7月30日、CNBCが「Amazon's AWS posts fastest growth since 2021, citing AI and chip demand」と題した記事を公開した。AWSが2026年第2四半期にOpenAIとの提携とMetaによるGravitonチップの大規模採用を同時に発表し、成長率が2021年以来最速の**37%**に達したことを伝えている。クラウド三社の競争は、単なる規模比較から「AI案件の誘致力」を巡る争いへと移行しつつある。
OpenAI誘致とMetaのチップ大量採用——今四半期の最大のニュース
今四半期のAWSを語る上で外せない動きが2つある。
- OpenAIとの提携:OpenAIのモデルをAWS上でホストすることが発表された。OpenAIはこれまでMicrosoft Azureと独占的な関係を持っていたが、その契約終了を受けてAWSにも展開するかたちとなる。これまでAzure経由でのみ利用できたOpenAI APIが、AWSインフラ上でも選択肢となる。マルチクラウド構成を検討している開発者・チームにとってプロバイダー選択の幅が広がる変化だ。
- MetaによるGravitonチップの採用:Metaが3年間の契約のもと、AWSの自社設計チップであるGravitonを数十万単位で使用することが決まった。GravitonはAWSが独自設計するArm系サーバーCPUで、x86系チップと比較して電力効率の高さを特徴とする。Metaほどの大規模ユーザーがこの規模でGravitonを採用するのは、AWSのチップ戦略における大きな実績となる。
AWSが37%成長、2021年以来の最速ペース
AWSは2026年第2四半期(6月期)に422.3億ドルの売上を記録した。アナリスト予測(StreetAccount集計:405.4億ドル)を大きく上回り、前四半期の成長率28%から**37%**へと加速した。2021年以来最速の成長率だ。
収益性も際立っている。営業利益は166.2億ドル(StreetAccount予測の136.2億ドルを大きく超過)、営業利益率は**36.8%に達した。Amazonの全社営業利益の約61%**がAWSから生まれていることになる。
AI事業と自社チップが揃って年換算250億ドル超え
AWSのAI事業および同ユニットのチップ事業は、それぞれが年換算で250億ドル以上の収益を上げており、前年からいずれも倍増以上の成長を示している。
設備投資は前年比68%増、データセンター整備を加速
AI向けチップを大量に搭載したデータセンターの整備を急ぐAmazonは、第2四半期の設備投資額が542.1億ドルとなり、前年比68%増を記録した。StreetAccount予測の493.5億ドルも上回っている。クラウド各社がこぞってAIインフラに資金を投入している構図が、この数字からも読み取れる。
クラウド3社の比較:成長率ではGoogleがリード、規模ではAWSが首位
クラウド大手3社の直近の成長率を並べると以下のとおりだ。
| 事業 | 前四半期成長率 | 当四半期成長率 | 年間売上規模 |
|---|---|---|---|
| AWS | 28% | 37% | 1,484億ドル |
| Azure(Microsoft) | 40% | 43% | ※編集部注:元記事に具体的な数値の記載なし |
| Google Cloud(Alphabet) | 63% | 82% | ※編集部注:元記事に具体的な数値の記載なし |
Googleは成長率で他社を大きく引き離しているが、絶対的な規模ではAWSがトップを維持している。Evercoreのアナリスト、Mark MahaneyとGreg Melichは「Googleの四半期あたりの増収ペースに他社が追いつくのは難しい」としつつも、Amazon株への買い推奨を維持している。
エンジニアに関連する動き
AWS CEOのMatt Garmanは、今四半期のAIセキュリティの取り組みとして、コードの脆弱性を検出するAIセキュリティサービスも発表している(関連動画:AWS launches new AI security service for code vulnerabilities)。
OpenAIモデルのAWSホスティングは、プロバイダー選択の観点でも実務的な意味を持つ。これまでAzureへの依存を理由にOpenAI APIの採用を見送っていた開発チームにとって、AWSネイティブな構成でOpenAIモデルを利用できる選択肢が生まれることになる。
詳細はAmazon's AWS posts fastest growth since 2021, citing AI and chip demandを参照していただきたい。




