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OpenAIが対中チップ規制への働きかけを事実上停止 — 議会スタッフ「沈黙がNvidiaの仕事をしている」と指摘

10月21日、madrobot.blogが「OpenAI has gone quiet on keeping AI chips from China, and Nvidia is the big winner」と題した記事を公開した。同記事はPoliticoの報道をもとに、OpenAIが中国向けAIチップ輸出規制の推進から静かに手を引き、その恩恵をNvidiaが享受しているという政治・ビジネス構図を詳報したものだ。AI開発を主導するはずの企業が、安全保障上の規制推進から距離を置きつつあるという構図は、業界全体に波紋を広げている。

10月21日、madrobot.blogが「OpenAI has gone quiet on keeping AI chips from China, and Nvidia is the big winner」と題した記事を公開した。同記事はPoliticoの報道をもとに、OpenAIが中国向けAIチップ輸出規制の推進から静かに手を引き、その恩恵をNvidiaが享受しているという政治・ビジネス構図を詳報したものだ。AI開発を主導するはずの企業が、安全保障上の規制推進から距離を置きつつあるという構図は、業界全体に波紋を広げている。


「沈黙がNvidiaの仕事をしている」

Politicoの報道によれば、ChatGPTを運営するOpenAIは、昨年まで強力なチップ輸出規制を公に支持していたにもかかわらず、新たな規制推進への働きかけを事実上停止した。Capitol Hill(米国連邦議会の通称)のスタッフやロビイストが複数、匿名でこの「撤退」を証言している。

議会スタッフの一人はPoliticoにこう語った。

彼らはかつて我々と同じ立場だった。しかし今、その立場は少し曖昧になっている。沈黙がNvidiaの仕事をしている。

— 議会スタッフ(Politicoへの証言)

あるロビイストは「今この瞬間、大統領に異を唱える意欲はない」と説明した。

OpenAIはPoliticoへのコメントで「米国の研究機関が先端チップで大きなリードを持つことが重要」と述べ、輸出規制は「より広い戦略の一部」と表現したが、議員・当局者との協議内容には触れなかった。Nvidiaはコメントを拒否した。


OpenAIの立場はどう変わったか

OpenAIは2025年3月、ホワイトハウスのAIアクションプラン向けの提言文書で、輸出規制を通じて「米国のAIリードを守る」戦略を明示し、中国を規制対象国に含めるよう求めた。

ところが2026年6月には、OpenAIが提案した連邦AIフレームワークで「輸出規制を強化する」と一行触れるにとどまり、中国への言及は消えた。

タイミングも重要だ。レームダック会期(lame-duck session:任期切れ議員が残る会期末の短い立法期間)に、議会の対中強硬派は年次国防予算法案にチップ規制を盛り込もうと動いており、OpenAIの支持を当てにしていた。OpenAI社長のGreg Brockmanは先月、トランプ大統領がAI幹部に「道義的に拘束力のある」自主規制協定への署名を求めた昼食会にも出席しており、ホワイトハウスとの距離が縮まっている。


Anthropicは逆方向に動いた

対照的なのがAnthropicだ。同社は2026年9月、OpenAIやGoogle、Nvidiaも加盟する業界団体「Information Technology Industry Council(ITI)」を脱退した。ITIが国防予算法案から以下の3つのチップ関連法案を外すよう働きかけたためだ。

  • AI OVERWATCH Act:先端チップを敵対国にライセンスする前に議会の審査期間を設ける
  • Chip Security Act:企業にAIチップの最終的な所在追跡を義務付ける
  • MATCH Act:同盟国に対し中国への半導体製造装置の販売制限を促す

Anthropicはこの3法案すべてを支持する立場をとっている。


太平洋を挟んだ攻防

規制をめぐる動きは米中双方で続いている。現行の米国規制は、中国企業が海外データセンターで米国製チップをレンタルすることを依然として認めており、たとえばTencentはOracleから10万枚のAIチップを借り受けている。中国側ではByteDanceやAlibabaによるNvidia最新チップ購入の承認を北京が検討中で、先週には中国が独自に23のAI技術に対する輸出規制を提案した。


なぜこれが重要か

OpenAIはAI業界で最も知名度の高い企業であり、その発言は議員に対して大きな影響力を持つ。レームダック会期を通じてOpenAIが沈黙を続けた場合、チップ関連法案は最も強力な支持者の一人を失い、Nvidiaが中国向け販売を増やす論拠に対する抵抗が弱まる。

なお、本記事はmadrobot.blogによるPolitico報道の紹介記事を一次ソースとしており、オリジナルの取材・証言はPoliticoによるものである。

詳細はOpenAI has gone quiet on keeping AI chips from China, and Nvidia is the big winnerを参照していただきたい。