7月31日、Google Cloud Press Cornerが「Oracle to Make Gemini Models Available to Thousands of Enterprise Applications Customers」と題した記事を公開した。OracleとGoogle Cloudが提携を拡大し、GeminiモデルをOracle Fusion CloudアプリケーションおよびOracle NetSuiteに統合する計画について詳しく紹介されている。
OracleのエンタープライズアプリにGeminiが入る
OracleとGoogle Cloudは2026年7月30日、既存のパートナーシップを拡張すると発表した。今回の核心は、GeminiモデルをOracleのエンタープライズアプリケーション群に直接組み込む点だ。
具体的には2つの柱がある。
- Oracle AI Agent Studio for Fusion ApplicationsへのGemini統合
- Oracle Fusion ApplicationsおよびOracle NetSuiteへの組み込みAIとしての活用
Oracle AI Agent StudioはFusion Applications向けのエージェント開発プラットフォームで、AIエージェントの構築・接続・実行を一貫して担う。ここにGeminiモデルが追加されることで、開発者はOracle純正モデル以外の選択肢を持てるようになる。
どのGeminiモデルが使えるのか
今回提供が予定されているのは以下の2モデルだ。なお、これらはGemini 2.x系とは異なる命名体系で登場したモデルであり、元記事の記述に基づいて紹介している。
- Gemini 3.1 Flash Lite:コストパフォーマンス重視の軽量モデル。定型処理の自動化など、大量バッチ処理に向く
- Gemini 3.5 Flash:より複雑な推論や、動画・プレゼンテーション生成といったマルチモーダルタスクに対応
Oracleは「各ユースケースに最適なモデルを選べる柔軟性」を強調しており、Gemini以外のプロバイダのモデルも引き続き利用可能としている。価格対性能の最適化が選定基準になるとのことで、すべてのユースケースにGeminiを使うわけではない。
NetSuiteへの統合が地味に重要
44,000社以上・220カ国で使われるOracle NetSuiteへのGemini統合も計画に含まれる。NetSuiteはERP(統合基幹業務システム)として中堅〜大企業の財務・サプライチェーン・人事管理を担っており、そこにGeminiが入ることで「インサイトから実行への移行」を加速させる狙いだ。
NetSuiteファウンダーのEvan Goldberg氏は「正しいユースケースに正しいモデルを選ぶことが、AIから価値を引き出す鍵だ」と述べており、Geminiを固定的に採用するのではなく、用途ごとに評価・選択する方針を示している。
既存のOCI連携との関係
今回の発表は、既存のOCI(Oracle Cloud Infrastructure)Enterprise AI経由でのGeminiアクセスを土台にしている。OracleとGoogle Cloudは以前よりOCIとGoogle Cloud間の相互接続やGemini Enterprise Agent Platformとの統合を進めており、すでにOCI Enterprise AIを通じてGeminiモデルへのアクセスを提供している。今回の拡張はそこにFusion ApplicationsやNetSuiteという「業務アプリ層」を加える形だ。
インフラ層(OCI)→開発プラットフォーム層(AI Agent Studio)→業務アプリ層(Fusion / NetSuite)という縦積みの統合が完成に近づく構図といえる。
注意点:まだ「計画」段階
発表文にはFuture Product Disclaimer(将来製品に関する免責事項)が明記されており、「開発・リリース・タイミング・価格はOracleの裁量で変更される可能性がある」とされている。現時点では確定した製品発表ではなく、ロードマップの公表に近い位置付けだ。エンタープライズ導入を検討する際は、この点を踏まえてOracleに直接確認することが必要になる。
詳細はOracle to Make Gemini Models Available to Thousands of Enterprise Applications Customersを参照していただきたい。




