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WalmartがAIエージェントによる代理購買を公式解禁 — Amazonが締め出すなか、アジェンティックコマースの覇権争いが鮮明に

10月22日、madrobot.blog(運営者・媒体詳細はサイトを参照)が「Walmart will let AI agents shop for you, just as Amazon locks them out」と題した記事を公開した。WalmartがAIエージェントによる代理購買を公式に解禁し、同時期にAmazonがAIエージェントを締め出していることで、アジェンティックコマース(AIエージェントが人間に代わって買い物をする形態)の覇権争いが鮮明になっている状況を詳しく紹介している。

10月22日、madrobot.blog(運営者・媒体詳細はサイトを参照)が「Walmart will let AI agents shop for you, just as Amazon locks them out」と題した記事を公開した。WalmartがAIエージェントによる代理購買を公式に解禁し、同時期にAmazonがAIエージェントを締め出していることで、アジェンティックコマース(AIエージェントが人間に代わって買い物をする形態)の覇権争いが鮮明になっている状況を詳しく紹介している。


AmazonがブロックするなかでWalmartが招き入れる

Walmartは2026年10月22日(現地時間)、同社の公式発表を通じて、ユーザーが自分のAIエージェントをWalmart.comおよびSam's Clubに代わりに買い物させる仕組みを整備すると発表した。John Furner氏(肩書きは元記事を参照)がサンフランシスコで開催されたMasters of Scale Summitで明らかにした。

一方のAmazonは、MetaのAIショッピングエージェント「Meta AI Muse」を9月に締め出し(ログイン情報の不正取得を理由に)、PerplexityのCometブラウザとは法廷で争っている状況だ。両社の対応は真逆と言っていい。


仕組みの核心:3つのコンポーネント

Walmartの発表は以下の3つで構成されている。

1. Agent Profiles(エージェント専用プロフィール)

現状、AIエージェントがWalmartで買い物をすると、そのエージェントはユーザー本人としてログインするため、エージェントの注文が自分の購入履歴に混入する。Agent Profilesでは、ユーザーが承認した各エージェントにアカウント内で独立したプロフィールを付与し、誰が何を買ったかを分離して把握できる。1ヶ月以内の提供開始が予告されている。

購入の承認フローはユーザーが設定できる。毎回手動で承認するか、上限額(例示は$50、$100、$200)を設定して自動決済を許可するかを選べる。Walmartはこれをクレジットカードへの家族カード追加に例えている。初回利用時にプロフィールが自動生成され、Walmartアカウントへのログインでリンクするだけでよく、Walmart+会員でなくても利用可能だという。

また、商品価格はエージェント経由でも通常のWalmart.comと同一であることを明記しており、「人ではなく商品に値段をつける」と説明している。

2. Agent Gateway(ボット専用API)

現在のエージェントはWebブラウザ経由でWalmartのページを人間のようにクリックして操作しており、遅くエラーも起きやすい。Agent Gatewayはこれを解消する、ボット向けの専用経路だ。

技術的には、Anthropicが策定したMCP(Model Context Protocol)に基づいたサーバーとして実装されており、承認済みエージェントがWalmartの在庫検索や購入処理を直接実行できる。現在は企業・開発者向けのベータ版として公開されている。

Gatewayはエージェントが「いつも買うブランドの牛乳」「ザワークラウトのパン」といった定番品を見つける手助けもできるが、購入履歴全体をエージェントに渡すわけではない点が明記されている。すでにWalmart自身のアシスタント「Sparky」やMeta AI Muse、ChatGPT、Geminiとの連携が存在する。

3. AIショッパー向けルール

Walmartはエージェント向けの利用規約も策定した。主なポイントは以下の通りだ。

  • 返品保証の対象:エージェントが誤った挙動をした場合も含め、通常の返品ポリシーが適用される
  • デフォルトで承認が必要:上限額を設定しない限りユーザーの承認が必要。設定内でもWalmart側が追加承認を求める場合がある
  • カード情報は渡さない:エージェントは支払いカードの情報を受け取れず、支払い方法の追加・変更も不可
  • 必要最小限の情報のみ:タスクに必要かつユーザーが許可した情報のみを取得し、意図の範囲を超えてはならない

エージェントとのやり取りで共有した情報には、Walmartのプライバシーポリシーではなくそのエージェント提供企業のポリシーが適用される点には注意が必要だ。規約に違反したエージェントはサイトからブロックされる。


なぜこのタイミングか

Walmartが単独で動いているわけではない。傘下のFlipkartはインドですでにGemini内に購入ボタンのテストを実施しており(関連記事)、AnthropicのClaude Duetアプリも支払い前にユーザー確認を挟む設計を採用している(関連記事)。エコシステム全体として「承認フロー付きのエージェント購買」が標準化しつつある段階といえる。

なお、今回の発表対象はWalmart.comとSam's Club(いずれも米国)のみで、Walmart Canada、Walmart de México、Flipkartへの展開については言及がない。


AIエージェントをどう扱うかは、突き詰めれば「顧客を誰が抑えるか」という問いだ。Walmartは独自の入り口を用意することで、エージェント経由の購買をコントロール下に置きつつ取り込む戦略を選んだ。Amazonが締め出しを続けるなか、この分岐がアジェンティックコマースの業界構造に影響を与える可能性は高い。

詳細はWalmart will let AI agents shop for you, just as Amazon locks them outを参照していただきたい。