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中国支援グループが自律型AIで11日間に140件を侵害 — 人手攻撃比で約37倍の速度、エージェント型AI悪用が月3倍ペースで急増

10月31日、CyberScoopが「China-backed threat group used agentic AI pentesting tool to compromise 140 sensitive targets in 11 days」と題した記事を公開した。中国政府支援の脅威グループ「Vapor Panda」がエージェント型AIペネトレーションテストフレームワーク「ARTEX」を悪用し、わずか11日間で140件以上の機密標的を侵害したという。人手によるオペレーションと比べて約37.5倍(1時間あたり40コマンド→1,500コマンド超)という異次元の速度が記録されており、CrowdStrikeはこれを「国家支援アクターによるエージェント型AI活用として初めて目撃した事例」と位置づけている。

10月31日、CyberScoopが「China-backed threat group used agentic AI pentesting tool to compromise 140 sensitive targets in 11 days」と題した記事を公開した。中国政府支援の脅威グループ「Vapor Panda」がエージェント型AIペネトレーションテストフレームワーク「ARTEX」を悪用し、わずか11日間で140件以上の機密標的を侵害したという。人手によるオペレーションと比べて約37.5倍(1時間あたり40コマンド→1,500コマンド超)という異次元の速度が記録されており、CrowdStrikeはこれを「国家支援アクターによるエージェント型AI活用として初めて目撃した事例」と位置づけている。


AIが変えた攻撃の速度と規模

セキュリティ企業CrowdStrikeが公開した脅威レポートによると、Vapor Pandaは10月17日以降、少なくとも14カ国の200以上の組織を標的とした。

確認された侵害先には以下が含まれる:

  • 複数国の外務省
  • 欧州某国の大統領府および首相府
  • 防衛・情報機関
  • 製薬、半導体、防衛、核、金融セクターにおける米国内19組織
  • 米国、ベルギー、フィリピンの通信事業者

CrowdStrikeの調査では、Vapor Pandaが標的とした組織の約**70%**が侵害を確認、または高い確度で侵害成功とみられる証拠が得られた。


ARTEXとDeepSeekの組み合わせが攻撃を加速

今回の事案で最も注目すべき点は、攻撃の「速度」だ。

CrowdStrikeがこれまで15年間にわたり追跡してきた人手によるオペレーション(hands-on-keyboard activity)では、1時間あたり最大40コマンドが典型的な水準だった。ARTEXを使用した場合、その数値は1時間あたり1,500コマンド超にまで跳ね上がる。これは人手攻撃と比較して約37.5倍に相当する数値であり、元記事でもCrowdStrikeがこの比較を根拠に攻撃速度の急激な変化を示している。リクエストは10秒ごとという頻度で発生し、複数の攻撃経路を並行して追跡することも可能だ。

CrowdStrikeの脅威対策部門SVPであるAdam Meyers氏は次のように述べている:

「これほどの規模でエージェント型AIを使う国家支援の脅威アクターを目撃したのは初めてだ。残念ながら、今後も増えていくだろう。」

ARTEXはエージェント型AI(agentic AI)の枠組みで動作する自動ペネトレーションテストフレームワークであり、Vapor PandaはこれをLLM(大規模言語モデル)のDeepSeekと組み合わせて使用した。エージェント型AIとは、与えられたゴールに向けて自律的に計画・実行・修正を繰り返すAIシステムを指す。通常のチャットボット型AIとは異なり、人間の介在なしに複数のステップにわたるタスクを自動処理できる点が特徴だ。

Meyers氏はコスト効率の面でも言及している:

「200の標的に分散させれば、大規模な脆弱性悪用キャンペーンを実行してウェブシェルを設置するコストは極めて低い。短期間でより多くの標的を狙える。」


急増するエージェント型AI攻撃

CrowdStrikeの観測では、悪意あるエージェント型AIの利用は月次ベースで約3倍のペースで増加している。9月に確認されたエージェント型攻撃はおよそ45件だったが、10月時点ですでに126件に達し、まだ増加中だ。

なお今回のVapor Pandaのキャンペーンは、マイクロソフトが同月にStorm-0940に帰属したARTEX関連活動とは別のキャンペーンである。Storm-0940はConnectWise製品を悪用したサプライチェーン攻撃で知られるが、Vapor Pandaとは異なるアクターであり、両者のリンクは今回の侵害キャンペーンとは直接関係しない。ただし複数の中国支援グループがARTEXを独立して活用しているという事実は、同ツールが中国サイバースパイ活動の共通インフラとして浸透しつつある可能性を示唆している。


防御側に求められる対応

Meyers氏は、エージェント型AI攻撃が全く新しい手口を使っているわけではないと強調する。

「新しいことをやっているわけではない。ただ、私たちが慣れていない速度と規模でやっているだけだ。絶望的な状況ではないが、行動しなければならない。見て見ぬふりはできない。」

対策として同氏が挙げるのは、エンドポイント・ID・クロスドメインにわたる可視性の確保だ。攻撃手法自体が高度化したわけではなく、速度と規模の問題である以上、既存のセキュリティ基盤を強化・整備することが有効な対応となる。具体的には、ウェブシェル設置や異常なコマンド発行頻度を検知するシグネチャの最新化、および既知の脆弱性に対するパッチ適用の優先度引き上げが現実的な第一歩となる。ARTEXが悪用する脆弱性が既存のCVEである以上、パッチ管理の徹底は依然として最も費用対効果の高い防御策だ。


詳細はChina-backed threat group used agentic AI pentesting tool to compromise 140 sensitive targets in 11 daysを参照していただきたい。