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DeepSeek、華為チップ16万枚でV5を学習へ — 対中輸出規制が「脱NVIDIA」を現実に変えた

11月4日、Dataconomyが「DeepSeek plans to train V5 using 160,000 Huawei chips」と題した記事を公開した。中国のAI企業DeepSeekが、次世代モデル「V5」のトレーニングに華為(ファーウェイ)製チップ「Ascend 950DT」を少なくとも16万枚投入する計画が明らかになった。米国による対中半導体輸出規制の強化が続く中、中国AIスタックの「脱NVIDIA」が現実的な選択肢として急浮上している。NVIDIAから華為へ——DeepSeekの調達戦略が転換点を迎えるDeepSeekはこれまで高負荷ワークロードにNVIDIAのGPUを活用してきた企業だ。しかし米国は2022年以降、対中半導体輸出規制を段階的に強化しており、NVIDIA A100・H100といった高性能チップの中国向け販売は事実上困難な状況が続いている。NVIDIAが規制をかいくぐる形で投入した中国向け製品(A800・H800など)も、2023年10月の規制強化でさらに締め付けられた経緯がある。こうした状況下でDeepSeekが選んだのが、華為製「Ascend 9...

11月4日、Dataconomyが「DeepSeek plans to train V5 using 160,000 Huawei chips」と題した記事を公開した。中国のAI企業DeepSeekが、次世代モデル「V5」のトレーニングに華為(ファーウェイ)製チップ「Ascend 950DT」を少なくとも16万枚投入する計画が明らかになった。米国による対中半導体輸出規制の強化が続く中、中国AIスタックの「脱NVIDIA」が現実的な選択肢として急浮上している。

NVIDIAから華為へ——DeepSeekの調達戦略が転換点を迎える

DeepSeekはこれまで高負荷ワークロードにNVIDIAのGPUを活用してきた企業だ。しかし米国は2022年以降、対中半導体輸出規制を段階的に強化しており、NVIDIA A100・H100といった高性能チップの中国向け販売は事実上困難な状況が続いている。NVIDIAが規制をかいくぐる形で投入した中国向け製品(A800・H800など)も、2023年10月の規制強化でさらに締め付けられた経緯がある。

こうした状況下でDeepSeekが選んだのが、華為製「Ascend 950DT」チップへの全面的なシフトだ。トレーニング拠点となるのは内モンゴル自治区・烏蘭察布(ウランチャブ)に建設中の新データセンターで、2026年後半に稼働開始を予定している。これは単なるインフラ投資ではなく、主要なAIモデルのトレーニングを国産チップで賄う体制を整えようとする戦略的な転換として注目される。

Ascend 950DTのスペックと位置づけ

華為がトレーニングと推論の両用途向けに設計したAscend 950DTの主なスペックは以下の通りだ。

  • HBM(高帯域幅メモリ)容量: 144 GB
  • メモリ帯域幅: 約4 TB/s

推論(ユーザーのリクエストに対してモデルが応答を生成するプロセス)とプレトレーニング(大量データを処理してモデルの基礎を構築するプロセス)の双方に対応できるよう設計されている点が特徴だ。華為のAscendシリーズはこれまで、前世代のAscend 910Bが中国国内のAI学習用チップとして普及してきたが、950DTはその後継にあたる最新世代モデルと位置づけられる。

DeepSeekはまず推論用途でこのハードウェアを評価し、その後プレトレーニングへ展開する方針だという。段階的に検証を進めるこの姿勢は、過去の失敗を踏まえた慎重な判断と見られる。

過去にはHuaweiチップで苦戦した経緯も

記事では、DeepSeekが旧世代のHuawei Ascend 910シリーズを用いてモデルをトレーニングした際に、安定性・性能面で問題が発生した経緯も触れられている。具体的なモデル名や時期の詳細は元記事内にとどまるが、ソフトウェアスタックの成熟度不足やNVIDIA CUDAエコシステムとの互換性のなさが障壁となったことが業界では広く指摘されている。今回の計画がその反省の上に成り立っていることは明らかで、950DTおよびその周辺ソフトウェアスタックがそうした課題をどこまで克服しているかが、実際の稼働結果とともに注目される。

米中AI覇権争いという文脈

DeepSeekはこれまで、比較的少ないGPUリソースで高性能モデルを構築したとして世界的に注目を集めてきた。DeepSeek V3や後続モデルの開発にあたっては、限られたNVIDIA H800クラスターを最大限に活用する効率化手法が話題を呼んだ。しかし今回の計画は様相が異なる。16万枚という大規模な国産チップ展開は、効率化による節約という文脈を超え、国内でAIインフラを自給自足する体制を本格的に構築しようとする意図を示している。

米国の輸出規制によってNVIDIA製高性能チップの入手がほぼ不可能になった以上、DeepSeekにとってこれは能動的な「選択」というより、規制によって強いられた「適応」という側面が大きい。その意味で今回の動きは、中国AI産業全体が直面するサプライチェーン上の課題を象徴する事例でもある。中国国内でどれだけ競争力のあるAIチップエコシステムを構築できるか、DeepSeek V5の学習結果はその試金石となるだろう。

詳細はDeepSeek plans to train V5 using 160,000 Huawei chipsを参照していただきたい。