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Deep Dive

米クラフト大手MichaelsのAIショッピングアシスタント「Ask Mike」、従来の検索と比べてコンバージョン率2倍超 — Google Gemini搭載で6週間の開発期間

7月27日、Digidayが「Michaels claims Google-powered AI assistant doubles conversion rate of traditional search」と題した記事を公開した。米アーツ&クラフト大手のMichaelsがGoogle Gemini搭載のAIショッピングアシスタント「Ask Mike」を展開し、従来の検索と比較してコンバージョン率が2倍以上を達成したと発表した。約1,300店舗・年間売上約50億ドル規模の小売業者による本番事例として、EC業界で注目を集めている。コンバージョン率2倍の具体的な数字Michaelsが7月21日に正式発表した「Ask Mike」は、同社初の顧客向けAIショッピングアシスタントだ。静かにローンチした5月以降、すでに75,000件の会話を処理している。最も目を引く数字が、コンバージョン率だ。MichaelsのHeather Bennett社長(最高顧客責任者)によれば、Ask Mikeを利用したユーザーのオンライン購入率は、従来の検索機能を使ったユーザーの2倍以上に達している。また、インタラク...

7月27日、Digidayが「Michaels claims Google-powered AI assistant doubles conversion rate of traditional search」と題した記事を公開した。米アーツ&クラフト大手のMichaelsがGoogle Gemini搭載のAIショッピングアシスタント「Ask Mike」を展開し、従来の検索と比較してコンバージョン率が2倍以上を達成したと発表した。約1,300店舗・年間売上約50億ドル規模の小売業者による本番事例として、EC業界で注目を集めている。

コンバージョン率2倍の具体的な数字

Michaelsが7月21日に正式発表した「Ask Mike」は、同社初の顧客向けAIショッピングアシスタントだ。静かにローンチした5月以降、すでに75,000件の会話を処理している。

最も目を引く数字が、コンバージョン率だ。MichaelsのHeather Bennett社長(最高顧客責任者)によれば、Ask Mikeを利用したユーザーのオンライン購入率は、従来の検索機能を使ったユーザーの2倍以上に達している。また、インタラクションの27%がユーザーによる商品リンクのクリックまたはカートへの追加につながっているという。

なお、コンバージョン率2倍という数字はMichaels自身が発表したものであり、独立した第三者による検証は現時点では行われていない。一方、27%のカート追加率はより直接的にユーザー行動を示す指標であり、定性的な評価にとどまらない点で参照価値がある。

従来の検索と何が違うのか

Bennettは従来の検索との違いをこう説明する。

「従来の検索では、顧客がプロジェクトを『floral fabric(花柄の布地)』のような孤立したキーワードに分解し、自分で結果を選別する必要があります。Ask Mikeでは、ユーザーが『スペーステーマのパーティーを計画したい』といった完全な文で質問でき、ツールが必要な商品とアイデアを瞬時にキュレーションします。」

具体的には「子どもの誕生日パーティーの計画を手伝って」「夏の子ども向けクラフトのアイデアを教えて」「DIYカーテン用の布が欲しい」といったプロンプトに対応し、プロジェクトの種類・色・素材・予算といった詳細をさらに聞き返して絞り込む。

Bennettはもう一点、購買行動の違いも指摘している。従来の検索ユーザーは「すでに頭にある単品商品」を探す傾向があるのに対し、Ask Mikeのユーザーは1セッション内で関連商品をまとめて購入する傾向があるという。パーティー用品、額縁、クラフト素材といった「セット購買」が起きているということだ。

技術的な背景:6週間で本番稼働

Ask MikeはGoogle CloudのGemini Enterprise for Customer Experienceを使って構築された。これはGoogleが小売・EC向けに提供するAIアシスタント構築パッケージで、大規模な商品カタログへの接続や会話型インターフェースの実装を想定した機能群を備えている。Ulta Beauty、Macy's、The Home Depotといった他の大手小売業者もAIショッピング機能の構築にこのパッケージを採用している。

Google CloudのKapil Dabi氏(米州小売・CPGソリューション責任者)によれば、Michaelsはコンセプトから本番稼働まで6週間という短期間で展開を完了した。これが可能だった理由として、Dabi氏は以下の2点を挙げている。

  • Google Cloud上に強固なクラウドインフラの基盤がすでに存在していた
  • 技術スタックを近代化し、商品カタログをAI対応の形式で整理していた

技術基盤に加えて、「自社の顧客体験における理想的なインタラクションを明確にイメージできていること」も成功要因だとDabi氏は述べている。Michaelsの場合、顧客が誕生日パーティーを開こうとしているときにどの商品を探しているかを把握していた点が具体例として挙げられた。

小売ECにおけるAIアシスタント実装の一例として

同様のGoogle Cloud製パッケージを複数の大手小売業者が採用しているという事実は、Michaelsの事例を単独のケーススタディにとどまらせない。会話型AIを検索の代替として位置づけ、プロジェクト起点の購買を促す設計は、クラフト・DIY・ホームデコといった「アイデア起点で複数商品を購入する」カテゴリとの相性がよく、小売ECにおけるAIアシスタント実装のパターンの一つとして参照しやすい事例だ。

詳細はMichaels claims Google-powered AI assistant doubles conversion rate of traditional searchを参照していただきたい。