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Deep Dive

中国製LLM「GLM-5.2」がClaude Opus 4.7と同等のタスク解決率を約5.7分の1の価格で達成 — 西側AIラボの価格競争に新たな圧力

6月25日、The Decoderが「Snowflake CEO finds GLM-5.2 competitive with Opus 4.7 at a fraction of the cost」と題した記事を公開した。SnowflakeのCEOが中国製LLM「GLM-5.2」をAnthropicの「Claude Opus 4.7」と比較した社内ベンチマーク結果と、そのコスト差が持つ業界的な意味について詳しく報告している。

6月25日、The Decoderが「Snowflake CEO finds GLM-5.2 competitive with Opus 4.7 at a fraction of the cost」と題した記事を公開した。SnowflakeのCEOが中国製LLM「GLM-5.2」をAnthropicの「Claude Opus 4.7」と比較した社内ベンチマーク結果と、そのコスト差が持つ業界的な意味について詳しく報告している。


GLM-5.2とは何か

GLM-5.2は、中国のAIスタートアップ智谱AI(Zhipu AI)が開発するGLMシリーズの最新モデルだ。智谱AIは清華大学発のスタートアップで、GPTに匹敵するオープン系LLMの開発を目指し継続的にモデルを更新してきた。GLMシリーズはGeneral Language Modelの略で、双方向アテンション機構を採用した独自アーキテクチャを持つ。近年はコーディングや推論タスクへの対応強化が進んでおり、今回のベンチマークはその実力を西側の主要モデルと直接比較する格好の機会となった。

なお、本記事中に登場する「Claude Opus 4.7」というバージョン番号は元記事の表記に基づいており、編集部では独立した検証は行っていない。


約5.7分の1のコストで同等のタスク解決率

Snowflakeが実施したベンチマークは、103タスク・各3回試行という構成で、DuckDBとSnowflakeの両プラットフォームで動作するコードを生成させるものだった。3回の試行を通じた解決率では、**GLM-5.2が66%、Opus 4.7が67%**とほぼ横並びの結果となった。

一方、初回試行での正答率ではOpus 4.7が53.7%に対しGLM-5.2は47.6%と差が開く。GLMの出力の一貫性は低く、1タスクあたりの平均実行回数もGLMが99回、Opusが80回と多い。消費トークン数もGLMが8億6000万トークンと、Opusの4億3900万トークンの約2倍に達した。

それでもコスト面での差は歴然だ。以下が各モデルの料金比較である。

モデル 入力($/百万トークン) キャッシュ入力 出力($/百万トークン)
GLM-5.2 $1.40 $0.26 $4.40
Claude Opus 4.7 $5.00 $0.50 $25.00
GPT-5.5 $5.00 $0.50 $30.00
GPT-5.4 $2.50 $0.25 $15.00

出力トークン単価で比べると、GLM-5.2はOpus 4.7の約5.7分の1、GPT-5.5の約6.8分の1だ。トークン消費量が多い分、実コストの差は縮まるが、それでも大幅な価格優位性が残る。


GLMの強みと弱み

SnowflakeのCEO、Sridhar Ramaswamy氏によれば、GLM-5.2の強みはDuckDBとSnowflakeの両環境で同時にコードを検証できる点だ。この能力ゆえに、GLMにしか解けなかったタスクも存在したという。

一方、弱点も明確だ。「早々に諦める」「誤った観点を延々とチェックし続ける」という傾向が見られた。ある1タスクでは、GLMが24分間で411回のツールコールを実行し、行数・分布・NULL値・カラム型を繰り返し確認しながら3回の試行すべてで失敗した。同じタスクをOpusは9分・49回のコールで解いている。

「GLMはクリーンなコードを生成する」という当初の仮説も、Ramaswamy氏によれば実証されなかった。チェック回数が増えても正答率には直結しない。それでもSnowflakeチームはGLM-5.2を評価しており、顧客向けに提供する方向で検討中だとしている。


西側AIラボへの価格圧力

このベンチマーク結果が持つ意味は、単一モデルの評価を超えている。コーディング支援はAnthropicとOpenAIがともに注力する主要ユースケースであり、そこに大幅な低価格モデルが競争力を持って登場しているという事実は、両社の収益予測に影響しうる。

The Decoderは、GLMの高いトークン消費量がコスト差をある程度相殺すると指摘しつつも、AnthropicとOpenAIが深刻な価格競争にさらされていると述べている。両社の評価額はデータセンターやチップ調達への大規模な設備投資と連動しており、収益成長が鈍化すれば、その前提が揺らぐ。

智谱AIのような中国勢が高性能モデルを低価格で投入し続ける傾向は、GLM-5.2単体の話に留まらない。LLM市場全体の価格帯が下方向に引き寄せられていく構造的な圧力として読み解くべき事例だろう。


詳細はSnowflake CEO finds GLM-5.2 competitive with Opus 4.7 at a fraction of the costを参照していただきたい。