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データセンター支出、2028年に2.1兆ドルへ倍増 — AIブームの主戦場はチップではなく「電力・冷却・建設インフラ」に

10月24日、TechStartupsが「Data center spending to more than double to $2.1 trillion by 2028 amid AI infrastructure boom, Bank of America Says」と題した記事を公開した。バンク・オブ・アメリカの調査レポートを引用したこの記事が示すのは、単なる「支出倍増」という数字の話ではない。AIインフラ投資の主戦場が、GPUをはじめとするチップから、電力・冷却・建設インフラという"地味だが巨大"な領域へと広がりつつあるという構造的な転換だ。

10月24日、TechStartupsが「Data center spending to more than double to $2.1 trillion by 2028 amid AI infrastructure boom, Bank of America Says」と題した記事を公開した。バンク・オブ・アメリカの調査レポートを引用したこの記事が示すのは、単なる「支出倍増」という数字の話ではない。AIインフラ投資の主戦場が、GPUをはじめとするチップから、電力・冷却・建設インフラという"地味だが巨大"な領域へと広がりつつあるという構造的な転換だ。


2026年に1兆ドル超、2028年には2.1兆ドルへ

バンク・オブ・アメリカ・グローバル・リサーチが2026年10月23日(金)に公開したレポートによると、データセンター向け支出は2026年中に1兆ドルを突破し、2028年には2.1兆ドルへと倍増以上に膨らむ見通しだ。

背景にあるのは、大規模AIモデルの訓練と推論に必要な計算インフラの急拡大だ。より大きなモデルを訓練し、数百万人規模のユーザーに提供するためには膨大な計算容量が必要であり、テクノロジー企業は新施設の建設と設備投資を急ピッチで進めている。

同行は、2022年時点で2,750億ドルだったグローバルデータセンター市場が、2030年には2.93兆ドルに達すると推計。AI需要が2025年から2030年にかけて**年平均37%**の成長率(CAGR)を牽引するとロイターが報じている。


1メガワットあたり4,900万ドル──内訳を読み解く

このレポートで特に注目されるのが、コスト構造の詳細な分解だ。

バンク・オブ・アメリカの推計では、データセンターの開発コストは1メガワットあたり約4,900万ドル。その78%をIT機器が占める。

内訳はおよそ以下の通りだ:

  • サーバー:約3,140万ドル/メガワット(最大の費目)
  • ネットワーク機器:約480万ドル/メガワット

さらに、AI特化型施設(いわゆるネオクラウド)ではコストが約5,700万ドル/メガワットに跳ね上がる。AI推論・訓練に特化した専用ハードウェアと冷却・電力インフラが必要なためだ。ネオクラウドは通常のデータセンターと比較して物理的な設置面積は小さくなる傾向がある。


チップ競争の外側で恩恵を受ける産業

NvidiaのGPUに代表されるAIチップやサーバーメーカーが注目を集める一方、このレポートが示すのはその「外側」で動く巨大な資金の流れだ。

レポートは、電気スイッチギア(電力の開閉・分配装置)、発電機、バックアップ電源、チラー(冷却装置)といったインフラ機器のコストを建設・電力・冷却インフラ全体の文脈で分析しており、1メガワットあたり10万〜110万ドルという数字を示している。元記事はこうしたインフラ機器を手がける産業機械メーカー、エンジニアリング会社、建設会社がAIブームの恩恵を受ける分野として言及しており、これらの企業はこれまでテクノロジーセクターとの接点が限られていた層でもある。

データセンターの建設には大量のコンクリート・鉄骨・土木工事が伴い、電力インフラの整備には変電所の増強や送電線の新設も必要となる。チップの話題に隠れがちだが、こうした「物理的な建設インフラ」こそが支出全体の規模を支える基盤であり、レポートが産業機械・建設セクターに言及する背景もここにある。


リスクも無視できない

支出予測には相応のリスクが伴う。

データセンター開発者は、電力の確保、建設許可の取得、送電網への接続という三つの課題に直面している。コスト上昇と地域住民の反発がプロジェクトを遅延させたり、割高にさせたりする可能性もある。

また、テクノロジー企業がAIインフラに巨額をコミットする一方で、AIサービスから得られる長期的な収益がその投資を正当化できるかは未知数だ。バンク・オブ・アメリカの予測はあくまでも見通しであり、AI採用の進捗や資金調達環境、新規キャパシティの整備速度によって実際の数字は変動する。

それでも、このレポートが示す規模感は、AIブームの次のフェーズがチップとアルゴリズムと同じくらい、メガワット・建設インフラ・冷却能力で語られる時代に入りつつあることを示している。


詳細はData center spending to more than double to $2.1 trillion by 2028 amid AI infrastructure boom, Bank of America Saysを参照していただきたい。