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Deep Dive

ChatGPTは検索する前から推薦ブランドを決めている — ショートリスト入りで約33倍の言及率差が明らかに

8月14日、Search Engine Journalが「ChatGPT Already Knows Who It'll Recommend Before It Searches」と題した記事を公開した。この記事では、ChatGPTが検索を実行する前の段階でブランド名を自己生成してショートリストを作っており、そのリストに載るかどうかが最終的な推薦結果をほぼ決定するという調査結果について詳しく紹介されている。

8月14日、Search Engine Journalが「ChatGPT Already Knows Who It'll Recommend Before It Searches」と題した記事を公開した。この記事では、ChatGPTが検索を実行する前の段階でブランド名を自己生成してショートリストを作っており、そのリストに載るかどうかが最終的な推薦結果をほぼ決定するという調査結果について詳しく紹介されている。


検索前にブランド名が決まっている

記事の著者は「best AI note taking app」と尋ねた。ブランド名は一切含めていない。ChatGPTが最初に生成した検索クエリは以下だった。

best AI note taking apps 2026 official pricing features Granola Notion AI Otter Fireflies Fathom Mem Limitless

末尾に並ぶ7つのブランド名——Granola、Notion AI、Otter、Fireflies、Fathom、Mem、Limitless——はユーザーが入力したものでも、検索結果から拾ってきたものでもない。まだ何も取得していない段階でモデル自身が生成した名前だ。

その後ChatGPTは9本の追加検索を走らせた。

site:granola.ai pricing features AI meeting notes 2026
site:otter.ai pricing AI meeting notes 2026
site:fathom.video pricing AI meeting assistant 2026
site:notion.com product AI Meeting Notes official 2026 pricing
site:fireflies.ai pricing official AI meeting notes 2026
...

構造は明快だ。最初のクエリでショートリストを生成し、リスト内の各ブランドの公式サイトをpingする。 ファンアウト(検索の扇状展開:1つのクエリから複数の検索を派生させるアーキテクチャ)の正体はブランドの探索ではなく、すでに持っているリストの消化だった。


「ショートリストに載るか」が先、「サイトの中身」は後

著者は27件の会話で、最初のユーザーメッセージと最初の検索クエリをタイムスタンプで照合した。27件中21件で、最初のクエリにユーザーが一度も打っていないブランド名が含まれていた。

テストした13カテゴリでも11カテゴリで同じ現象が起きた。

カテゴリ ChatGPT自身の最初の検索
語学学習アプリ Duolingo Babbel Busuu Pimsleur Speak LingQ
会計ソフト Xero QuickBooks Zoho Books FreshBooks Wave Sage
ロボット掃除機 Roborock Saros Dreame X50 Narwal Freo Z10 Eufy S1 Pro
Webホスティング Hostinger SiteGround Cloudways Kinsta

ロボット掃除機の行が特に目を引く。「Roborock」を知っていることは驚きではないが、「Saros」「Dreame X50」「Eufy S1 Pro」という現行モデル番号をノーヒントで第1クエリに出してきた。

また、同じ質問を繰り返すとリストは変動する。言語学習では6ブランド中5つが2回目も同じだったが、会計ソフトは6ベンダーから「site:quickbooks.intuit.com」の単体プローブに変わった。Webホスティングに至ってはベンダー名が全部消え、レビューサイトに差し替わった。1回の応答でAI可視性を判断してはいけない。同じ質問を5回走らせて、毎回出てくる名前が「ChatGPTの頭の中での競合セット」だ。


ショートリストに載ることの価値:約33倍

著者は「クエリに名前が出たブランド」と「クエリには出なかったが検索結果として取得されたブランド」を分けて、最終的な回答での言及率を比較した。

ブランドの状況 件数 回答での言及率
ChatGPTのクエリに名前が載った 119 68.9%
取得されたがクエリに載らなかった 515 2.1%

約33倍の差。 さらに、ブランドが推薦された86件では、そのブランドの公式サイトが一度も取得されていなかった。言及にクロールは必須ではない。

記事はここでGEO(Generative Engine Optimization)業界への批判を挟む。GEOとは、AIが生成する回答の中で自社ブランドや情報が言及・推薦されやすくなるよう最適化する手法の総称で、従来のSEO(検索エンジン最適化)のAI時代版として近年急速に注目を集めている概念だ。しかし、現在売られているGEO施策の多くは「取得されやすくする」——つまり2.1%の列に向けた仕事だという指摘だ。68.9%の列はそれが実行される前に決まっている。


ショートリストはスタート地点、そこから先の第2フィルターが厳しい

57件の会話、3,554取得ページのデータセットを構築した結果、**引用されたのは110ページ、つまり3.1%**だった。ChatGPTは約600ページを読んで1つの回答を書き、約30件を引用する。

引用率に最も効いたのはドメイン内での掲載順位だ。

グループ内の順位 引用率
1位 5.2%
2位 4.6%
3位 2.4%
5位 0.6%
6位以降 0.3%

上位2件以外は誤差の範囲。 取得セットに入っていても9番手なら実質ゼロだ。

また、同一ドメインから大量のページが取得されると1ページあたりの引用率が落ちる。2ページで6.2%がピークで、6ページ以上になると1.7%まで下がる。ページを大量に送り込めばいいわけではない。


開発者がすぐできる確認方法

著者はブラウザのDevToolsでsearch_queriesキーを読む方法を紹介している(元記事によれば、OpenAIはこのキーをsearch_model_queriesからリネームしたとされているが、正確な時期については元記事を直接確認してほしい)。自分のアカウントでChatGPTを開き、カテゴリの「best ◯◯」質問を投げて、レスポンスのJSONをDevToolsで確認するだけで再現できる。

実務的なチェックリストとして記事が提示しているのは以下だ。

  • カテゴリ質問を5回走らせ、毎回出てくるブランド名を書き留める
  • 自社名が一度も出なければ、それは技術的な問題ではなくブランド認知の問題
  • すでにクエリに載っているなら、次は公式ページの品質と掲載順位が課題

詳細はChatGPT Already Knows Who It'll Recommend Before It Searchesを参照していただきたい。