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Deep Dive

AIデータセンターの半導体争奪戦が家電を直撃 — Mac・iPad・Xboxが最大$300値上げ、「$50値上げの時代は終わった」

6月26日、Euronewsが「AI boom sends Xbox, Mac and iPad prices soaring」と題した記事を公開した。AIデータセンター向け半導体需要の急増により、メモリ・ストレージチップのコストがすでに2倍以上に上昇しており、Xbox・Mac・iPadなど主要コンシューマー製品の価格が最大$300引き上げられた。IDCのアナリストは「$50値上げの時代は終わった」と断言しており、iPhoneへの波及も今年後半に予測されている。

6月26日、Euronewsが「AI boom sends Xbox, Mac and iPad prices soaring」と題した記事を公開した。AIデータセンター向け半導体需要の急増により、メモリ・ストレージチップのコストがすでに2倍以上に上昇しており、Xbox・Mac・iPadなど主要コンシューマー製品の価格が最大$300引き上げられた。IDCのアナリストは「$50値上げの時代は終わった」と断言しており、iPhoneへの波及も今年後半に予測されている。


「価格上昇の時代」——$50値上げの時代は終わった

Appleのティム・クックCEOは今月初め、AIチップコスト急騰を背景に「値上げは避けられない」と警告していた。6月26日(木)、その警告が現実となった。

Appleが発表した主な値上げ幅は以下の通りだ。

  • エントリーMacBook:+$100(約€90)
  • 512GB MacBook Air / 256GB iPad Pro Wi-Fi:各+$200(約€175)
  • 1TB MacBook Pro:+$300(約€265)
  • 128GB iPad Air:+$150(約€130)

Appleは発表文の中で、「AIデータセンターの急速な拡張により、メモリとストレージへの需要が異例なほど急増している。コンポーネント価格がこれほど短期間にこれほど大きく上昇したことは、これまでなかった」と述べた。

IDCのアナリストNabila Popalは「$50値上げの時代は終わった」と言い切り、iPhoneについても今年後半に最大+$200(Pro / Pro Maxモデル)の値上げが予想されると指摘した。Appleの株価は同日の取引で4.5%下落し、$279.88となった。


MicrosoftもXboxを8月から最大$150値上げ

Microsoftも同日、Xbox Series Sを$500、Series Xを最大$800へと8月1日から引き上げると発表した。これはXboxの3度目の値上げにあたる(2025年5月に全世界、同年10月に米国限定で値上げ済み)。なお2TBモデルは廃番となる。

Microsoftが強調したのは、コンソールというビジネスモデルの構造的な問題だ。「コンソールは通常、利益を出して販売するのではなく、製造コストを下回る価格で販売されている」と同社は述べている。これはゲームコンソール業界で広く採用されてきた「原価割れ販売モデル」——本体を安く供給し、ゲームソフトやサブスクリプションで収益を回収する構造——であり、コンポーネントコストの急騰が直撃しやすい事情がある。

さらにMicrosoftは、メモリ・ストレージチップのコストがすでに2倍以上に上昇しており、2027年末までにさらに2倍になる見込みであるとした。

Microsoftのゲーミング部門は2025年度に同社売上高の約8%を占めていたが、Xbox販売の低迷や新作ゲームの不振を受けて今年2月に大規模な組織再編を実施している。4月にはXbox Game Passのサブスクリプション価格を引き下げており、今回の本体値上げとの温度差が際立つ。


業界全体に波及——Sony、Nintendo、Valveも

今回の価格上昇はMicrosoftとAppleにとどまらない。

  • Sony:PlayStation 5を欧州で4月初めに€100値上げし、標準版が€650に
  • Nintendo:Switch 2を9月1日から6%超値上げ予定
  • Valve:新型Steam Machineをベースモデル$1,000超(約€880)で発売——市場予想を上回る価格

この価格上昇の根本にあるのが、NANDDRAMの供給不足だ。NANDはSSDやストレージに使われるフラッシュメモリ、DRAMはPCやコンソールの主記憶(RAM)に使われる半導体であり、いずれもコンシューマー機器のコストを大きく左右するコンポーネントである。メモリ・ストレージ市場はSamsungとSK Hynix(いずれも韓国)、および米Micronが支配しており、この数ヶ月間で深刻な供給不足が続いている。AIデータセンターの建設加速がこれらのチップを大量に吸い上げている構図で、コンシューマー向け製品にそのコストが転嫁されている。

※編集部の考察:今回の価格上昇はソフトウェアではなくハードウェアのサプライチェーン問題に起因している。AIモデルの学習・推論インフラが急拡大するにつれ、民生機器向けの半導体が競合する状況は当面続くとみられる。価格上昇が一過性ではなく構造的なトレンドであれば、コンシューマー向けデバイス市場全体の価格帯が長期的にシフトする可能性もある。


詳細はAI boom sends Xbox, Mac and iPad prices soaringを参照していただきたい。