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Deep Dive

MicrosoftのAI投資が過去最高益として結実、Metaは増収減益 — 同じAI投資でも収益化の明暗が鮮明な決算

7月30日、Euronewsが「Microsoft posts record profit on AI growth but Meta disappoints」と題した記事を公開した。AI投資の成果を示すMicrosoftの過去最高益と、法的費用などが重荷となったMetaの増収減益という対照的な決算結果を詳報している。

7月30日、Euronewsが「Microsoft posts record profit on AI growth but Meta disappoints」と題した記事を公開した。AI投資の成果を示すMicrosoftの過去最高益と、法的費用などが重荷となったMetaの増収減益という対照的な決算結果を詳報している。


MicrosoftがAI投資の回収フェーズへ

Microsoftの2025会計年度第4四半期(4〜6月期)の決算は、市場予測を大きく上回った。なお「2025会計年度」はMicrosoftの会計年度呼称であり、実際の期間は2024年7月〜2025年6月にあたる。売上高は前年同期比18%増の900億ドル(約12.7兆円)で、アナリスト予想の876億ドルを超えた。純利益は31%増の358億ドルと過去最高を記録した。

ただし、この純利益にはAI企業AnthropicへのMicrosoftの投資に関する32億ドルの未実現利益が含まれている点は注記が必要だ。未実現利益とは、保有する投資資産の時価が上昇したことによる帳簿上の利益であり、実際にキャッシュとして回収したわけではない。この32億ドルを除いた場合、純利益の増加幅は依然大きいものの、「過去最高益」の内実がすべてクラウドやAIサービスの事業収益から来ているわけではない点は、数字を評価する上で重要な文脈となる。希薄化後EPS(1株あたり利益)は4.81ドルで、予想の4.24ドルを上回った。

決算発表を受け、Microsoftの株価は木曜日の時間外取引で最大10%上昇した。

クラウド部門の伸びが特に顕著だ。Microsoft Cloudの売上高は593億ドル(前年同期比27%増)。中核サービスであるAzureおよびその他クラウドサービスの売上高は43%増となった。次の四半期(7〜9月期)のAzure成長率は45%増(定数通貨ベース)を見込んでおり、加速が続く見通しだ。

会計年度全体(2024年7月〜2025年6月)の売上高は3,318億ドル。Azureの年間売上高は初めて1,000億ドルを突破し、AI業務アシスタント「Microsoft 365 Copilot」の有料席数は3,000万席超に達した。

CEO Satya Nadellaは「顧客がAI変革を任せてくれている自信の表れだ」と述べた。


「支出が実を結んでいる」と市場が初めて認めた瞬間

AI関連の設備投資に対する懐疑論は業界全体で高まっていた。Zacks Investment ResearchのBryan Hayes氏は「3四半期ぶりに、市場がその支出が本物の何かを生み出していると認める姿勢を見せた」と述べた。

CFOのAmy Hood氏は、2026年の設備投資計画は約1,750億ドル(会計上の変更による調整後)で「実質的には変更なし」と強調した。競合他社が支出予測を順次引き上げているのとは対照的に、Microsoftは計画を据え置いている。

なおAzureの需要はキャパシティを超えている状況が続いており、追加インフラを稼働させても供給が追いついていないという。


Metaは増収減益——法的費用と人員削減コストが直撃

同じ4〜6月期に決算を発表したMetaは、売上高こそ予想を上回ったものの、純利益は大幅に落ち込んだ。

  • 売上高: 608億ドル(前年同期比28%増)※予想は602億ドル
  • 純利益: 158億5,000万ドル(前年同期比14%減
  • EPS: 6.18ドル(予想の7.19ドルを下回る)
  • 営業利益率: 31%(前年同期の43%から大幅低下)

費用の急増が主因だ。総費用合計は55%増の420億3,000万ドル。内訳は訴訟関連費用が24億ドル、5月に実施した人員削減に伴う退職給付費用が11億8,000万ドルとなった。

訴訟費用の背景としては、Metaが複数の大型法的手続きを抱えていることがある。また5月の人員削減は同社が「業績の低い従業員」の整理として実施したものであり、その一時費用が今四半期に集中して計上された形だ。つまりMetaの減益は、AIへの投資そのものが収益を損ねているというより、こうした法的リスクと組織再編コストが一時的に利益を押し下げた構図と読むのが正確だ。実際、AI投資自体は広告事業の売上成長(前年同期比28%増)に貢献しているとMetaは説明している。

Mark Zuckerberg CEOは「AIが中核ビジネスを加速させ、次世代製品を動かしている」とコメントし、先行きへの楽観を示した。数字の上では厳しい結果だが、減益の主因が一時的な費用であることを踏まえると、構造的な収益悪化と単純に判断するのは慎重さを要する。


AI投資の収益化構造の違いが数字に現れた四半期

今回の決算は、AI投資の収益化モデルの違いを浮き彫りにした。Microsoftはクラウドインフラ(Azure)と業務ツール(Copilot)という二軸で収益化が着実に進んでいる。一方Metaは、AI投資が広告売上の成長という形で貢献しているものの、今四半期に限っては法的費用や組織コストという別の要因が利益を大きく圧迫した。同じ「AI投資」でも、その収益化の経路と、利益に影響を与える外部要因の違いが、今回の決算差として現れている。

詳細はMicrosoft posts record profit on AI growth but Meta disappointsを参照していただきたい。