8月27日、Techstrong AIが「Anthropic Signs $45 Billion Cloud Deal with Nscale Ahead of Planned IPO: Reports」と題した記事を公開した。AnthropicがIPO前にNscaleと総額450億ドル規模のクラウドコンピューティング契約を締結したという内容で、Bloombergが最初に報じ、CNBCが追確認した。
IPO前に450億ドルのインフラを押さえる
AnthropicがUK拠点のAIインフラプロバイダーNscaleと、クラウドコンピューティング契約を締結した。報道では「AI史上最大規模のひとつ」と表現されており、その根拠として契約期間6年間・総額約450億ドル(約6.75兆円)という数字が挙げられている。
契約の核心は、ウェストバージニア州に建設中のNscaleデータセンターから約460メガワットのコンピュート容量をリースするというものだ。この施設は2027年末の稼働開始を予定している。NscaleはUK企業だが、米国のAI需要を取り込むべく北米でのデータセンター整備を進めており、ウェストバージニア州の施設はその一環とされる。
搭載が予定されているのはNVIDIAの次世代チップ「Vera Rubin」だ。Vera Rubinは2025年に発表された現行Blackwellの後継アーキテクチャで、2026年以降の出荷が見込まれている段階の製品であり、本契約は出荷前の段階での調達コミットメントとして位置づけられる。まだ広く流通していないチップへのアクセスを早期に確保しようとする動きは、Anthropicがいかにコンピュートの先手を打とうとしているかを示している。
なぜ今、これほどの規模が必要なのか
背景にあるのは、Claudeモデル群とClaude Code(AIコーディングツール)への需要急増だ。Anthropic自身が今年、インフラへの「不可避な負荷」を認め、ピーク時に遅延や信頼性の問題が発生していたことを公表している。
この課題に対処するため、Anthropicは数ヶ月にわたってインフラへの大型投資を連発している。
- AMD:最大50億ドルの株式投資を約束
- SpaceX:ColossusおよびColossus IIデータセンタークラスターへのアクセス契約(元記事ではその規模について言及があるが、月額・年額の解釈には報道間で差異があり、詳細は原報道を参照されたい)
- Google・Broadcom:戦略的サプライ契約を拡大
これらはいずれも単発の調達ではなく、「複数ベンダーから並行してコンピュートを確保し、特定プロバイダーへの依存リスクを下げる」という戦略的な分散調達の文脈で理解できる。今回のNscale契約はその延長線上にある最大規模の一手だ。なお、Anthropicはこの取引についてコメントを拒否している。
IPOを控えた「コンピュート確保」という成長ストーリー
Anthropicは2025年6月にIPO目論見書をSECに秘密裏に提出しており、現在の企業評価額は9,650億ドルに達している。Wall Streetへの上場を控え、同社は投資家に対して長期成長のシナリオを売り込んでいる段階だ。
収益面では、元記事が引用するBloombergの報道によれば、現時点の年間売上ランレートは数十億ドル規模とされており、2028年までに1,900〜2,000億ドルへの拡大を見込んでいるという。ただし「470億ドル」という具体的な数字については、元記事内でも450億ドルの契約総額との混同が指摘されており、読者は原報道を直接確認することを推奨する。
GPU調達、モデルトレーニング、トップエンジニアの採用にかかるコストが天文学的な規模に達する中、いかにコンピュートを確保・運用するかが、OpenAIやGoogleといった強力な競合との差別化、そしてIPOの成否を左右する中核的な論点になっている。Anthropicにとって今回の契約は単なる調達合意ではなく、「スケールできる会社である」という投資家向けのシグナルとしての意味合いも大きい。
詳細はAnthropic Signs $45 Billion Cloud Deal with Nscale Ahead of Planned IPO: Reportsを参照していただきたい。




