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OpenAI・AnthropicのAIエージェントが使う「安全な実行環境」を提供するDaytonaが約90億円調達 — 従来クラウドとは異なる設計思想でユニコーンに

10月21日、Tech Startupsが「Daytona raises $60M at $1B valuation to provide AI agent infrastructure to OpenAI, Anthropic, and others」と題した記事を公開した。AIエージェントが自律的にコードを書き、Webを操作し、ソフトウェアを動かす時代において、「そのエージェントを安全に動かす場所」は意外にも未解決の問題として残っていた。このギャップを埋めるサンフランシスコ発のスタートアップDaytonaがシリーズBで6000万ドルを調達し、評価額10億ドルのユニコーンとなった。

10月21日、Tech Startupsが「Daytona raises $60M at $1B valuation to provide AI agent infrastructure to OpenAI, Anthropic, and others」と題した記事を公開した。AIエージェントが自律的にコードを書き、Webを操作し、ソフトウェアを動かす時代において、「そのエージェントを安全に動かす場所」は意外にも未解決の問題として残っていた。このギャップを埋めるサンフランシスコ発のスタートアップDaytonaがシリーズBで6000万ドルを調達し、評価額10億ドルのユニコーンとなった。


OpenAI・Anthropicが使うAIエージェント専用インフラ

DaytonaはシリーズBラウンドをFirstMarkがリードした。FirstMarkはPinterestやDraftKingsなどへの初期投資でも知られるニューヨーク拠点のベンチャーキャピタルだ。さらにStripeのPatrick Collison、ShopifyのTobi Lütke、PerplexityのAravind Srinivas、ZoomのEric Yuan、QuoraのAdam D'Angelo、DatadogのOlivier Pomelといったシリコンバレーの著名創業者たちが個人投資家として参加。機関投資家としてはQualcomm Ventures、Samsung Next、Okta Venturesも名を連ねた。

累計調達額は9100万ドルに達する。元記事によれば今回のシリーズBが大型ラウンドの初回であり、それ以前の調達(約3100万ドル相当)はシード〜シリーズA相当の小規模ラウンドだったと見られる。今回の評価額10億ドルへの急騰は、AIエージェントインフラ市場への投資家の期待の大きさを示している。


「サンドボックス」とは何か

Daytonaが提供するのは、AIエージェント専用の隔離された仮想実行環境(サンドボックス)だ。エージェントがコードを実行したりアプリケーションを操作したりする際、企業の本番システムへの無制限アクセスを与えることなく、安全な作業空間を提供する。

Linux・Windows・macOSに対応し、タスクの一時停止・再開、環境の複製なども行える。元記事ではプロビジョニング速度についてミリ秒単位での起動を実現していると述べられており、後述の顧客事例でも「環境起動が30分から数秒に短縮」といった実測値が公開されている。

既存のクラウド(AWS・Azure・GCP)も仮想環境を提供しているが、DaytonaのCEO Ivan Burazinは次のように述べている。

「従来のクラウドインフラは、より予測可能なワークロードを前提に設計されている。AIエージェントは単一のワークフローで何千もの環境を瞬時に起動するような、急激な需要の波を生み出す可能性がある」

つまりDaytonaの主張は、既存クラウドが「対応できない」というよりも「設計思想が異なる」という点にある。AIエージェント特有の爆発的・非定型なスケーリング需要に対して、既存インフラは最適化されていないという見立てだ。

セキュリティ面についても、Burazinは強い言葉で語っている。

「最近のエージェントセキュリティインシデントはエッジケースではない。予告編だ。エージェントが暴走しているのではなく、道徳も結果への恐れもなく仕事をこなしているだけだ。企業は何千人もの"デジタル従業員"を管理することになる。一つのエージェントのルール違反が会社全体の混乱に波及しないよう、Daytonaは安全な失敗の場を提供する」


利用実績と成長速度

顧客にはOpenAI・Anthropic・NVIDIA・Metaに加え、Cursor・Cognition・Cohere・Postman・n8n・Clayなども名を連ねる。

実績として公開されている数字は規模感を物語る:

  • AIデータスタートアップSnorkel:100万以上のサンドボックスをプロビジョニング、評価サイクルを96%削減
  • Trajectory:70万のサンドボックスを利用、環境起動時間を30分から数秒に短縮

売上は非公開だが、2025年1月〜9月の収益ランレートは25倍に成長。月次平均成長率は50.9%とBurazinはFortuneのインタビューで明かしている。


創業の経緯と「アジェンティッククラウド」への賭け

Daytonaは2023年にIvan Burazin、Goran Draganić、Vedran Jukićの3人が創業した。当初はソフトウェア開発環境の自動化、具体的にはGitHub Codespacesに近いリモート開発環境の領域に取り組んでいたが、自律型AIエージェントが独自の実行環境を必要とすると確信し、AIエージェントインフラにピボットした。

同社が掲げるキーワードが「アジェンティッククラウド(Agentic Cloud)」だ。これは元記事でBurazinが用いる表現で、「スマートなモデルを作る」フェーズの次、すなわち「そのモデルが安全に働ける場所を作る」フェーズを担う新たなインフラ層を指す。AIモデル自体の開発競争とは別に、モデルが実際に動作する実行環境のレイヤーに大きな投資機会があるという見立てだ。

調達資金はサンフランシスコ・クロアチア・シンガポールでのインフラ拡充と採用に充てる計画だ。


詳細はDaytona raises $60M at $1B valuation to provide AI agent infrastructure to OpenAI, Anthropic, and othersを参照していただきたい。