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Canvaが従業員の25%・約1,200人を削減——「AI」と言わずにリストラを発表した経営判断の背景

11月5日、Disassociatedが「AI the elephant in room as Canva announces large staff layoffs」と題した記事を公開した。CanvaのCEO・Melanie Perkinsは人員削減の理由として「AI」という言葉を一切使わなかった——にもかかわらず、文脈からAIの影響であることは誰の目にも明らかだ。この"言葉の選択"が、テック業界における大規模リストラの新たな定型となりつつある実態を、同メディアは鋭く指摘している。

11月5日、Disassociatedが「AI the elephant in room as Canva announces large staff layoffs」と題した記事を公開した。CanvaのCEO・Melanie Perkinsは人員削減の理由として「AI」という言葉を一切使わなかった——にもかかわらず、文脈からAIの影響であることは誰の目にも明らかだ。この"言葉の選択"が、テック業界における大規模リストラの新たな定型となりつつある実態を、同メディアは鋭く指摘している。


Canva、全体の約25%を削減

CanvaのCEO・Melanie Perkinsは、全世界の従業員のほぼ4分の1にあたる約1,200人を削減すると発表した。同社はオーストラリア・シドニーを拠点とするグラフィックデザインツールの大手で、個人から企業まで幅広いユーザーに利用されている。直近では390億米ドルの企業評価額を記録し、非上場のスタートアップとしては世界有数の規模を誇る。近年はAI機能の積極的な取り込みを進めており、「Magic Write」や「Magic Design」といった生成AI搭載ツールを相次いでリリースしてきた。

注目すべきはPerkinsのコメントの"言い回し"だ。リストラの原因として「AI」という言葉は使わず、代わりに「新技術(new technology)」と表現した:

新技術は、人々が何を作れるか、どのように作るか、そして使うプロダクトに何を求めるかを変えつつある。

「AIによるリストラ」という表現を避けながらも、文脈からその影響は明白である。AIと雇用問題が絡む事例として、今後の業界の議論の焦点になりうる事案だ。


残留社員は"オフィス回帰"へ

今回の削減は単なる人員整理にとどまらない。Canvaは業務をシドニー拠点に集約し、残留する社員には出社頻度を高めることを求める方針も示している。コロナ禍以降に広がったリモートワーク文化に逆行する動きであり、Amazon・GoogleといったテックジャイアントがRTO(Return to Office)政策を強化する流れとも軌を一にしている。


退職者への条件と「起業支援」

退職する社員への待遇は、以下の通りとされている:

  • 最低6ヶ月分の給与を支給
  • Canvaが医療保険を提供している地域では12ヶ月分の医療保険を継続
  • 業務用MacBookの持ち出しを許可
  • 新規事業立ち上げを希望する場合、最大1万米ドルの助成金を申請可能

特に「起業支援グラント」は珍しい。記事の執筆者は、繰り返し構造改革・縮小を行う企業に雇用され続けるより、自ら事業を立ち上げる方が雇用の安定につながる場面が今後増えるかもしれないと述べている。


「AIが原因」と明言しない理由

Canvaが「AI」という言葉を意図的に避けたことは、広報戦略上の判断とみることができる。しかし業界関係者からすれば、「新技術」がAIを指しているのは自明だ。

テック企業が人員削減の理由としてAIを前面に出すことへの慎重さは、社会的反発やブランドイメージへの影響を意識したものとみられる。一方で、こうした"言い換え"が横行すれば、AIと雇用の実態が見えにくくなるという問題も生じる。IBMやDuolingoなど、AI導入を明確な理由として挙げた企業のケースと比較すると、Canvaの表現の慎重さは際立っている。

なお、本記事を掲載したDisassociatedは、テクノロジー産業の動向を批評的な視点から分析する独立系メディアであり、大手テックプラットフォームに依存しない発信スタイルを特徴としている。

記事の執筆者は、「Canvaで昨日起きたことが、今後は珍しくなくなるかもしれない」と率直に記している。AIによる業務効率化が加速するなか、同様の構造的人員削減は業界全体に広がる可能性がある。


詳細はAI the elephant in room as Canva announces large staff layoffsを参照していただきたい。