10月23日、CBS Newsが「Nasdaq dives more than 750 points as investors worry massive AI spending won't pay off」と題した記事を公開した。AI関連への巨額投資が収益に結びつくかどうかへの懸念から、Nasdaqが750ポイント超急落した市場動向について詳しく紹介されている。
AI投資の構造的課題に市場が冷や水
10月22日(米東部時間)、Nasdaq総合指数が取引中に一時751ポイント(2.8%)下落し、最終的には694ポイント安の26,009で引けた。S&P 500も1.2%下落。一方、ダウ平均は0.1%未満の小幅高でかろうじてプラスを維持した。
下落の背景にあるのは、AI企業が抱える膨大な債務だ。データセンター建設などのインフラ投資(設備投資、いわゆるcapex)が営業キャッシュフローを大幅に上回るペースで拡大しており、企業は株式・債券市場からの資金調達に依存している。しかし、その信用環境が締まりつつあるとの見方が広がっている。
投資情報会社Vital KnowledgeのトップであるAdam Crisafulliは投資家向けリサーチノートの中で次のように述べた。
「AIの成長は設備投資に依存している(これは史上最も資本集約的な産業のひとつだ)。設備投資が営業キャッシュフローを大幅に上回っている現状では、企業は株式・債券投資家の支援に頼らざるを得ない。しかし最近、その市場は以前ほど寛容ではなくなってきている」
債務発行が鈍化すれば、AIインフラ整備のための資金調達が困難になるとCrisafulliはさらに指摘している。
10兆ドル超のインフラ投資、「鉄道建設すら凌ぐ」
米シンクタンクのブルッキングス研究所の試算によると、2025年から2032年にかけてAIインフラ整備にかかるコストは10兆ドルを超える見通しだ。金融市場分析会社High Frequency EconomicsのチーフエコノミストCarl Weinbergによれば、これは19世紀の鉄道建設やドットコムバブルを凌ぐ、米国史上最大規模の投資になる。
大手AI関連企業の多くは依然として高い収益性を維持しているものの、株価が高騰する中で投資家がコストの規模を改めて精査し始めている。
決算と原油高も重なった
同日は複数企業の決算発表も重なり、センチメントの悪化に拍車をかけた。
- Meta Platforms:AIエージェント「Muse」を推進中だが、売上高が予想を上回った一方で純利益が未達。株価は7%下落。
- Tesla:夏季(Q3)の利益は予想を上回ったが、売上高はアナリスト予想に届かず。株価は3.1%下落。
さらに、イランをめぐる地政学リスクの高まりが原油価格を押し上げた。米国基準のWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)は1バレル99.21ドル(前日比+2.1%)、国際基準のブレント原油は同113ドル(+3.7%)で取引された。原油高はエネルギーコスト上昇を通じて企業収益を圧迫するため、株式市場全体の重荷となった。
AIインフラへの投資規模そのものは巨大であり、その持続性に対する市場の疑念は一時的な売りに留まらない可能性がある。capexの膨張とキャッシュフローの乖離という構造的な問題は、個別企業の決算だけでは解消されないからだ。
詳細はNasdaq dives more than 750 points as investors worry massive AI spending won't pay offを参照していただきたい。




