10月25日、The Newsが「Amazon CEO says AWS Cloud capacity sold out through 2027 as AI demand surges」と題した記事を公開した。AmazonのCEO Andy JassyがAWSのクラウドキャパシティが2027年まで(一部2028年も)ほぼ完売状態にあると明かしたもので、年間33兆円規模の設備投資を続けてもなお需要に供給が追いつかないという事実は、AIインフラをめぐる競争がいかに過熱しているかを端的に示している。クラウドへの新規参入や大規模AI開発を検討している組織にとって、今後の調達戦略を左右しかねない情報だ。
2027年分は「ほぼ完売済み」、2028年も相当量が予約済み
Andreessen Horowitzの共同創業者Ben HorowitzとゼネラルパートナーErik Torenbergが出演するポッドキャストに登場したJassy CEOは、率直な現状を語った。
「2027年はほぼ売り切れ状態だ。オンデマンドサービスやBedrock、EC2向けには一定量を常に確保しているが、大口の枠はほぼ完売している。2028年もかなりの量がすでに売れている」
大口の「買い手」は大企業とAIラボ(大規模なモデル学習・推論インフラを必要とする組織)だ。これらが2026〜2027年分の主要なキャパシティをすでに押さえてしまっており、新規の大口契約はほぼ入る余地がない状況にある。
ただし、Jassyは個人開発者や中小規模の利用者が完全に締め出されているわけではないと強調した。**Amazon EC2(クラウドサーバー提供サービス)とAmazon Bedrock(生成AIモデルへのアクセスを提供するプラットフォーム)**向けには、意図的に一定のキャパシティを確保しているという。
年間2,200億ドルの設備投資でも追いつかない
Amazonは2026年の設備投資(CapEx)として約2,200億ドル(約33兆円)を見込んでいる。それでも需要に供給が追いついていない、というのがこの話の核心だ。
Jassyはこう述べた。「もっと多く投資しても、資本の無駄遣いにはならないだろう」。これはインフラへの投資余地がまだあると判断していることを示している。
制約は資金だけではない。Jassyが挙げる物理的なボトルネックは以下の通りだ:
- データセンターの用地確保
- 電力供給の可用性
- 特殊メモリ(HBM等)の調達
これらの制約があるため、インフラ不足は2027年以降も続く見通しだ。対応策として、Amazonは自社開発の**Trainium(AI学習向けチップ)やGraviton(汎用コンピューティング向けチップ)**といったプロプライエタリハードウェアの展開を加速させている。
AWS AIビジネスの急成長
AWSのAI関連ビジネスは、生成AIブームが始まってからわずか3年で年換算250億ドル(約3.7兆円)の売上ペースに到達した。Jassyによれば、このペースはAWSがクラウド事業を最初に立ち上げた当時の成長速度を上回るという。
なお、この発言は10月25日時点のもので、Amazonは同月29日に第2四半期(2025会計年度Q2)の決算発表を予定していた。AWSセグメントの詳細な数字はその場で明らかになる見込みとされていた。
インフラ争奪戦の実態
クラウドキャパシティの逼迫は、AWSに限った話ではない。MicrosoftのAzureやGoogle Cloudも同様の需要圧力に直面しており、各社がデータセンター建設と電力確保を競い合っている状態にある。今回のJassyの発言は、その競争の激しさを改めて裏付けるものだ。大口顧客がすでに2028年分まで「先買い」している構図は、AIインフラをめぐる争奪戦が相当な長期戦になることを示している。
※編集部の考察:AzureおよびGoogle Cloudが同様の需要圧力に直面しているという点は、各社の決算発表や公式発表でも繰り返し言及されているが、本記事執筆時点では元記事に一次ソースの明示がないため、詳細は各社の公式IRページ等での確認を推奨する。
詳細はAmazon CEO says AWS Cloud capacity sold out through 2027 as AI demand surgesを参照していただきたい。




