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DeepSeekが710億ドル評価で再び資金調達へ — GPT-5.5の11倍安い価格戦略を続けるには、資金が尽きない

7月15日、The Decoderが「DeepSeek needs more cash just weeks after closing its first $7 billion round」と題した記事を公開した。70億ドルを調達してからわずか数週間、DeepSeekはすでに次のラウンドの交渉に入っている。超低価格戦略で米国企業への浸透を加速させる一方、それを支えるインフラへの投資は終わる気配がない。

7月15日、The Decoderが「DeepSeek needs more cash just weeks after closing its first $7 billion round」と題した記事を公開した。70億ドルを調達してからわずか数週間、DeepSeekはすでに次のラウンドの交渉に入っている。超低価格戦略で米国企業への浸透を加速させる一方、それを支えるインフラへの投資は終わる気配がない。


70億ドル調達の直後に、また資金が必要になった

DeepSeekは5月末に初の外部調達を完了したばかりだ。評価額は約520億ドル、調達額は約70億ドル。この規模の調達を終えた直後にもかかわらず、同社はすでに次のラウンドの交渉に入っている。Financial Timesの報道によれば、新ラウンドのプレマネー評価額は約710億ドルとされており、前回からわずか数週間で評価額が約4割切り上がる格好だ。

調達した資金の使途は明確だ。自社データセンターの建設AIチップの購入である。さらにDeepSeekは、NvidiaやHuaweiへの依存を下げるために独自の推論チップの開発も進めている。

初回ラウンドでは、創業者の梁文鋒(Liang Wenfeng)氏が自ら約30億ドルを出資し、最大の出資者となった。他の投資家にはCATL(中国の電池大手)、Tencent、JD.com、NetEase、そして中国の国家系AIファンドが名を連ねる。


なぜここまで資金が必要なのか——超低価格戦略のコスト

資金需要の根本は、DeepSeekの強引な価格戦略にある。

同社は最近、最大1.6兆パラメータという巨大なオープンウェイトモデル「V4-ProおよびV4-Flash」をリリースした。そのV4-Proの価格はGPT-5.5の入力トークン単価と比べて約11倍安く、この値引きは期間限定ではなく恒久的な価格として設定された

この戦略は実際に効いている。5万社以上の実際の支出データを追跡する米金融サービス企業Rampによれば、DeepSeekは2026年6月に米国企業の間で最も急成長したソフトウェアベンダーの一つに入った。

ただしRampは同時に、企業がDeepSeekのプラットフォームに直接データを送信することによるセキュリティリスクについても警告している。DeepSeekは中国企業であり、中国の法律上、当局からデータ開示を求められた場合に拒否することが難しいとされる。機密性の高い業務データをDeepSeekのAPIに直接送ることは、データが中国側のインフラを経由するリスクを伴うため、米国の企業セキュリティ担当者の間で懸念が広がっている背景がある。


性能差は縮まらないが、価格差は広がる一方

性能面では、OpenAIのGPT-5.6 SolやAnthropicのClaude Mythosといった最新世代のモデルが新たな水準に達しており、現時点でDeepSeekはそこに追いついていない。

ここで読者が混乱しないよう補足しておくと、本記事タイトルで言及している「GPT-5.5」はDeepSeek V4-Proの価格比較に使われているOpenAIの既存モデルであり、「GPT-5.6 Sol」はその後にリリースされたさらに上位のモデルだ。DeepSeekはGPT-5.5との価格差で市場を攻めている一方、性能の最前線はすでにGPT-5.6 SolやClaude Mythosの世代に移っている、という構図になっている。

いずれにせよ、性能差よりも価格差のほうがはるかに大きいという状況は変わっていない。DeepSeekの価格戦略の核心はここにある。最先端でなくても、圧倒的な低価格で「十分に使えるモデル」を提供し続けることで、企業の導入を引き込む戦略だ。


中国国内の競争も激化

DeepSeekを取り巻く環境は国内でも厳しくなっている。価格と性能の両面でDeepSeekに迫るプレイヤーが続々と登場しており、競争は一段と熾烈になっている。

Zhipu AIはオープンソースモデル「GLM-5.2」を公開し、数時間に及ぶ長時間コーディングタスクでAnthropicのOpusモデルとの差を数パーセントポイント以内に縮めた。さらにDatabricksがデフォルトのコーディングエンジンに採用するなど、企業への浸透も現実のものとなっている。MiniMax2.7兆パラメータという桁違いの規模のモデルを開発中とされ、早ければQ3にもリリースされる可能性がある。Moonshot AI(Kimiの開発元)は評価額最大300億ドルでの新規資金調達を目指しており、2025年末時点の評価額の6倍超を狙う動きだ。

記事は「中国AIラボ間の競争がこれほど激しくなったことはなかった」と指摘している。DeepSeekが独自チップとデータセンターの整備を急ぐ背景には、この国内競争と対外価格戦略を同時に維持し続けるための資本が不可欠という現実がある。超低価格で市場シェアを取りながら、インフラを自前で抱えていく戦略は、潤沢な資金なしには成立しない。だからこそ、70億ドルを手にした直後でも、次の資金調達に動かざるを得ないのだ。


詳細はDeepSeek needs more cash just weeks after closing its first $7 billion roundを参照していただきたい。