を与えずに自律分担」が今回の核心

エンジニア視点で見たときに最も興味深いのは、エージェントに役割を事前割り当てしていない点だ。マルチエージェントシステムの設計では、通常は各エージェントに専門的な役割(採掘担当、戦闘担当など)を設定することが多い。今回のシステムでは、エージェントが状況に応じて自律的に役割を決定している。

また、共有メモリへの失敗の記録という仕組みも実用的な観点から注目される。あるエージェントが犯したミスを他のエージェントが参照できるようにすることで、同じ失敗を繰り返さない学習ループを構築している。マルチエージェント協調における共有メモリの活用については、LangGraphのマルチエージェント設計ガイドなども参考になる。

エージェント間のコミュニケーションはチャット形式で行われており、229件というメッセージ数は27時間超のセッションに対して比較的少ない。これは、エージェントが必要な局面のみで通信し、過剰な対話なしに協調できていたことを示唆する。

汎用エージェントがゲームAIを代替しつつある

Minecraftは数年前まで、クリアするためだけに専用AIをゼロから訓練する必要があったゲームの代表例だった。OpenAIがVPT(Video PreTraining)でMinecraftダイヤモンド採掘を達成した事例は当時大きく注目されたが、それは特定タスクへの特化訓練の産物だった。今回の達成は、汎用的な大規模言語モデルベースのエージェントがそうした専用システムを代替し始めていることを示す事例として位置づけられる。

記事では「Minecraftは、目的特化型AIシステムが必要だったゲームをエージェントAIがクリアする最新の事例にすぎない」と述べており、この流れが今後も続くとみている。

コストと現実

1セッション1,620ドルというコストは、記事の計算によれば2027年から適用予定のGemini 4 Argonの標準価格を用いた試算だ。現時点(2026年10月)ではこの価格はまだ正式適用前であり、あくまで将来コストを見通した参考値として示されていることに注意が必要だ。研究・実証用途としては許容範囲かもしれないが、実用システムへの応用を考えると依然として高い水準にある。27時間以上のセッションを維持しながら2,700本超のプログラムを生成するコストとして妥当かどうかは、今後の価格動向次第だろう。

詳細はFour Gemini 4 Argon agents beat Minecraft without any human helpを参照していただきたい。