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OpenAIが評価額を1.4兆ドルから1.25兆ドルに引き下げ、300億ドル調達へ — AI投資熱に「消化不良」の兆し

10月23日、Maximilian Schreinerが「OpenAI lowers valuation target, raises up to $30 billion」と題した記事を公開した。AI投資熱が続く中、OpenAIが自ら評価額目標を引き下げるという異例の展開が明らかになった。同社は当初の1.4兆ドルから1.25兆ドルへと目標を修正し、最大300億ドルの新規資金調達ラウンドを締結しつつある。

10月23日、Maximilian Schreinerが「OpenAI lowers valuation target, raises up to $30 billion」と題した記事を公開した。AI投資熱が続く中、OpenAIが自ら評価額目標を引き下げるという異例の展開が明らかになった。同社は当初の1.4兆ドルから1.25兆ドルへと目標を修正し、最大300億ドルの新規資金調達ラウンドを締結しつつある。


評価額を引き下げてでも調達を急ぐ理由

当初OpenAIは投資家に対し、1.4兆ドル(約210兆円)の評価額でのラウンドを提示していた。しかし内部資料をもとにFinancial Timesが報じたところによると、その数字は1.25兆ドルまで引き下げられた。CNBCも同様の数字を報じている。

需要が弱まった背景について、FTは「一部の投資家が過去のラウンドで重い投資をしており、消化不良(indigestion)を起こしている」と表現している。直近の資金調達ラウンドで既にかなりのエクスポージャーを取っている投資家が、追加投資に慎重になっているという構図だ。

ここでいう「消化不良(indigestion)」とは、投資家がある銘柄や分野に対して既に大きなポジションを持っており、追加投資の余力・意欲が低下している状態を指す市場用語である。AI関連スタートアップへの資金流入が続いてきた結果、主要投資家のポートフォリオがOpenAIへの投資で飽和しつつある実態を示唆している。


UAEとCoatueが主導、IPO前のつなぎ資金として位置づけ

今回の最大300億ドルのラウンドを主導するのは、UAE(アラブ首長国連邦)の投資家と、米大手テクノロジー投資会社の**Coatue Managementだ。CoatueはMeta・Snap・Uberなどへの投資でも知られるグロース投資に強い運用会社である。UAE側の投資家としては、アブダビ政府系ファンドのMubadala Investment Company**などが想定される(※編集部の考察)。

資金調達の位置づけは「IPO前のブリッジ」とされている。ブリッジファイナンスとは、IPOや大型資金調達など次のマイルストーンまでの間、事業継続・成長に必要な資金を一時的に確保する手法を指す。現時点での上場が難しい状況下で、2027年のIPOを見据えた資本つなぎという性格が強い。

さらにCNBCによれば、OpenAIはUAEを通じて追加の計算リソース(コンピュートキャパシティ)を確保するための商業契約についても交渉中だという。資金だけでなく、インフラ面での提携も含む形だ。


IPOの行方:2027年目標も、Altmanは「タイミングが悪い」

OpenAIはすでに2025年6月にSEC(米証券取引委員会)へIPO目論見書を秘密裏に提出(confidential filing)している。confidential filingとは、米国の証券法に基づく制度で、IPO前に目論見書の草案を非公開でSECに提出できる手続きを指す。上場準備の意思を示しつつも、具体的な条件や時期を市場に開示せずに当局との調整を進められるため、大型IPOではよく使われる手法だ。

CFOのSarah Friarは2025年8月に社員に対し「2027年までに上場企業になる」と伝えている。

一方でCEOのSam Altmanは2025年9月に「現時点では上場のタイミングとして適切ではない」と発言。この見解は6月の時点で社内にも伝えていたという。今回の評価額引き下げという判断は、この発言とも整合している。

ライバルの**Anthropicも上場準備を進めており、1.5兆〜2兆ドル**の評価額を目指しているとされる。OpenAIの1.25兆ドルという評価額目標は、Anthropicの下限と同水準か、それを下回る形になっている点は対照的だ。


数字の整理

項目 内容
当初提示の評価額 1.4兆ドル
引き下げ後の評価額 1.25兆ドル
調達目標額 最大300億ドル
ラウンド主導 UAE投資家、Coatue
IPO目標時期 2027年
Anthropicの評価額目標 1.5〜2兆ドル

300億ドルという調達規模は単体でも巨大だが、評価額の引き下げという事実は、AI投資熱が一巡しつつある現状を示している。IPO前のブリッジとしての性格が強く、2027年の上場に向けた資本構成の整備と見るのが自然だろう。評価額を下げてでも調達を優先するという判断の背景に、競合との開発競争やインフラ投資の加速があることは想像に難くない。

詳細はOpenAI lowers valuation target, raises up to $30 billionを参照していただきたい。