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ビジネス・マーケット

GartnerがAI専用クラウド事業者の80%消滅を予測 — 3.5兆ドルの投資に見合うリターンが得られていないと警告

10月19日、CNBCが「Gartner analyst behind tech rout: AI returns are not yet large enough to justify neocloud build-out」と題した記事を公開した。この記事では、GartnerのチーフフォーキャスターがAIインフラへの大規模投資に対してリターンが追いついていないと警告し、ネオクラウド(AI専用クラウド事業者)の業界再編を予測したことが詳しく取り上げられている。

10月19日、CNBCが「Gartner analyst behind tech rout: AI returns are not yet large enough to justify neocloud build-out」と題した記事を公開した。この記事では、GartnerのチーフフォーキャスターがAIインフラへの大規模投資に対してリターンが追いついていないと警告し、ネオクラウド(AI専用クラウド事業者)の業界再編を予測したことが詳しく取り上げられている。


「3.5兆ドルが毀損リスクにさらされている」

Gartnerが先週公開したレポートが、AI関連株市場に大きな打撃を与えた。同社のチーフフォーキャスターJohn Lovelockは10月20日(月)、CNBCに対して「現時点では、AI投資規模に見合うリターンが得られていない」と改めて強調した。

Gartnerのレポートでは、2027〜2030年にかけてAI収益はすべての計画的なAI設備投資に対して利益を生むには不十分になるとの分析が示された。さらに、3.5兆ドル(約540兆円)以上のAIインフラ投資が2030年までに毀損リスクにさらされる可能性があると指摘している。

Wedbush Securitiesのアナリスト、Stephanie Wolfeは顧客向けノートにこう記した。

「水曜日の終わりには市場はすでに不安定な状態にあり、そこにGartnerのレポートが投下された。2030年までに3.5兆ドル超のAIインフラ支出が毀損リスクにさらされ、ネオクラウドプロバイダーが特に脆弱だという内容だった」


ネオクラウドの80%が独立企業として消える

ここで言う「ネオクラウド」とは、CoreWeave、Nebius、IRENのようなAI処理に特化したGPUクラウド事業者を指す。AWS・Azure・GCPのような総合クラウドとは異なり、AI向けの計算リソース提供に特化したビジネスモデルだ。

Gartnerは2030年までにネオクラウドの80%が独立企業として存続しなくなると予測する。ただしLovelock自身は「大量廃業というより、M&Aや合併による業界再編が主な形になる」と補足している。

その根拠として挙げているのが、需給のミスマッチだ。

「現時点では、需要を上回る計算リソースが存在しており、トークン処理能力の多くはフリーミアムで提供されている。AIレースに参加している企業は全員、最後の1社になることを目指して走っている。Gartnerが追跡しているほぼすべてのAI市場は、デュオポリー(2社寡占)に収束する可能性が高い」(Lovelock)

その「デュオポリー」の主役として名指しされているのがAnthropicとOpenAIだ。ネオクラウドはこの2社を主要顧客とするインフラを構築しているが、そのキャッシュフローが投資規模に対して全く追いついていないとLovelock は指摘する。


Anthropicの売上成長率が急減速、OpenAIも未達

この警告を裏付けるデータも出ている。Anthropicの売上成長率は第2四半期の140%から第3四半期には45%へと急減速した。四半期売上高は1億6800万ドルに達しているものの、ハイパースケーラー(Microsoft、Google、Amazonなど大手クラウド企業)が2030年までに投じるとされる5兆ドル超の投資規模と比較すれば、桁が違う水準にとどまっている。

OpenAIについても、年間収益予測が200億ドルの未達となったことがWolfeのレポートで言及されている。


市場への影響:ネオクラウド株が急落

このレポートが公開された先週(10月16日週)、ネオクラウド関連株は軒並み大幅安となった。

銘柄 週間騰落率
CoreWeave(CRWV) -25%
Nebius(NBIS) -25%
IREN(IREN) -16%

余波はネオクラウド株だけにとどまらず、S&P 500が週間で**-2%、Nasdaqが-4%**と幅広い下落に。一方でダウ工業株30種は投資家のテック離れの恩恵を受け+0.7%で引けた。月曜日(10月20日)には自律反発があり、CoreWeave +2%、Nebius +3.3%、IREN +5.6%と回復している。


Gartnerだけではない

AI投資の収益性に懐疑的な見方はGartnerに限らない。Jefferiesのグローバル・エクイティ戦略ヘッドChris Woodは少なくとも9月以降、AIにおける「資本の破壊」を警告してきた。著名投資家Paul Tudor Jonesも先週CNBCに対し、マクロ経済的要因から2027年は株式市場にとって厳しい年になるとの見方を示している。

なお、LovelockはAI全体についても示唆的な見解を述べている。「AIはマーケット(市場)ではなく、テクノロジー(技術)だ」と述べ、塩のように既存のビジネスに振りかけられるものであり、それ自体が新たな独立した産業を形成するものではないと表現した。


詳細はGartner analyst behind tech rout: AI returns are not yet large enough to justify neocloud build-outを参照していただきたい。