10月21日、CNBCが「OpenAI expands ChatGPT Ads to 26 new countries as diversification push accelerates」と題した記事を公開した。OpenAIは今年2月に米国でChatGPT広告のテストを開始し、わずか数カ月でARR(年換算収益)10億ドルを達成。今回の26カ国追加により広告対応国は合計89カ国に達し、同社の収益多角化戦略は新たな段階に入った。
広告対応国が合計89カ国に
今回の発表により、ChatGPT広告が表示される国は合計89カ国に達した。新たに追加された26カ国には、アルゼンチン、ペルー、ナイジェリア、南アフリカ、ウクライナなどが含まれる。
広告の対象となるのは無料ユーザーおよび「Goサブスクライバー」だ。Goサブスクライバーとは、OpenAIが提供する中間グレードの有料プランの加入者を指す(ChatGPTの料金プラン体系についてはOpenAI公式サイトも参照)。
広告はChatGPTの回答とは分離して表示され、回答内容に影響を与えないとOpenAIは説明している。また、広告である旨が明示されるという。
売上は数カ月で10倍超
広告事業の成長ペースは急速だ。CNBCの報道によると、ChatGPT広告のARR(Annual Recurring Revenue=年換算収益)は2月のパイロット開始からわずか2カ月後の3月に1億ドルを突破し、その後8月には10億ドルに達した。3月から8月までの約5カ月間で収益規模は10倍超に拡大したことになる。現在、プラットフォーム上で広告キャンペーンを実施した広告主は10万社以上に上る。
なお、タイトルおよび一部報道では「8カ月でARR10倍」と表現されることもあるが、これは2月のテスト開始から8月の10億ドル達成までの期間全体を指したものであり、3月の1億ドル突破を起点とした倍率の計算とは異なる。
OpenAIの収益構造は、エンタープライズ契約・コンシューマー向けサブスクリプション・API利用料という3本柱で構成されてきた。広告事業はそこに加わった第4の柱として位置づけられている。GoogleやMetaが広告収入を主軸に成長してきた歴史と重ねると、OpenAIが目指している方向性は明確だ。
AnthropicはスーパーボウルCMで対抗
ChatGPT広告への参入は当初、競合のAnthropicから批判を受けた。Anthropicは今年2月のスーパーボウルで「Claudeは広告を出さない」というメッセージを前面に打ち出したCMを放映し、OpenAIの広告展開を直接的に皮肉った(※本件はCNBCを含む複数メディアが当時報じており、元記事でもその経緯が言及されている)。
Anthropicは現在も自社チャットボット「Claude」を広告フリーで維持する姿勢を崩していない。
IPOを前にした収益基盤の拡充
OpenAIとAnthropicはともに、近くIPOを検討していると広く報じられている。OpenAIの幹部は2027年の上場を視野に入れていると示唆しており、Anthropicも直近数週間で潜在投資家との面談を積極的に行っている。
上場前に広告収入という安定的かつスケーラブルな収益源を確立しておくことは、投資家へのアピールとして有効に機能する。OpenAIは今後、広告フォーマットの追加、効果測定機能の強化、購入オプションの拡充を進める方針も明らかにしている。
詳細はOpenAI expands ChatGPT Ads to 26 new countries as diversification push acceleratesを参照していただきたい。




